この記事では鎮痛効果のある自然の食品について書いています。(2018年4月22日更新)
- 多くの女性の悩み「生理痛」
- ハチミツで生理痛が軽減
- 生姜が痛みの緩和に効果的
- 生姜はイブプロフェンと同じくらいの鎮痛効果
- 気のせい?いや、やっぱり生姜は痛みを軽減する
- 生姜のはちみつ漬けで生理痛を乗り切れ
- 参考文献
多くの女性の悩み「生理痛」
女性の悩みのひとつである「生理痛」
生理痛に悩まされている女性は多いかと思います。
人によっては鎮痛剤が欠かせないって方もいらっしゃるでしょう。
でも薬はできれば飲みたくないし…。
そんな方もまた多いかと思います。
そんな女性のために、鎮痛効果のある自然食品をご紹介します。
ハチミツで生理痛が軽減
生理痛は女性の80~97%に影響を及ぼします。
ただ、痛み止めの薬には副作用などの問題があります。
そこでイランのテヘラン大学のAmiri Farahaniらの研究グループは、はちみつの月経痛に対する鎮痛効果の調査を行いました。*1
生理痛に悩む56人の女子学生を
- メフェナム酸を飲むグループ
- ハチミツの飲むグループ
以上の2つに分け、生理開始3日間の痛みを調査しました。
1か月後、グループを入れ替えて同様に調査を行いました。
その結果、メフェナム酸を飲んだ場合と蜂蜜を飲んだ場合とで痛みに有意差はなかったとのこと。
蜂蜜はメフェナム酸と同じくらいの鎮痛効果があったということですね。
ちなみにメフェナム酸は非ステロイド性抗炎症薬の一種で、痛み止めとして処方されたりする薬です。
鎮痛効果はもちろんあるんですが、薬なのでどうしても副作用があります。
胃に負担がかかったり、眠気が生じたり、頭痛や嘔吐といった副作用が現れる場合があります。*2
対する蜂蜜は食品なのでそういう問題は少ないです。
少し前、乳児に蜂蜜を食べさせ、ボツリヌス菌による中毒症状で死亡するという事故もありました。*3
これにより怖いイメージを持った方もいらっしゃるかもしれませんが、蜂蜜によってボツリヌス症にかかる人のほとんどは1歳未満の子供ということで、月経痛に悩まされる女性であればボツリヌス菌の問題もありません。
副作用を気にすることなく痛みを軽減できるハチミツは、自然の鎮痛薬と言えるのではないでしょうか。
生姜が痛みの緩和に効果的
イラン・Mazandaran医科大学のShirvaniらは生姜の生理痛に対する効果について調べています。*4
生理痛に苦しむ女子学生122人に生姜、もしくは鎮痛薬のメフェナム酸を摂ってもらいました。
メフェナム酸は8時間おきに250mg、生姜は6時間おきに250mgを摂ってもらいました。
その結果、生姜にメフェナム酸と同じくらい鎮痛効果があることがわかりました。
もちろん薬ではないので副作用はありません。
安心して摂ることができます。
生姜はイブプロフェンと同じくらいの鎮痛効果
イラン・Shahid Beheshti大学のOzgoliらは同じように生姜の生理痛緩和の効果について調査を行いました。*5
今回はメフェナム酸だけでなく、イブプロフェンとも比較が行われています。
イブプロフェンは有名ですよね。
つらい生理痛・頭痛に効くイブA錠に含まれている成分です。
生理痛専用薬のエルペインコーワの主成分もイブプロフェンです。
実験は18歳以上の女子大生150人を
- 生姜を摂るグループ
- メフェナム酸を摂るグループ
- イブプロフェンを摂るグループ
以上の3つのグループに分け、生理が始まってからの3日間それぞれ摂ってもらうのを順番に行ってもらいました。
生姜のグループは1日4回、生姜の粉末を250mgずつ飲んでもらいました。
その結果、生姜がメフェナム酸やイブプロフェンと同じくらい生理痛を和らげるのに効果があったとのこと。
また副作用も見られず、治療に対する満足間も変わらなかったとのこと。
安全な鎮痛剤として生姜が役に立ちそうですね。
気のせい?いや、やっぱり生姜は痛みを軽減する
先述の研究は痛み止めの薬と生姜の効果を比べていますが、とりあえず何かをしたということによるプラセボ効果も考えられます。
ということで、イラン・Shahed大学のRahnamaらの研究グループは生姜の生理痛に対する効果について改めて調べています。*6
生理痛に苦しむ120人の女子大生に
- 生姜を摂るグループ
- プラセボグループ
に分けて違いを調べました。
1日3回、生姜パウダーもしくは偽薬が500mg入ったカプセルを生理開始の2日前から生理開始3日間の計5日間摂ってもらいました。
その翌月、同じものを生理開始から3日間摂ってもらいました
その結果、生姜を摂ると痛みが軽減することが明らかになりました。
また、生理開始2日前から摂ることで痛みの持続時間も短くなったとのこと。
生姜のはちみつ漬けで生理痛を乗り切れ
男である私が月経痛に関して気軽に記事にするのは女性に申し訳ないのですが、はちみつと生姜が鎮痛剤と同じくらい生理痛の緩和に効果があるというのは驚きですね。
はちみつも生姜も薬とは違って副作用の心配もほとんどありませんし、安心して摂ることができるのではないでしょうか。
生姜のはちみつ漬けをあらかじめ作っておき、生理が近づいてきたら摂るようにすると痛みの緩和に良いかと思います。
ぜひお試しください。
鎮痛剤と同じような効果があるということで、生理痛だけでなく、頭痛や関節痛なんかにも効果が期待できるかもしれません。
男性や生理痛がひどくないって方も知っておいて損はなさそうです。
ぜひ痛みで辛い時、痛み止めを飲む前にはちみつや生姜をお試しください。
安全にあなたの痛みを取り除いてくれるかもしれませんよ。
参考文献
*1:Comparison of the effect of honey and mefenamic acid on the severity of pain in women with primary dysmenorrhea | SpringerLink
*4:The effect of mefenamic acid and ginger on pain relief in primary dysmenorrhea: a randomized clinical trial. - PubMed - NCBI
*5:Comparison of effects of ginger, mefenamic acid, and ibuprofen on pain in women with primary dysmenorrhea. - PubMed - NCBI
*6:Effect of Zingiber officinale R. rhizomes (ginger) on pain relief in primary dysmenorrhea: a placebo randomized trial. - PubMed - NCBI