こんにちは。
奈良の加圧パーソナルトレーナー下司健太郎です。
バランストレーニングって一般的になりましたよね。
バランスボールに座ってバランスをとったり、片脚で立ってふらつかないようにしたり。
そのふらつきを修正するためにいろんな筋肉が使われ、それが効果的ってことですね。
特に高齢者には転倒予防の観点からよく行われているようです。
さて、バランストレーニングが効果的って言ってたからなんとなくバランストレーニングを行っている方も多いかと思います。
実はそれって意味のないバランストレーニングを行っているのかもしれません。
バランストレーニングの効果を調査
バランストレーニングはパフォーマンスの向上や怪我の予防、リハビリテーションプログラム、高齢者の転倒予防プログラムとして組み込まれることが一般的になりました。
私達一般人も、バランストレーニングが体幹(コア)を鍛えるのに効果があるからってことでバランスボールを使ってトレーニングをしたりしています。
しかし、実際にバランストレーニングに効果があるのか、パフォーマンスは向上するのか、日常生活にどのような影響を与えるのかっていうことははっきりとはわかっていませんでした。
どっかの人がメディアで「バランストレーニングが効果的です」みたいに言ってただけです。
そこで、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州のコンスタンツ大学などの研究グループは、バランストレーニングの効果を過去の文献から分析を行いました。
調査対象期間は1985年1月から2015年3月までに発表されたもので、健常者を対象に行われた実験を選びました。
文献は全部で3093件見つかり、そこから結果に対する信憑性の高い研究6件を対象に解析を行いました。
バランストレーニングの効果は限定的
調査の結果、バランストレーニングの効果は特異的なもので、トレーニングされていない動きに効果がないことがわかりました。
例えば、バランスボールの上に立てるようになった場合、バランスボールの上でバランスを取る能力は高まるけど、地面に足を付いた状態でバランスが良くなる効果はないってことです。
まあはっきり言うと
無駄なトレーニングだった
ってことですね。
ただし、今回の解析では研究の数がかなり少なくなったので、もっとたくさん研究を行った場合は結果が違ってくるかもしれないとのこと。
トレーニングは特異性の原則が大切
トレーニングの原則に
「特異性の原則」
っていうのがあります。
行った動きに対してにしか効果は現れませんよって原則です。
競技や日常生活動作に似ても似つかない動きであるバランストレーニングを行うのではなく、強化したい動きに近い姿勢、動きでバランスをとるトレーニングが必要ってことになります。
階段上りに似た動きであるステップアップというトレーニングを片手にダンベルを持って行うとか、前に歩きながら身体を沈めるランジウォークなどのトレーニングを行うほうがパフォーマンスの向上や日常生活動作の改善には有効ってことになります。
サーカスの団員であれば綱渡りやボールに乗るトレーニングはショーの動きに直結するので必要なんですが、一般人、スポーツ選手、高齢者がバランストレーニングを行う必要性は低いってことになります。
そんなことに時間を割くのであれば、バーベルでも担いでスクワットをしたほうが有意義ってことです。
もちろんバランストレーニングを行ったらダメってことではありません。
トレーニングの中にも楽しさは必要なので、バランスボールを使ってワイワイトレーニングを行うのも有効でしょう。
私もバランスボールに飛び乗る練習とかしたりします。*1
ただ、流行っているから、テレビや雑誌でバランストレーニングが良いって言ってたからっていう理由だけでバランストレーニングばかり行うのは無駄となります。
バランストレーニングを行おうと思っている方は、目的を考えた上で取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
*1:大変危険なので、周りの環境には十分にお気をつけください!