私が普段指導している加圧トレーニング。
個人的にはとても効果的なトレーニングだと思っているので取り入れているわけですが、中には加圧トレーニングに否定的な方もいらっしゃいます。
否定的な方の中には
「加圧トレーニングでは筋肉もつかないし、筋力も向上しない」
って言ったりする方もいらっしゃいます。
まあいろんな意見があっても良いかと思いますが、エビデンスもなにもなく否定されるのも癪なので、たまには加圧トレーニングに関する研究をご紹介。
今回の研究は高齢者を対象に、有酸素トレーニングと加圧トレーニングを並行して行った場合に関してです。
有酸素運動と加圧トレーニングを組み合わせて実施
イランのギーラーン大学で行われた研究は、健康な高齢女性25人(平均年齢64.7歳)を
- 週2回の有酸素運動と週2回の通常の筋トレを行うグループ
- 週2回の有酸素運動と週2回の加圧トレーニングを行うグループ
- 何もしないグループ
以上の3つのグループ分けて、12週間後の太ももの筋肉の発達、筋力、心肺機能の変化について調べました。*1
トレーニングの内容
有酸素運動の内容はどちらのグループも共通です。
週に2回、最大酸素摂取量の50~80%で30~40分間行うという内容です。
一般的な有酸素運動と思ってください。
筋トレの内容は違います。
普通の筋トレの内容は、レッグプレスを70~80%1RMの負荷で10回4セット、セット間の休憩1分という内容です。
加圧トレーニングの内容は、同じくレッグプレスを20~30%1RMの負荷で、30回-15回-15回-15回、セット間休憩1分という内容です。
普通の筋トレの負荷が70~80%に対し、加圧トレーニングは20~30%の負荷ということで、普通の筋トレの負荷の半分以下というかなり優しい負荷となります。
加圧なしで普通に行ったら何の効果も出ないような負荷ですね。
個人的にはセット間の休憩時間1分というのに不満が残りますが、休憩時間も普通の筋トレと合わせることでトレーニングの部分だけで評価しようってことでしょうか。
トレーニングの結果
さて、12週間のトレーニングを行った結果を見てみましょう。
太ももの太さの変化
- 普通のトレーニング:7.3%増加
- 加圧トレーニング:7.6%増加
どちらのグループも同じように太ももの筋肉が発達しています。
筋力の変化
- 普通のトレーニング:38.1%増加
- 加圧トレーニング:35.4%増加
筋力に関しても同じように増加しています。
加圧トレーニングを否定される方の意見として、
「加圧トレーニングって重たい負荷を扱わないので筋力の向上は見込めない」
って意見があります。
まあもっともな意見ではありますが、この実験では普通の筋トレとほぼ同じように筋力もアップしています。
心肺機能の変化
- 普通のトレーニング:9.5%
- 加圧トレーニング:10.3%
これは当然どちらも同じように向上しています。
有酸素トレーニングの内容はどちらも同じように行っていますからね。
とりあえず、加圧トレーニングが有酸素能力の向上を邪魔することはないっていうことはわかります。
加圧トレーニングでちゃんと筋肉が発達する
先行研究では加圧トレーニングで筋肉が発達するのは明らかになっていましたが、有酸素運動と並行して行った場合もちゃんと発達していますね。
普通の筋トレと同じように発達しているのが大きなポイントです。
筋肉も関節もバリバリ元気でガンガン筋トレしても平気って人は普通に筋トレをしたら良いんです。
でもそれが難しいって方もいらっしゃるわけで、そんな方に負担の少ない加圧トレーニングが向いているわけですね。
筋トレが大切なのはわかっているけど腰や膝を痛めているから…って方は加圧トレーニングをオススメします。
ぜひお近くの加圧トレーニング実施施設でお試しください。
あと、個人的には加圧ウォーキングもオススメです。
脚にベルト巻いて歩くだけで筋肉がついて持久力もアップします。
筋トレじゃなくてウォーキングです。
15分程歩くだけならだれでもできそうですよね。
筆者も最近は加圧で筋トレを行うだけでなく加圧ウォーキングを積極的に取り入れています。
加圧ウォーキングを取り入れてから体力の向上と太ももの筋肉が太くなった実感があります。
普通の筋トレよりも楽に筋肉が付きますので、ぜひお試しください。