最近の流行りの筋トレ方法として、クラスターセットという方法があります。
今回はクラスターセットに関するお話です。
クラスターセット?
普通の筋トレの場合は5回なら5回を連続で行います。
まあ普通ですよね。
クラスターセットの場合、1回行ってちょっと休憩、また1回やってちょっと休憩っていうやり方で5回行います。
大抵の場合は5RM(5回位が限界の重さ)とかのかなり重い重量を扱う時に取り入れるのですが、連続で行うと5回しかできないところ、クラスターセットなら7回位できたりします。
機械的ストレスをよりたくさん身体に与えることができます。
100キロを5回挙げたら合計500キロだけど、100キロを7回挙げられたら700キロやろって考えです。
となると身体も発達しやすいであろうっていうトレーニング方法です。
通常の筋トレとクラスターセットを急性効果を比較
ということで、普通の筋トレをクラスターセット、どちらがしんどいかって比べた実験があります。*1
10RM(10回ギリギリの重さ)でフルスクワットを合計30回、セット間休憩を5分に設定。
- 普通のスクワット10回3セット
- 普通のスクワット5回を6セット
- クラスターセットでスクワット 10回3セット1回ごとに10秒休憩
- クラスターセットでスクワット 10回3セット1回ごとに15秒休憩
- クラスターセットでスクワット 10回3セット1回ごとに30秒休憩
- クラスターセットでスクワット 30回1セット1回ごとに15秒休憩
以上の条件で比べてみたとのこと。
結果
普通のスクワットを10回3セット行う場合が、筋肉の疲労も、疲労物質の貯留も、主観的な苦しさも一番高かったとのこと
筋肉の疲労が最も少なかったのは、 クラスターセットの2つ目と3つ目の10回3セットを1回ごとに15秒、30秒の休憩を取る方法でした。
主観的な疲労感は、普通のスクワット5回6セット、クラスターセット10回3セット1回ごとに10秒~30秒休憩した場合が同じくらいのしんどさだったとのこと。
疲労物質の蓄積は、クラスターセットのスクワット10回3セット1回ごとに30秒休憩した場合が少なかったようです。
単位時間あたりの仕事量が違いすぎる
これって比較する必要があるんでしょうか?
目的の違うトレーニングを比較してもあんまり意味がなさそうです。
1回の反復に3秒かかるとすれば、合計30回なので90秒。
3セットでセット間休憩を5分取っているので休憩だけで10分。
普通の筋トレ10回3セットであれば90秒と10分足すと11分30秒で終わります。
クラスターセット10回3セット1回ごとに30秒休憩を挟んだ場合、30秒の休憩が合計で27回あるので、それだけで810秒(13分30秒)かかります。
90秒+10分+13分30秒で、25分となります。
同じ仕事量を11分30秒で終わらせるのと、25分かけて行うのとでは全然違うのは当然です。
3000メートル走を11分30秒で走るのと、25分かけて走るのとでは苦しさは全く違いますよね。
3000メートルを11分30秒で走るならかなり頑張る必要があるかもしくは走れません。
これを25分かけて走れというなら楽々走れます。
それくらい違う内容を比較しているわけですね。
せめてトータルの時間を合わせるとか、短時間あたりの運動量を合わせるとかして比較してもらいたいところですね。
時間がかかりすぎる
しかも1種目にこれだけ時間をかけていたら他の種目を行う時間がありません。
トレーニングもストレスの一種なので、時間が長ければ長いほど身体がストレスに曝されることになります。
あまりにストレスに曝される時間が長いと、ストレスホルモンと言われるコルチゾールの分泌が増えてしまいます。
コレが多いとトレーニング効果も下がってしまいますので、あまり長い時間トレーニングは行いたくないところです。
筋トレは長くても1時間半までには抑えたいところです。
まとめ
たまに気分転換としてクラスターセットを行うのは良いかもしれませんが、メインのトレーニングとして頻繁に行うのはオススメできません。
メインで行うのはあくまで普通の筋トレ方法が良いでしょう。
また筋肉の発達ではなく筋力の向上が目的の場合は有効かもしれません。
筋肥大に関しての効果は現時点ではわからないという報告もあるので、筋力強化目的としてクラスターセットを利用するのは良いでしょう。*2
3~5RMの重さで行う場合、1回毎に休憩を挟んでもそれほど時間はかかりません。
時間はかからないのに普通に行うよりも1~2回多く持ち上げられるはずなので、トータルの仕事量を増やすことができます。
- 筋肥大にクラスターセットはオススメできない。
- 筋力アップにはクラスターセットは良さそう。