- ダイエットと言えばランニング
- 痩せたいならとりあえず走れ
- 脂肪を燃やすなら有酸素運動
- 毎日5kmジョギングしてます
ダイエットしたいから運動を始めるって人は、とりあえずランニング・ジョギングを行うって方が多いですよね。
走れば痩せれそうですし。
でも実は
ランニングじゃあダイエットできないんですよ。
ランニングではダイエットができない原因を紹介していきましょう。
1.ランニングは消費カロリーが少ない
脂肪を落としてダイエットするためには
摂取エネルギー<消費エネルギー
にする必要があります。
この1日のカロリーをマイナスにすることで体脂肪が少しずつ落ちていくことになります。
ランニングは消費カロリーを増やすための運動です。
ランニングは有酸素運動なので比較的消費カロリーの多い運動ですからね。
で、ランニングによる消費カロリーの目安として、
体重(kg)×距離(km)
でおおよその数値が求められます。
例えば体重60キロの人が5km走ったら300kcal消費って感じです。
もちろんランニングのスピードとか、ランニング経験の大小とか、走る道のアップダウンとかによって違いはあるんですが、大まかな数字が分かれば十分なのでこの計算式でOKでしょう。
さて、ランニングによる消費カロリーが分かりました。
続いて体脂肪を落とすためにはどれくらいマイナスを作らなけらばならないかを知る必要があります。
実は体脂肪1キロ落とすには7,200kcalのマイナスを作る必要があります。
体重60キロの人がランニングで7,200kcal消費しようとすると、だいたい120km走る必要があります。
フルマラソン3回弱ですね。
もちろんコツコツと積み重ねていけば可能です。
毎日5kmのランニングを30日続ければ150kmです。
ただ、毎日休まずに5kmのランニングを続けても1ヶ月で1kgちょっとしか痩せないということになります。
仕事で遅くなって走れなかったり、雨で走れないこともあるでしょうから、実際はそれ以下ということになります。
体脂肪1kg落とすのにこの状態です。
10kg痩せたいならいったい何キロ走らなければいけないのでしょうか。
気が遠くなりそうです。
それでもあなたはコツコツとランニングを続けますか?
ランニングは思ったよりも消費カロリーの少ない運動で、実はダイエットには不向きです。
2.ランニングで食欲が増してしまう
先述のとおり、体重60kgの人が120km走れば7,200kcal消費することができ、体脂肪は1kg落ちるという計算になります。
コツコツランニングを続けることができる方であれば、減量ペースはゆっくりかもしれませんがダイエットはできそうですよね。
毎月1kgペースでも1年で12kg減る計算ですからね。
ところが、実際はそうはいきません。
2010年に行われた研究では中高年男性に6か月間運動をしてもらったところ、思ったよりも体重が減らなかったとのこと。*1
実験期間である24週間で1回1時間程度のランニングやサイクリングといった運動を88回行っています。
週に3~4回の運動を半年間続けたわけですね。
それにもかかわらず、わずか1.8kgしか落ちなかったようです。
計算上4kgくらいは落ちるはずだったんですが、思った以上に体重は減らなかったとのこと。
思ったよりも体重が減らなかった利用として、走ったらお腹が空いてしまい、1日の摂取カロリーが100kcal増えてしまったからのようです。
お腹が空いて食べる量が増えてしまい、思ったほど体重は落ちないという結果となりました。
また2009年には女性を対象に、有酸素運動を50分間してもらったところ、ランニング後は食べ物が美味しく感じられ、食欲が増したとのこと。*2
しかも甘くて脂肪も多い食べ物が欲しくなったということです。
ランニング後はスイーツが食べたくなるわけですね。
これは経験したことのある方も多いでしょう。
運動後はお腹が空いて甘い物が欲しくなるわけです。
先述のとおり、ランニングによる消費エネルギーなんてたかが知れていますので、運動後に甘いものを食べるとすぐにチャラです。
この食欲に打ち勝つことができますか?
恐らくできません。
そもそも食欲に打ち勝つことができる精神力があれば太っていませんからね。
さらに30歳位の女性を対象にした実験では、週3日、1回30分の有酸素運動を12週間続けたところ、約7割の女性は体重が増えたとのこと。*3
ちゃんと痩せた人もいて、1番体重が減った人は12kg近く痩せているわけなんですが、痩せていない人が多く、81人の参加者のうち55人(68%)は体重が増えてしまったとのこと。
1番ひどい人で5キロくらい体重が増えてしまっています。
「食事の内容は特に変えないで」くらいの指示を与えたようですが、知らず知らずのうちに食べる量が少し増えてしまったのでしょう。
その結果、ランニングで消費したカロリー以上に食べる量が増えてしまい、体重が減るどころが増えてしまったという結果に繋がったのでしょう。
有酸素運動・ランニング自体が悪いわけではない
ランニングのダメ出しばかり行いましたが、ランニングが悪いわけではありません。
- 体力を付けたい!
