あなたの通勤手段はなんですか?
このブログをご覧の方はお仕事をしているって方も多いかと思います。
そんなお勤めの方に質問です。
職場までの通勤手段はなんですか?
車?徒歩?電車?バス?
いろんな通勤手段があるかと思います。
都会の人であればバスと電車が多いんでしょうか。
田舎になると車利用が多いみたいです。
さえ、そんな通勤手段に関してですが、毎日の通勤手段を「自転車」にすることで、健康になれて体重まで減ってくれるようです。
通勤手段と死亡率との関係を調査
英国グラスゴー大学などの研究グループは、通勤手段と死亡リスクの関連を調査しました。
調査は、在宅勤務ではないイギリス人263,450人(平均年齢52.6歳、52%が女性)を対象に通勤手段と死亡率の関係を調べました。*1
まずは被験者を
- 車か電車を利用
- 徒歩通勤のみ
- 徒歩+車または電車
- ほぼ自転車のみ
- 自転車と車or電車を併用
以上の5つのグループに分けて、5年間の追跡調査を実施。
通勤手段と健康の関係について調査を行いました。
結果:自転車通勤の結果が非常に良かった
まずは結論から
”自転車通勤が最強”
以上!
それくらい自転車通勤の効果は素晴らしいって結果が出ました。
自転車通勤で体力向上
まずは体力に関してです。
心肺機能(体力)は自転車通勤をしている人が一番高かったとのこと。
次点として自転車+その他の通勤方法の人が高かったようです。
ちなみに多少体力が付きそうなイメージの徒歩通勤の人は、心肺機能に大した差は見られなかったとのこと。
通勤手段として歩く程度では体力アップには役に立たなかったようですね。
徒歩通勤時には早歩きをすれば体力アップに効果があると思われます。
”車通勤”や”電車通勤”の方は当然ながら体力が向上するなんてことはありません。
自転車通勤で死亡リスク・生活習慣病リスクが大幅減
続いて死亡リスクに関してです。
死亡リスクに関しては自転車通勤を行うことで
- 総死亡リスクが41%減少
- ガン発症リスクが45%減
- 心血管疾患発症リスクが46%減少
という結果になりました。
もう下がりまくっていますね。
自転車+その他の通勤手段の人であっても、
- 総死亡リスクは24%減少
- ガン発症リスクは32%減少
という結果になりました。
ついでに自転車通勤の場合、自転車に乗っている距離が長くなるほど健康効果も高まったとのことです。
通勤手段を自転車にするだけでこれだけの効果があるなら無視するわけにはいきませんね。
自転車通勤はダイエットにも効果的
先述の研究は自転車通勤が健康に良いというものでしたが、健康だけでなくダイエットにも効果的です。
2017年に29~65歳のイギリス人7,680人を対象に通勤手段と体脂肪の関係を調査した研究によれば、車通勤の人に比べて自転車通勤の人は明らかに体脂肪・内臓脂肪が少ないことがわかりました。*2
ちなみに通勤距離が長いほど体脂肪は少なくなったとのことです。
2016年に45~75歳のスウェーデン人1,786人を対象に行った研究によると、自転車通勤で健康リスクや肥満リスクが低下するとのこと*3
2016年に20~79歳のカナダ人7,160人を対象に行った研究によれば、週に1時間以上の自転車通勤で、
- 体力(持久力)の向上
- 体重の減少
- ウエスト周囲径の減少
などが見られたとのこと。
週に1時間以上ということは、週5日勤務だと1日12分。
片道6分間の通勤です。
最低でも片道6分の自転車通勤を行えばダイエットに役立つということになりますね。
2015年にインドの農村部に住む18歳以上の男女2,122人を対象に行われた研究によると、週150分以上の自転車通勤で体重とウエスト周囲径の減少が見られました。*4
先程の研究よりも1週間あたりの通勤時間は長いのですが、それでも1日あたり30分、片道15分の通勤です。
片道15分の自転車通勤なら十分可能でしょう。
2014年にオーストラリアのニューサウスウェールズ州で行われた研究によると、自転車通勤は健康的な体重維持にとても効果があるとしています。*5
ただ、自転車通勤の人は1.4~1.8%程度と多くはないようです。
オーストラリアでこの自転車通勤率なら日本での自転車通勤率はかなり低そうですね。
ジムに行くより自転車通勤の方が効果が高い
自転車通勤は健康向上やダイエットなどメリットがたくさんあるということでした。
健康のためにはスポーツジムに行かず自転車通勤を行いましょう!
