こんにちは。
奈良の加圧パーソナルトレーナーしもしけんたろうです。
運動前にストレッチしていますか?
準備運動としてストレッチを行うと怪我の予防にもなるってことでよく行われますよね。
フィットネスクラブの場合、5~10分程有酸素運動を行って身体を温め、その後にしっかりとストレッチをすることが多いようです。
しかし、運動前のストレッチは今日から止めましょう。
運動前にのんびりストレッチを行うのは止めましょう。
運動前にストレッチを行うのは止めましょう。
ここでのストレッチは、じわ~っと伸ばすストレッチの事です。
静的ストレッチと言われるストレッチです。
スタティックストレッチとも呼ばれます。
運動前にこの静的ストレッチを行うと力が出にくくなってしまい、パフォーマンスが低下してしまいます。
ストレッチ後数時間は筋力低下が持続するするという報告もあります。
重たいものが持てなくなったり、速く走れなくなったりするわけです。
競技を行う上ではもちろんマイナスですが、ダイエットを行う方にとってもマイナスです。
しっかりとトレーニングをすることで筋肉がついたり、代謝が上がったりするわけですが、力が出ないのでしっかりトレーニングができません。
それでトレーニングの効果が下がってしまってはダイエットにも悪影響です。
ストレッチで怪我の予防には繋がらない
いや、運動前のストレッチは怪我の予防のためにしてるのよって方もいるでしょう。
固い筋肉よりもストレッチで柔らかくなった筋肉の方が怪我しにくいイメージではありますよね。
実は、運動前に静的ストレッチを行っても怪我の予防にはなりません。
静的ストレッチをしてもしなくても怪我のリスクは変わらなかったという報告があります。
運動前のストレッチとか関係なく、「怪我する時はするもんや」ってことですね。
柔らかい筋肉の方が怪我しにくそうではありますが、運動前にストレッチをしたところでそこまでの変化はないのかもしれません。
ということで、運動前の静的ストレッチは、怪我の予防に関しても効果は期待できません。
ストレッチが重要な場合もあります
「でも、新体操の選手とか練習前とか競技前に思いっきりストレッチしてるじゃない?」
確かに競技によってはストレッチを長めに行う場合があります。
柔軟性が採点の一部となっている競技ですね。
新体操やフィギュアスケートなんかは、”柔軟性>筋力”っていう重要度なので、ストレッチを思いっきり行うわけですね。
身体が硬いと減点どころか競技にすらなりません。
脚を振り上げた時に身体が固くて膝が曲がったり、背中が丸まってはカッコ悪いですよね。
柔軟性を競っているのでなければ止めておきましょう。
運動前には動的ストレッチを行いましょう
じゃあ運動前には何をしたら良いの?
何もせずにすぐに運動を始めたら良いの?
もちろん何もせずに運動を行う訳にはいきません。
運動前には動的ストレッチが効果的です。
ダイナミックストレッチとも言われます。
じーっと伸ばすのではなく、リズミカルに動かすことで筋肉の柔軟性を上げるという方法です。
わかりやすいのが、日本人なら誰もがやったことのあるラジオ体操や、サッカーなどスポーツのウォーミングアップに取り入れられているブラジル体操などが挙げられます。
じーっと伸ばすのではなく、リズミカルに腕を回したり、腰を捻ったりしますよね。
最近では、メジャーリーガーの前田健太選手が行う「マエケン体操」なんかが有名ですね。
肩甲骨や肩の関節をグルングルン回しています。
あまり伸ばしているイメージはないかもしれませんが、筋肉をリズミカルに動かすことで、筋肉がほぐれて柔らかくなってくれます。
動的ストレッチであれば、運動前に行っても柔軟性を上げつつパフォーマンスが低下することはありませんので、安心して行っていただけます。
筋膜リリースも有効
最近流行りのものに筋膜リリースという方法があります。
筋膜をほぐす方法ですね。
筒状の物を使ったり、棒のような物を使ったりして筋膜をほぐします。
やり方はいろいろあるようなので割愛しますが、気になる方はグーグル先生に聞いてみてください。
この筋膜リリースですが、筋膜リリースは柔軟性の向上や筋肉痛の軽減に効果的 の記事に書いてあるように、筋力を低下させずに柔軟性を高めることができます。
また、運動後や筋肉痛時に行うことで、筋肉痛の軽減効果も期待できるようです。
ぜひ積極的に取り入れましょう。
静的ストレッチはタイミングが大切
それじゃあ静的ストレッチって悪いストレッチなの?意味ないの?
