こんにちは。
奈良の加圧パーソナルトレーナー下司健太郎です。
一時期「山ガール」という言葉を流行らせようとメディアが頑張っていましたが、流行ること無く死語になってしまいましたね。
山ガールという言葉は死語になっても、登山をする女性はやっぱり結構いるようです。
総務省が発表している情報によると、15歳以上で登山をしている女性は278万2千人ということで、女性の8.6%が山ガールということになります。*1
ちなみに60~64歳が最も多く、次いで55~59歳となっています。
若い方よりはやや年配の方が多いようです。
さて、女性と言えば年齢関わらず気になるのが
ダイエット
かと思いますが、山登りをしてダイエットをしようと考える方も多いのではないでしょうか。
「登山 ダイエット」でググると76万件も出てきましたので、山登りで痩せようと考える人は多いようです。
そんな中、登山ダイエットについて面白い記事を見つけたのでご紹介。
いつもは
「ジムで運動をしてダイエットしましょう!」
とお話しするんですが、今回は登山でダイエットできるのかを考えていきたいと思います。
高尾山に登っている時は痩せたらしい
上記のブログの筆者である”もも”さん曰く、登山を始めて間もない頃、頻繁に高尾山に登っている時は痩せたとのこと。
関西人にとっては高尾山という名前はよく耳にはするものの、どんな山かわからなかったのでちょろっと調べました。
東京都八王子市にある標高599mの山である。
気軽に登れそうな山ですね。
休日に人がたくさんの人が訪れるっていうのがわかります。
関西だと、
といった感じです。
奈良と大阪の境にある生駒山は小学校の遠足で「親子ハイキング」みたいな感じで登ったりするので、高尾山も同じような感じの山であると予想できます。
たぶん。
さて”もも”さん曰く、標高の低い高尾山を登っているころは体重が減ったけど、標高2,000メートルを超える山に登ると痩せられないようです。
単純に3倍以上高い山に登るわけなのでダイエット効果も3倍と思ってしまうところです。
高い山に登っても痩せない理由は何かあるのでしょうか?
登山の消費エネルギーは?
ダイエットを考える上ではやっぱり消費エネルギーを考える必要があります。
消費エネルギーの計算で簡単な方法がメッツという運動強度から求める方法です。
登山の場合は5~10METsという運動強度とのこと。*6
幅があるので間をとって7.5METsとしましょう。
コレに体重を掛ければ1時間あたりのだいたいの消費エネルギーが分かります。
体重60キロの人が1時間の登山を行うと
60 × 7.5 = 450
1時間の登山でだいたい450kcal消費することになります。
高尾山はだいたいどのコースで登っても1時間半くらいで登れるそうなので、450に1.5を掛けて、675kcalとなります。
下山は1時間位でしょうから消費エネルギーが450kcalとすると、高尾山へ1回登山に行くことで合計1,000kcal程度消費することなります。
毎週高尾山に登れば、年間50回程度、消費エネルギーで50,000kcalの消費です。
これは痩せますね!
単純計算で体脂肪7キロに相当します。
ガチ登山だと痩せれない
ガチ登山を想像して真っ先に思い浮かんだのが「剣岳」だったので、剣岳に登った場合で考えましょう。
剣岳の標高は2,999メートル。*7
ざっくり調べたら参考タイムとして12時間とか書いていました。*8
ちなみに剱岳は標高で言うと富士山には劣りますが、一般の登山者が登る山の中では最も危険な山とのこと。
で、こういう山に登る場合は20キロくらいの荷物は担ぐので、先ほどは60キロで計算しましたが、今回は80キロで計算しましょう。
80 × 7.5 × 12 = 7,200
剣岳を12時間かけて登った場合、7,200kcalの消費となります。
体脂肪1キロに相当します。
下りは半分の時間で考えると、合計10,800kcalもの消費ということになります。
かなりの消費エネルギーですね。
これでなんで痩せないんでしょうか。
登山の後は美味しいものが食べたい!
