こんにちは。
奈良の加圧トレーニング下司健太郎です。
いつも健康・ダイエットに関するネタを投稿しているんですが、最近の藤井四段の活躍により将棋に興味を持つ方が増えているとのことで、将棋の魅力に関してお話したいと思います。
といってもたかだか将棋歴2年半程、棋力も将棋ウォーズ1級程度のペーペーなので、ちょっとした戯言としてご覧ください。
ちなみにこんな記事も書いています。
棋は対話なり
将棋は一般的なRPGなどのゲームとは違い、相手がいて1対1で交互に指していくゲームです。
相手が指した手を見て、相手が何を考えているのかを考えるのがとても面白いんです。
「棋は対話なり」という言葉があるんですが、一手一手対話できるんですよ。
先手:私は居飛車党なんですわー。2六歩
後手:私も居飛車党なんですわ。相掛かりどないです?8四歩
先手:相掛かりはかなわんわー。角換わりにしてもらえんやろか?7六歩
後手:角換わりは勘弁してやー。横歩取りにせーへん?3四歩
先手:横歩はやめてやー。矢倉にさせてもらいますわー。6六歩
後手:しゃーないなー。付き合ったるわー。8五歩
2六歩とかの符号はわからなくても良いんですが、こんな感じで一手ごとに対話ができるんです。
相手が話しかけているのに自分勝手に指していると一瞬で潰されたりします。
先手:私矢倉が大好きー!
後手:じゃあ急戦で行かせてもらいますねー。
先手:矢倉矢倉♪
後手:どう対応するんですか?
先手:矢倉矢倉♪♪
後手:そろそろ行くけど大丈夫?
先手:矢倉組めたー♪カッコいいー♪
後手:じゃあ遠慮なく行くよー!
先手:あっ…。
なんてことになります。
相手の指し手を見て相手が何を考えているのかを考える。
この対話が将棋の楽しさのひとつですね。
奥が深く難しい!
将棋って凄く難しいゲームなんです。
簡単にクリア(?)なんてできません。
私はドラクエなどのRPGなんかも好きなんですが、レベルを上げれば耐性がとか気にせずゴリ押しで大抵クリアできます。
ドラクエだとレベル50くらいまで上げればまず間違いなくラスボスを倒せます。
中にはレベルMAXまで上げてラスボスをなぶり殺しにするのが趣味って方もいるかもしれませんが…。
誰でも頑張ってレベルを上げればクリアできるというのは良いことでもありますが、クリアできてしまうとやっぱり飽きてしまいます。
ドラクエなんかだと裏ボスまで倒したら大抵飽きてしまいやらなくなります。
しばらく期間が開いてからまた最初からやったりもしますが、多くても3周程度までですね。
まあ、中には裏アイテムみたいな物を全てコンプリートするやりこみプレイとか、一部のアイテムなどを使わない縛りプレイとか、どれだけ低いレベルでクリアできるかを競うプレイとかにチャレンジしてやり込む方もいらっしゃるようですが…。
対する将棋はそんな簡単ではありません。
私も2年半やってもまだ将棋ウォーズ1級で初段にすらなれていません。
でも半年前や1年前に比べると上達している実感はあります。
レベルアップはしているんですが、なかなかクリアできないのが将棋です。
この難しさが将棋の魅力のひとつですね。
難しさがあるから飽きずにずっと続けることができています。
詰むや詰まざるやの緊張感
個人的にはこれが一番の醍醐味だと思っています。
メタルギアソリッドというゲームがあります。
有名なゲームなのでご存知の方も多いかと思います。
物凄くざっくりですが、傭兵である主人公が相手のアジトに潜入してミッションをこなすゲームです。
潜入中、ダンボール箱を被って敵兵をやり過ごす時の緊張感はたまりません。*1
この見つかったら殺られるって時のドキドキが人気の秘訣です。*2
将棋も同じように緊張感を得ることができます。
対局終盤、相手の玉を詰ませることができれば勝ち。
詰ませることができなければこっちの負け。
制限時間も迫っていて早く差さないと時間がなくなってしまうけど、もっとちゃんと考えないと間違ってしまう。
そんなギリギリの状況、詰むや詰まざるやの緊張感がたまりません。
ギリギリのところでなんとか勝ちきった時は
「はぁ~」
って感じで緊張感が解けた安心感や相手玉を詰ませることができた充実感、脳みそフル回転で考えたことによる疲労感が混じった感覚になります。
