サプリメント

ベータアラニン(β-アラニン)が疲労を軽減して運動能力を高める

疲労対策サプリメント ベータアラニンの効果とは?

ベータアラニン(β-アラニン)というサプリメントをご存知ですか?

短時間の運動に対して疲労を軽減してくれるサプリメントです。

 

巷には様々なサプリメントが売られています。

ただ、実際に効果があるときちんと証明されたサプリメントはほんの一握りでしかありません。

 

ベータアラニンは様々なサプリメントの中で、安全性が認められかつパフォーマンス向上効果に関して十分なエビデンスがある数少ないサプリメントのひとつとして挙げられています。*1

 

今回はそんなベータアラニンに関して紹介していきます。

 

ベータアラニンが疲労を軽減する理由

まずはベータアラニンについて説明しておきましょう。

 

筋肉の疲労の原因物質のひとつとして、水素イオンが挙げられます。

ハードな運動を行うと水素イオンが発生し、水素イオンが蓄積されることで筋肉が酸性に傾きます。

 

筋肉が酸性になると筋肉を収縮させるために必要なカルシウムイオンの放出が抑えられてしまい、筋肉が動かなくなってしまいます。

一言で言えば、「疲労」ですね。

400m走など短時間の運動を行うと脚が動かなくなったりしますが、この水素イオン蓄積によるカルシウムイオンの放出が抑えられたことが原因による疲労です。

 

そんな疲労の原因である水素イオンが溜まるのを抑え、筋肉の収縮に必要なカルシウムイオンの放出を促す物質として「カルノシン」という物質があります。

近年、渡り鳥や回遊魚の筋肉に多く含まれているイミダペプチド(イミダゾールジペプチド)という物質が疲労の軽減に効果があるということで注目を浴びていますが、カルノシンはイミダペプチドの一種です。

筋肉内のカルノシン量が多いと疲れにくくなるわけです。

 

ベータアラニンはそんなカルノシンの合成を助けて筋肉内のカルノシン濃度を高めてくれる働きがあります。

ベータアラニンを摂るとカルノシン濃度が高まり、疲労が軽減されるということに繋がります。

 

疲労が軽減されれば運動パフォーマンスの低下を抑えることができます。

よって、ベータアラニンは運動パフォーマンスの改善に効果があるということです。

 

ただし、1~4分程度の比較的短時間の運動パフォーマンスを改善するのであって、2時間以上走り続けるマラソンや90分間動き続けるサッカーなど、25分を超える持久力パフォーマンスの改善に対する効果は現時点でははっきりわかっていません。

短時間で終わる競技や筋トレの反復回数が増えるといったパフォーマンスの改善が期待できるサプリメントです。

 

ベータアラニンの効果

さて、ベータアラニンは運動パフォーマンス改善に効果があるということでしたが、実際に行われた研究も見てみましょう。

 

ニュージャージー大学の研究によると、大学のサッカー選手に1日4.5gのベータアラニンを30日間与えたところ、筋力トレーニングの量が増加するとともに、疲労感も明らかに軽減されたとのこと。*2

ベータアラニンを摂ることで筋肉の疲労が軽減され、反復回数が増加することでトレーニングの量が増えるということですね。

 

筋肥大・筋力アップのためには筋力トレーニングの「量」が大切になってきます。

ベータアラニンを摂ることで筋トレの量が増えれば筋肥大・筋力アップ効果も高まり、パフォーマンスの改善も期待できるでしょう。

 

同じような研究で、ベルギー・ゲント大学の研究によると、陸上400m走選手に1日4.8gのベータアラニンを4週間与えたところ、筋トレの反復動作時の疲労をわずかではあるが確実に軽減したとのこと。*3

この研究でもベータアラニンを摂ることで疲労が軽減し、筋トレ時の疲労が軽減されたという結果になっていますね。

劇的に変化があるわけではないようですが、確実に変化があるようです。

 

さらに、米国・オクラホマ大学の研究によれば、1日6gのベータアラニンを21日間与えつつ自転車によるHIIT(2分高強度、1分低強度)を行うことで、持久力パフォーマンスが改善し、徐脂肪体重(筋肉量)も増加したとのこと。*4

この研究でも疲労が軽減していますね。

疲労が軽減することでHIITの強度も高まり、持久力と徐脂肪体重(筋肉量)が増加しています。

 

