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奈良の加圧トレーナー下司健太郎の健康・ダイエット情報

筋トレの効果を高めたいなら限界まで追い込んではいけない

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この記事では追い込まない筋トレの効果について書いています。

 

追い込む?追い込まない?

フィットネスクラブのフリーウェイトゾーン(ダンベルとかバーベルが置いてあるエリア)を見ると、どこのクラブにも必ずと言って良いほど筋トレグループができています。

自力で上げることができなくなっても、補助をしながら限界まで追いこむ姿がよく見られます。

中には大きな唸り声を上げながら追い込んでいる方もいらっしゃいます。

(ちなみに大きな声を出すのはマナー違反です。)

 

そんな姿を見ている一般の方からすれば、

「あんなに追い込まないと筋肉ってつかないのね…」

なんて思っている方もいらっしゃることでしょう。

 

そんなことありません。

補助を付けて唸り声を上げながら追い込まなくてもちゃんと効果はあります。

むしろ追い込み過ぎない方が効果的と言えるでしょう。

 

もちろん楽々終わってしまっては効果はなく、ある程度頑張る必要はありますが、彼らが行なっているような追い込み方は、ただ苦しいだけで頑張っているわりには効果の薄い方法です。

そんな追い込まない筋トレの効果について見ていきましょう。

 

追いこむトレーニングの定番ドロップセット

追いこむ方法としてよく行われているのがドロップセットと言われる方法で、限界まで行ったら少し重量を下げて限界まで行い、さらにまた重量を下げて限界まで…と繰り返す方法です。

  1. 100キロで限界まで行ったら60キロに重さを減らして限界まで。
  2. 60キロで限界になったら40キロに下げて限界まで。
  3. 40キロで限界になったら20キロに下げて限界まで。

こんなトレーニング方法です。

重りを落としていくからドロップセットです。

フリーウェイトゾーンで筋トレをしている人達定番の追い込み方です。

 

限界まで追い込むので「やった感」もあり、その分効果もありそうではありますが、実際はどうなのでしょうか。

 

ドロップセットと通常の筋トレの効果の違いを調査

ブラジル・サンカルロス連邦大学のAngleriらは普通の筋トレとドロップセットで追い込んだ場合とでの効果の違いについて調べています。*1

32人のボランティアを対象に、ドロップセットで筋肉の限界まで追いこむ方法と、普通の筋トレ(75%1RMで6~12回を3~5セット)を13週間行なってもらい、その効果の違いを調べました。

 

ドロップセットはやるだけ損!

その結果、どちらも同じように筋肉が発達したとのこと。

筋肉の太さは

  • 普通に行ったグループは7.6%肥大
  • ドロップセットを行ったグループは7.8%肥大

と同じように発達。

 

レッグプレスの重量も

  • 普通に行ったグループは25.9%向上
  • ドロップセットを行ったグループは24.9%向上

と筋力の伸びも全く差は見られませんでした。

 

ドロップセットって筋肉の限界まで追いこむことになるので、かなり辛いトレーニング方法です。

ヘトヘトになり、筋肉もパンパンに張ります。

それだけ追い込んでも普通の筋トレ方法と効果は変わらないってことで、

ドロップセットはやるだけ損!

ってことになります。

しんどいだけで効果が変わらないなら「無駄」というより「損」ですよね。

 

追いこむか追い込まないか

スペインナバラ州Research and Sport Medicine CenterのIzquierdoらの研究グループは筋力トレーニングで限界まで追い込んだ場合と追い込まなかった場合での効果の違いについて調べています。*2

実験では、バスケットボールの選手42人を

  • 筋トレで追いこむグループ
  • 筋トレで追い込まないグループ

に分けてトレーニングの効果を調べました。

追い込むというのはドロップセットなどを行うという意味ではなく、 「failure」「自力で持ち上げられなくなるまで」という意味です。

ポジティブフェイラーって言ったりします。

追い込まないグループ少し余裕を持った状態で終えるという感じです。

 

筋トレで追いこむグループは

  1. 最初の6週間、10回3セットを限界まで
  2. 次の5週間、6回3セットを限界まで

 

筋トレで追い込まないグループは

  1. 最初の6週間、80%1RMで5回6セット
  2. 次の5週間、追いこむグループと同じ負荷で3回6セット

という内容でトレーニングを行っています。

追い込まないグループは数回分余裕を持って終わらせる代わりに、セット数を多めに行なったという感じですね。

精神的にはかなり楽に感じるかと思われます。

 

追い込まない方がホルモンに好影響

トレーニングの結果、

  • 体重や体脂肪率に差はなし
  • 筋力、パワーは同じように向上
  • 上半身の筋持久力は追いこむ方が向上
  • 下半身の筋持久力は同じように向上
  • ジャンプ力は同じように向上
  • テストステロン値は追い込まない方が高くなった
  • コルチゾル値は追い込まない方が低くなった

という結果になりました。

 

簡単にまとめると、

筋トレの効果は追い込んでも追い込まなくてもほぼ変わらない。

ただ、ホルモンに関しては追い込まない方が良い。

ということです。

 