標高2,000メートルを超えるような山となると、ちょっとした旅行みたいなもんです。
気軽に登る高尾山とは違います。
旅となると欠かせないのが美味しい食事ですよね。
さきほど紹介したブログの著者の場合
このブログで、私は登山のきろくを「山旅」というカテゴリに入れています。
山を登ることを運動としてだけではなく「旅」として楽しみたいと思っているんですよね。
とのことで、”登山は旅”ということのようです。
で、旅となると、
- 泊まったらビール
- 山といえばカレー
- ご当地ソフトクリーム
- 朝食に小倉トースト
- 旬の食材として春の山菜とか
- 下山後のビール
- 帰りに駅弁
という感じで盛りだくさんの内容です。
これらをなくしても登山はできるでしょうが、旅としての楽しみは激減します。
食べたいものも食べられない旅なんて嫌ですよね。
私は嫌です。
食べたいものを食べられない旅なんて旅ではありません。
ということで、ガチ登山でダイエットはできないってことになります。
ガチ登山でエネルギー切れは命取り
補足すると、ダイエットのために空腹なんかでガチ登山し、途中でエネルギーが切れて行き倒れてしまっては命の危険に晒されます。
標高の高い山は当然気温も低く、そのままでは凍死の危険もあります。
また、場所によっては空腹でふらついてしまい滑落したら即死です。
ということで、ガチ登山を空腹で何も食べずに行うのは自殺行為みたいなものです。
ビールとかソフトクリームとか帰りの駅弁とかはさておき、山でカレーとか小倉トーストを食べるのはエネルギー補給として重要な意味を持っています。
”腹が減っては登山はできぬ”です。
痩せたいなら空腹で行き倒れても大丈夫な手軽な登山を
ガチ登山はダイエットに向いていないことがわかりました。
ガチ登山でダイエットは止めておきましょう。
それでも登山で痩せたいって方は、近場で気軽に行ける場所へ行きましょう。
往復2~3時間なら栄養補給しなくてもまあ大丈夫でしょう。
お腹が空いて元気がなくなる程度かと思われます。
仮に空腹で行き倒れ状態になっても生きて帰ってこれるようなところへ行きましょう。
真夏や真冬でなければ行き倒れても死なないでしょう。
保証はできませんが。
しばらく倒れていたらまた血糖値が上がってそれなりに復活できるはずなので、近場のお気軽登山であれば生きて帰ってこれるでしょう。
ちなみに標高の高い山では倒れている間に体温が奪われて…ってことになります。
ガチ登山はあくまで競技スポーツと考え、ダイエットのことは一切考えないようにしましょう。
命に関わる場合があります。
ダイエットしたい場合は近くの気軽に登れる山を登るようにしましょう。
近場のお手軽登山であれば、ご当地グルメも地ビールも駅弁も食べたくなることは比較的少ないので、余計なものを食べないぶんダイエットができるってことですね。
たまに登る程度だとなんか食べたくなるかもしれませんが、しょっちゅう登っていたら特別感を感じることが少なくなり、ガチ登山に比べると摂取エネルギーは随分抑えられるかと思います。
栄養補給しなくてもまあ死なないでしょうから、消費したエネルギー分だけダイエットできるってことですね。
ダイエットと登山を一緒に考えるのは止めよう
今回は面白い記事を見つけたので紹介を兼ねて記事にしてしまいました。
登山と聞くとつい身構えてしまいがちですが、ダイエットを考えれば身構えず気軽に登れる方が良いってことですね。
ぜひ気軽に登山をしてダイエットしてみてはいかがでしょうか。
今回は「登山」で考えましたが、他のスポーツでも同じです。
競技として考えるとダイエットはできません。
ダイエット=エネルギーがマイナス状態です。
エネルギーが足りない状態で良い競技パフォーマンスは発揮できませんからね。
レクリエーションとして考えれば勝ち負けを争うわけではありませんので、エネルギーが足りなくても問題ありません。
パフォーマンスが落ちても別に大した問題ではないですよね。
エネルギーが足りない=ダイエットできるってことになります。
ダイエットをしたいのか、競技をしたいのか、それをはっきりさせることもダイエットには大切なのかもしれません。
最後に
いろいろ書きましたが、やはり登山はそれ自体を目的にするのが一番いいよな、と思います。
「ヒップアップのために登山」「思いきりパンを食べるために登山」するようになっては本末転倒だよなと思うんですよね。。。
ダイエットは宿命ですが、登山は趣味です。
趣味は「やらなければならない」という義務感が出た時点で純粋に楽しめなくなってしまうように思うので、今後もあまり深く考えず、好きなように登っていきたいなと思います。
ダイエットは宿命、登山は趣味
いい言葉ですね。
辞書に登録しておきましょう。
夏になると涼しい山に登りたくなる方もいらっしゃるでしょう。
そこでダイエットを考えてしまうのではなく、山登りは山登りとして楽しむようにしましょう。
ダイエットを考えてしまうと山登りが楽しめなくなってしまいます。
ダイエットとしても中途半端になってしまいます。
登山は登山で楽しみ、ダイエットは帰ってきてからまた頑張りましょう。
登山が趣味でない方も、別の趣味はお持ちかと思います。
そんな場合もダイエットをくっつけるのではなく、趣味は趣味、ダイエットはダイエットとして考えた方が楽しいでしょうし、結果的にしっかりダイエットできるのではないでしょうか。