- ストレス解消したい!
- 美味しいご飯を食べたい!
ってことでランニングをするのは大いにアリです。
善玉コレステロール値の改善や血管の柔軟性の改善といった健康効果もありますので、ランニングなどの有酸素運動は身体に良い運動と言えるでしょう。
あくまでランニングはダイエットに向いていないというだけで、運動として悪いわけではありません。
ダイエットが目的でないランニングであればもちろんOKです。
まとめと対策
とりあえず、ランニングで痩せるのは難しいってことですね。
頑張ってランニングをしても思ったほど体重は減りません。
下手すると逆に体重が増えてしまう可能性まで考えられます。
よって、ダイエットのためにランニングを行うのは止めておきましょう。
努力の割に効果が見られず、モチベーションが続かなくなって結局ランニングは続かず止めるのが関の山です。
無理して膝や腰を痛める可能性もあるでしょう。
ダイエットをするのであればランニングではなく、
- 食事を制限して摂取カロリーを抑えること
- 筋トレで筋肉を増やして代謝を上げること
ということを大切にした方が良いでしょう。
もし、早く痩せるために消費カロリーを増やしたいということであれば、HIITがオススメです。
30秒間のダッシュと15秒間のジョグを繰り返すといったトレーニング方法です。
非常にきついので最初は短時間から始め、体力が付くにしたがい時間を延ばしていけば良いでしょう。
HIITはランニングなどの通常の有酸素運動よりも短時間で済むにもかかわらず、体脂肪をしっかりと落としてくれる運動です。
走ってダイエットしたいという方はHIITを行いましょう。
ランニングで痩せたい人の食欲対策
また、どうしてもランニングなどの有酸素運動で痩せたいってことであれば、食欲対策をする必要があります。
食欲対策も紹介しておきましょう。
食べる時のルーチンワークを決める
食事を食べる前に一口サイズの大きさにカットする
左右対称になるようにきれいに並べる
食べ物の上に3回お箸を触れさせてから食べる
寝る前に「下司様、いつも有益な情報をありがとうございます」と祈る
自分のなかでルーチンワークを決め、それを必ず守るようにするだけでセルフコントロール力が高まり、食欲に負けにくくなります。
内容は何でも良いので、
- 必ず5秒だけ目をつぶる
- 必ず手を合わせて「いただきます」と言う
- 必ず水で30秒間手を洗う
といった感じでなんでも良いので自分で決めたルーチンを守るようにすると良いでしょう。
食べたくなっても3分間だけ我慢する
食欲を始めとした「欲」には波があります。
何か食べたくなっても3分間だけ我慢することでその食欲の波が過ぎ去り、余計なものを食べなくて済むかもしれません。
スマホにテトリスやツムツムといったゲームでもインストールしておき、食欲に負けそうになった時には3分だけゲームをしてやり過ごしましょう。
アミノ酸サプリであるBCAAを飲む
運動中に飲まれることの多いBCAAですが、食欲を抑えることでも有名です。
何か無性に食べたくなったらBCAAを5gほど口に放り込んでみましょう。
食欲が抑えられて余計な物を食べなくて済むようになるはずです。
BCAAはスポーツショップのサプリメント売り場などで売られていますので、ランニング中の水分補給としてBCAA入りのドリンクを飲むと良いでしょう。
また、運動中以外にもお腹が空きそうなタイミングである、朝食と昼食の間や、おやつの時間である15時頃にBCAAを5~10g摂れば食欲も抑えられて余計な物を食べなくて済むでしょう。
難消化性デキストリンで吸収されにくくする
最後の手段として、食べてしまっても吸収されにくいようにするという方法もあります。
そのために難消化性デキストリンを摂ると良いでしょう。
もちろんゼロになるわけではありませんし、常に使い続けていてはダイエットが終わった後のリバウンドの可能性が高まったりするのでオススメはできません。
ただ、ダイエット中なのにどうしても食べたくて食べたくて仕方がないって時は、少しでも傷が少なくて済むように難消化性デキストリンを飲んで吸収を抑えておけば良いのではないでしょうか。
参考文献
*1:Nonprescribed physical activity energy expenditure is maintained with structured exercise and implicates a compensatory increase in energy intake. - PubMed - NCBI
*2:Acute compensatory eating following exercise is associated with implicit hedonic wanting for food - ScienceDirect
*3:Predictors of fat mass changes in response to aerobic exercise training in women. - PubMed - NCBI