3つの研究を紹介しましたが、いずれの研究も疲労が軽減することで持久力が増すという結果が見られています。

現時点では比較的短期間で行われた研究が多く、長期的な効果を調べたものがほとんどないものの、ベータアラニンを摂ることで疲労が軽減するのは間違いないでしょう。

 

ベータアラニンの摂り方と注意点

ベータアラニンが疲労軽減に効果があることがわかりました。

では、ベータアラニンの摂取方法について見ていきましょう。

 

これまでの研究によると、1日4~6gのベータアラニンを2~4週間摂取することで筋肉内のカルノシン濃度が明らかに増加し、1~4分の運動パフォーマンスを改善することが報告されています。*5

摂取量に関しては、1日に12gまで増やすと筋肉内のカルノシンの量を早く増やすことができることが確認されています。

 

ただ、あまり多く摂るのも気をつけなければなりません。

副作用として、人によっては顔や手の甲などにチクチク・ピリピリ感を感じる場合があるとのこと。

健康上問題はないようですが、気になる方は1回に摂る量を少なめに(1.6g)することで副作用が軽減されるという報告があります。

ベータアラニンを摂ることによるピリピリ・チクチク感を不快に感じる方は少ない量で数回に分けて摂ると良いでしょう。

 

ベータアラニンは摂ってすぐに効果が現れるものではなく、4~6gのベータアラニンを2~4週間毎日摂取することで運動能力の改善効果が得られるサプリメントです。

ある程度継続的に摂る必要があるので、普段から摂るようにすると良いでしょう。

継続的に摂るためには経済的な問題も出てくるため、継続的に摂り続けるのは厳しい、短期間でパフォーマンスを高めたい場合は他のサプリメントを検討したほうが良いかもしれません。

 

ベータアラニンはサプリメントとして摂取するのが理想的ではありますが、鶏の胸肉や回遊魚であるマグロやカツオの尾びれに近い部分にも多く含まれています。

1日100gの鶏胸肉2週間以上摂ることで脳内のカルノシン濃度が高まったという報告もあるので、安く済ませたい場合は鶏むね肉などを毎日摂るようにしても良いかもしれません。

 

ベータアラニンまとめ

ベータアラニンに関してまとめましょう。

 

  • 1日4~6gのベータアラニンを2~4週間摂取することで疲労軽減効果が期待できます。
  • 人によっては副作用としてピリピリ・チクチク感を感じる場合があります。
  • 1度に摂る量を少なめ(1.6g)程度に抑えることで副作用を緩和することができます。
  • サプリメントとしてベータアラニンを継続的に摂ることができない場合は、鶏むね肉やカツオ・マグロなどの回遊魚を食べても良いでしょう。
  • 鶏むね肉なら毎日100gを2週間以上継続して摂ることでカルノシン濃度を高めることができます。

 

といった感じです。

 

ちなみに人間は脳に多くのカルノシンが含まれています。

競技パフォーマンスだけでなく、仕事や家事による疲労の軽減にも効果が期待できます。

スポーツマンだけでなくビジネスマン・主婦にもオススメできるサプリメントです。

 

疲労の軽減に効果のあるベータアラニン。

ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

参考文献

*1 Chad M. Kerksick et al., (2018) ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations

*2 Hoffman JR et al., (2008) Short-duration beta-alanine supplementation increases training volume and reduces subjective feelings of fatigue in college football players.

*3 Derave W et al., (2007) beta-Alanine supplementation augments muscle carnosine content and attenuates fatigue during repeated isokinetic contraction bouts in trained sprinters.

*4 Smith AE et al., (2009) Effects of beta-alanine supplementation and high-intensity interval training on endurance performance and body composition in men; a double-blind trial.

*5 Trexler ET et al., (2015) International society of sports nutrition position stand: Beta-Alanine. 

関連記事
スポーツパフォーマンス

カフェインは筋力やパワーといった瞬発的なパフォーマンスを高めてくれる

2018年12月18日
もしもししもしです。
カフェイン摂取と筋力・パワーの関係 オーストラリア・ビクトリア大学などの研究グループがカフェインの摂取が筋力・パワーにどう影響を及 …
no image サプリメント

プロテインは健康に悪い?太る?骨が弱くなる?大量のタンパク質を摂った場合の身体への影響は?

2018年10月15日
もしもししもしです。
たんぱく質が大切な栄養素ってことはみなさんご存知ですよね。 私も指導中は最低でも体重1kgあたり1gのたんぱく質を摂りましょう …