いや、ジムで働いている者としてはジムに来てもらいたいんですが、ジムに行って身体を動かす以上に自転車通勤は健康に良いってことですね。
自転車通勤だと心肺機能が鍛えられ、ガンや心血管疾患も予防できるって素晴らしい効果です。
国はガン予防のためにアレコレと手を打っているようですが、自転車専用道など自転車通勤がしやすい環境を作った方がガンの予防に効果があるかもしれません。
後は自転車道はあるのに草ボーボーで走れないところの草刈りをするとか。
ぜひヨーロッパのように自転車で走りやすい環境を作ってもらいたいですね。
さて、自転車で30分圏内であれば十分通える範囲だと思いますので、車で通勤している方は自転車で通勤してみましょう。
30分くらいなら意外とすぐに到着しますよ。
一応片道15分の自転車通勤で明らかに体重やウエストサイズが減っているので、片道30分の自転車通勤ならかなりの効果が期待できるでしょう。
普段電車通勤をしている方であれば、自宅から最寄りの駅まで歩いて行くか自転車で行かれていることでしょう。
それを最寄り駅ではなく一駅先まで自転車に行くようにするのも良いのではないでしょうか。
よっぽどの田舎でなければ、一駅であれば自転車で20分も掛からないでしょう。
ちょうど良い運動になります。
とりあえずある程度自転車に乗ることができれば良いので、工夫してみましょう。
自転車通勤が良いと言っても毎日無理やり頑張る必要もありません。
天気の悪い日は普通に電車や車で通勤して、天気の良い日は自転車で行くといった工夫も良いかと思います。
雨の日にカッパを着てまで頑張ると後が続きませんので、ご自身の続けやすい形で行うのが良いのではないでしょうか。
もちろん、車通勤などに比べると時間もかかりますし、疲れることもあるでしょう。
ですが、体力がついてきたら疲れることもなくなりますし、長い目で見ると健康でいられる期間が明らかに延びることになるので、ぜひ積極的に自転車通勤を取り入れましょう。
おまけ:男性はスリット付きのサドルをどうぞ
ちなみに、自転車の乗っている時間と、男性の元気具合や前立腺がんとの関係も有名な話です。
2014年に発表された報告では、自転車に乗ることで男性の元気具合には影響がなかったようですが、50歳以上の男性において自転車に乗っている時間が長いほど前立腺がんのリスクが高まったという結果になっています。*6
恐らくサドルによって圧迫されることが何らかの影響を及ぼしているのかと思います。
できれば安いサドルではなく、スリット(溝)の付いたタイプの物を使えば圧迫具合が抑えられ、リスクは低下するかもしれません。
ぜひ乗っていても圧迫されにくい快適なサドルを探してください。
その上で、自転車通勤を行えば健康な生活を送れるかと思います。
参考文献
*1:Association between active commuting and incident cardiovascular disease, cancer, and mortality: prospective cohort study | The BMJ
*2:Associations of active commuting with body fat and visceral adipose tissue: a cross-sectional population based study in the UK
*3:Active Traveling and Its Associations with Self-Rated Health, BMI and Physical Activity: A Comparative Study in the Adult Swedish Population
*4:Associations between active travel and adiposity in rural India and Bangladesh: a cross-sectional study. - PubMed - NCBI
*5:Active travel to work in New South Wales 2005-2010, individual characteristics and association with body mass index. - PubMed - NCBI
*6:http://online.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/jomh.2014.0012