追い込むというのは身体にストレスを与えることになります。

強いストレスがかかるとホルモンの分泌にも影響が出てきます。

この実験では自力で持ち上げることができなくなるまで追い込んだ場合でもホルモンに影響をあったということで、ドロップセットなどで本当に限界まで追い込んだ場合のホルモンの影響は非常に大きいものだと想像できます。

無駄に追い込むのは筋トレの効果がないだけではなく、ホルモンにも悪影響を及ぼすということですね。

 

潰れるまで行うかその手前で終えるか

オーストラリアシドニー大学のDaviesらの研究グループは、筋トレで潰れるまで行なった場合と潰れる手前まで行なった場合とでの筋力増加効果の違いを過去の研究をまとめて解析を行っています。*3

潰れるというのはさっき紹介した実験と同じように、自力で持ち上げることができなくなるまでってことです。

ポジティブフェイラーです。

研究は過去に行われた信憑性の高い8つの研究を基に解析を実施。

 

追い込まない方が効果が高いかも

調査の結果、追い込まない方が効果的で、追い込んだ場合よりも筋力が0.6~1.3%増加したとのこと。

 

一応統計的には有意差があるものの、大した差ではないのでどちらでも良いよっていうのが研究者の話。

ただ、意味もなく無駄に潰れるまで行う必要はなさそうです。

潰れるというのは限界まで追い込んでいることになるので、怪我のリスクなんかも高くなってしまいますからね。

 

持ち上げるスピードの低下と効果の違い

紹介した研究を参考にするのであれば、筋トレで追い込み過ぎないほうが良さそうですね。

 

限界の1~2回程度の余裕を持って終えれば良いでしょう。

ただ、トレーニングに慣れていないとあと1~2回できるかどうかの感覚がわからないこともあるでしょう。

そんな場合はオモリを持ち上げるスピードを目安にしても良さそうです。 

 

スペイン・パブロオラビデ大学のPareja-Blancoらの研究グループは、筋トレ時のスピードの低下と効果の違いについて調べています。*4

追い込まないトレーニングを行うのであれば、どの程度追い込まないようにすれば良いのか反復速度の低下を目安にしましょうってことですね。

 

実験は22人の若い男性にスクワットを行ってもらっています。

限界まで追い込むのではなく、

  • 持ち上げるスピードが20%低下したら止める
  • 持ち上げるスピードが40%低下したら止める

以上の2つのグループにわけて8週間スクワットを行いました。

疲れてきたら持ち上げるスピードが遅くなりますよね。

遅くなってきたらそれで終わりましょうって感じです。

 

早めに終えればパワー、そこそこ遅くなれば筋肉

その結果

  • 20%低下で止めたグループはパワーがよく伸びた
  • 40%低下したグループは筋肉が発達した

という結果が見られました。

パワーを伸ばしたいならスピードが維持できる回数まで、筋肉を付けたいなら持ち上げるスピードがある程度遅くなるまでって感じです。

 

持ち上げるスピードが遅くなるということは筋肉が疲労しているということです。

スピードが40%低下したあたりまで行えば筋トレは十分なのかもしれません。

 

この実験では機械を使ってスピードの低下を調べていますが、普段のトレーニングではそういうわけにはいきません。

どうしても感覚的なものにはなりますが、苦しくなってきて持ち上げるスピードが明らかに遅くなったと感じたところで終えるようにすれば良いのではないでしょうか。

10回が限界の重さであれば、自然と7~8回あたりで終えることになるかと思います。

逆に最初と変わらないスピードでできるようであれば筋肉の疲労はそれほどでもないので、もう少しがんばりましょう。

 

根性論でなく理論的なトレーニングを

根性論で「とにかく追い込め!」みたいなトレーニングではなく、理論に基づいた効率の良いトレーニングを行いましょう。

とはいえ、理屈ばかりで楽々終えては効果はありません。

それなりには頑張らないとトレーニング効果は現れません。

 

限界の1~2回手前であったり、スピードが遅くなってくるまでは頑張る必要があります。

あくまで無駄に追い込む必要は全くないですよーって話です。

 

ただ、やっぱり無駄に苦しいトレーニングを行っていると、どうしても精神的に疲れてしまったり、怪我のリスクが高まってしまったりします。

追い込むとフォームが崩れたりして肩や腰を痛めやすいんです。

 

特に筋トレを始めて間もない方や高齢者が筋トレを限界まで追いこむのはリスクが高くなります。

そんな方は限界まで追い込まないトレーニングで安全にかつ効果の出るトレーニングが行えるのではないでしょうか。

追い込まないぶん精神的な負担も少なくて済むので、トレーニングも長く継続できるかと思います。

継続すれば自ずと効果も出てくるでしょう。 

 

ぜひ今日から追い込まないトレーニングを行ってみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに筋トレの最適なセット数やインターバル時間についての記事も書いています。

ぜひ参考にしてみてください。

  

参考文献