このような緊張感、充実感は日常生活ではなかなか味わうことができません。
この緊張感、充実感が将棋の魅力のひとつですね。
定跡一手一手の歴史が面白い
歴史が好きって方は多いと思います。
特に戦国時代は人気があり、多くの人が魅了されています。
動乱期であり日本全国で大小様々な大名が自分の正義を信じて戦うわけですね。
そんなドラマに多くの人が惹かれているのかと思います。
信長の野望とか太閤立志伝っていう人気のゲームもこの戦国時代がテーマになっています。
現在放送中の大河ドラマ、「おんな城主 直虎」もそんな戦国時代のドラマですね。
父親の井伊直盛が桶狭間の戦いで討たれることで井伊家を継ぐ男子がおらず、娘である直虎っていう男の名前になって跡を継いだって話です。*3
当時女性が跡を継ぐのは異例のことで様々な困難も持ち受けているわけですが、そんな波乱万丈な人生が人気の秘訣です。
このように歴史には多くの魅力が詰まっているのですが、将棋の戦型にも歴史が詰まっています。
将棋で一番人気のある戦い方が、居飛車対振り飛車の対抗系だと思われます。
アマチュアの中では居飛車対四間飛車なんかは凄く多い戦型です。
プロ間では現在居飛車が優勢となっているんですが、そこに至るまでに様々なドラマが含まれているんです。
一昔前までは振り飛車側が美濃囲いの固さを活かして居飛車をいじめ倒していました。
美濃囲いっていうのは振り飛車側の囲い方で、簡単でしかも固いというのが特徴です。
この美濃囲いが好きだから振り飛車を指すって方も大勢いらっしゃるくらいです。
対する居飛車側は舟囲いという囲いが主流でした。
囲いというのは名ばかりで、泥舟のような脆い囲いです。
例えるならば、振り飛車が甲冑を見につけた状態、居飛車は普通の服の状態です。
居飛車側は身軽で先に攻めるわけですが、甲冑で身を固めた振り飛車側は多少切られても大丈夫ということで、肉を切らせている間に相手の骨を断つという戦い方をしてきました。
そりゃ甲冑対普通の服で戦えば、剣の腕が同じだったら甲冑を見につけている側が勝ちますよね。
これではまずいってことで居飛車側は対策を練ります。
固さで負けてしまうならこっちはもっと固くすれば良いんじゃね?
ってことで、居飛車穴熊という囲いが主流になってきます。
例えるならば、甲冑よりも固いプレートアーマーを着て戦おうってことです。
この居飛車穴熊は猛威を振るいました。
穴熊の暴力と例えられ、一時は振り飛車絶滅の危機にまで陥りました。
一時期、あの羽生善治プロが指す居飛車穴熊は勝率9割を超えていたくらいです。
プロ棋士は将棋のプロとして将棋を指しているのに、ほぼ負けてしまう振り飛車を指す訳にはいかないってことで振り飛車が激減したわけですね。
それくらい固さは正義なわけですね。*4
それではいけないってことで生粋の振り飛車党である藤井猛プロが居飛車穴熊の対策として編み出したのが藤井システムです。
相手の穴熊が固いんであれば穴熊に潜る前に裸で切りかかってやろうって戦法です。
それまで振り飛車は美濃囲いに囲うのが当たり前だったので、囲いもせずに速攻で攻める藤井システムは画期的な戦法でした。
藤井猛プロは藤井システムを武器に竜王のタイトルを獲得したほどです。
絶滅寸前だった振り飛車が息を吹き返した瞬間でした。
もちろん居飛車側も黙ってはいません。
裸のままで斬りかかってくるのなら、先にこっちから斬りかかってやる。
ってことで、穴熊に囲うと見せかけて舟囲いの状態でいきなり斬りかかるようになりました。
美濃囲いと舟囲いを比べれば舟囲いはペラペラで弱いんですが、相手が裸であれば舟囲いの方がまだ固いってことで、裸である振り飛車側が苦しくなります。
それではまずいので美濃囲いに逃げ込むわけですが、そのスキに穴熊に潜ってしまうという戦い方を行います。
穴熊に囲われてしまうとやっぱり振り飛車が苦しくなってしまいます。
その後も振り飛車側が居飛車穴熊対策を打ち出しては、居飛車側がその対策を打ち出すというやり取りが行われ、現在は若干居飛車側が有利とされているところです。
このように将棋の戦型にも歴史があって楽しいんです。
他にも将棋の純文学と言われる矢倉や、近年プロ間物凄い数が指されている横歩取りに関する歴史なんかもまた別にあってとても面白いんです。