となるかもしれませんが、静的ストレッチはとても良いストレッチです。
「馬鹿と鋏は使いよう」という言葉がありますが、ストレッチも同じです。
問題なのは静的ストレッチを行うタイミングです。
運動前や運動中でなければ全く問題ありませんので、運動後や入浴後などに行いましょう。
柔軟性向上という効果は静的ストレッチの方が効果的です。
お風呂上がりなんかは筋肉が温まっているので、普段よりも伸ばしやすいでしょう。
身体が硬い方はお風呂上がりのストレッチがおすすめです。
運動前の静的ストレッチに怪我の予防効果はありませんが、運動後のストレッチはやっぱり有効です。
運動後のストレッチを疎かにしていると筋肉は硬くなっていきます。
筋肉が硬くなると、くっついている骨を引っ張ります。
骨が引っ張られると姿勢が崩れたり、筋肉が骨から剥がれそうになって痛みが出たりします。
子供の成長期に膝が痛くなるのを成長痛って言ったりしますね。
身長の伸びに筋肉の柔軟性が追いつかず、太ももの筋肉がスネの骨を引っ張ることで痛みが出ています。
このような怪我に関してはしっかり静的ストレッチを行うことで予防することができます。
また、運動をしない日のストレッチもおすすめです。
筋トレをしない日にストレッチをすると筋トレ効果アップ の記事に書いてあるように、筋トレをしない日にストレッチを行うことで筋トレの効果が高まることも報告されています。
ぜひお試しください。
寝る前のストレッチも効果的
就寝前のストレッチもオススメのタイミングです。
じーっと筋肉を伸ばすことで副交換神経が働き身体がリラックスします。
それにより、その後深い睡眠が期待できます。
ストレッチが更年期症状を軽減するという報告もあり、症状にお悩みの方にはオススメです。
就寝前などのリラックスしたいタイミングでリズミカルに動く動的なストレッチを行うと、逆に興奮してしまい、その後の睡眠に影響が出てしまいます。
寝る前などのリラックスしたいタイミングにはじんわりと伸ばす静的ストレッチの方が適しています。
でもやっぱり運動前にも伸ばしたい
運動前のストレッチが習慣になっていて、伸ばさないとなんか気持ちが悪いって方もいらっしゃると思います。
運動前にどうしてもストレッチしたい場合は、伸ばす時間を短めにして行いましょう。
長い時間同じ筋肉を伸ばし続けると力が出にくくなってしまいますので、伸ばす時間を短くします。
ただし、短すぎてもストレッチの効果が全くないので、最低でも10秒は伸ばしたいところ。
逆に 30秒は越えたくないので、ストレッチで伸ばしている時間をだいたい15秒程度に抑えてください。
それくらいなら筋力低下もほとんど起きません。
伸ばしたりない、もう少し伸ばしたい場合は、15秒で一度緩めてからもう一度伸ばすようにしてください。
これくらいなら運動前にストレッチしても問題ありません。
運動前に伸ばすなら、短めの時間で行うのがポイントです。
まとめ
ストレッチにも適切なタイミングがあります。
運動前には動的ストレッチを。
運動後や入浴後、就寝前には静的ストレッチを。
ストレッチも使い分けることでより効果を高めることができます。
ストレッチを行う際には、タイミングや種類に注意しながら行ってみてください。
参考文献
A review of the acute effects of static and dynamic stretching on performance | SpringerLink
Effect of acute static stretch on maximal muscle performance: a systematic review. - PubMed - NCBI
A randomized trial of preexercise stretching for prevention of lower-limb injury. - PubMed - NCBI