流行りの戦型なんかもありますが、それに至るまでに様々な歴史が含まれているというのも将棋の魅力のひとつかと思います。
個々の棋力に合わせ、好きな戦型で楽しめる
なんか難しいことを書いてきましたが、将棋はひとりひとりの棋力に合わせて楽しめるゲームです。
初心者は初心者同士、上級者は上級者同士で楽しむことができます。
私が普段行っていネット将棋のサービスである将棋ウォーズなんかだと、基本的に自動で自分の棋力に合った相手とマッチングされます。
私は将棋ウォーズ1級なので、だいたい初段~2級位の人とあたるように設定されています。
たま二段とかと当たってボコボコにされたりもするんですが…。
ネット将棋でなくても将棋道場や将棋会館で指す場合も同じくらいの棋力の相手と当たるようにしてくれますので大丈夫とのこと。
まあ、こちらもたまに手合違いで8歳位の子供にタコ殴りにされて凹んだりするらしいです。
とりあえず基本的には自分のレベルに合わせて楽しむことができるのが将棋の魅力です。
また、プロ棋士は勝ってナンボの世界なので勝率の悪い戦型で戦うのは基本的にダメですが、アマチュアであれば勝ち負けにこだわりすぎる必要もありません。
居飛車穴熊に弱いけど、振り飛車が好きだから振り飛車を指すっていうのもOKです。
奇襲戦法と言われるようなマイナーな戦法を使うのもありです。
パックマンっていう変わった名前の戦法があります。
パックマンってゲームのように、相手のエサにパクっと喰いつくからパックマンです。
食いつくとその後に罠が待ち構えているって戦法です。
プロ同士が指すとパックマン側がほぼ間違いなく負けるんですが、アマチュア同士であればそうはいかないのが面白いところです。
私も一時期右玉にハマっており、右玉で1級まで上がったと言っても過言ではありません。
決して勝ちやすい戦法ではないのでプロ間ではほとんど指されませんが、勝ち負けに拘らないアマチュアであれば好きに指して良いわけです。
最近は居飛車を勉強したくて居飛車ばかり指していますが、たまに右玉を指したり、気分転換に振り飛車を指したりしています。
自分の好きな戦法で戦えるというのも将棋の魅力のひとつですね。
まとめ
将棋は魅力たっぷりの面白いゲームです。
私も将棋のルールだけ知っている状態から始めて2年半ですが、飽きることなく楽しく指すことができています。
もちろんこれからも続けていくつもりです。
最近は藤井四段ブームで将棋に興味を持つ方が増えているようです。
ぜひこの機会に興味を持つだけでなく将棋を指してもらいたいなと思います。
将棋ウォーズなんかはスマホアプリもありますし、PC版もあるのでどこでも楽しむことができます。
将棋ウォーズは1日3局までは無料なので、試してみるも良いかと思います。
ちなみに私は課金して指し放題にし、毎日指しまくってます。
本将棋ではなく、どうぶつしょうぎという将棋や9マス将棋といった手軽に楽しめる将棋もあります。
将棋の駒も「歩」ではなく「ひよこ」とか、ひよこが相手陣に入ったら「にわとり」になったりします。
百獣の王であるライオンを倒すことができたら勝ちってゲームです。
手軽に楽しめるので、ちょっと将棋を試してみたいって方にも良いかと思います。
手軽なんですが意外と奥が深くて面白いですよ。
どうぶつしょうぎはスマホアプリにもあるので本当に手軽に楽しめます。
また「見る将」と言われる将棋は指さないけど見るって方も増えています。
ニコニコ動画やabemaTVなどで気軽に将棋を見ることができます。
動画視聴者のコメントを見たり、昼食に何を食べるかというクイズに参加してみたり、対局が行われている地方の見どころ紹介があったりと、将棋の指し手以外の楽しみ方も一般化されています。
またプロ棋士の対局ではなく、YouTubeやニコニコ動画で一般の方が将棋実況動画をアップしていたりもしますので、それを楽しむのもなかなか面白いかと思います。
プロ同士の対局だと指し手の意味が深すぎて訳がわからんってことになるんですが、一般人が上げている動画は自分のレベルに近い対局内容なので、手の意味がわかりやすくて楽しめるかと思います。
ぜひこの将棋ブームに乗っかり、自分の将棋の楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。