膝上のお肉を引き締めるために行われるレッグエクステンション
マシン筋トレの代表的な種目のひとつレッグエクステンション。
座って膝を伸ばす筋トレで、太ももの前を鍛える代表定な種目です。
女性は膝上のお肉を落とすためにこの種目を頑張って行っているって方も多いようですね。
さて、このレッグエクステンションですが、普段何気なく座って行っている方が多いかと思います。
実は、女性が気にする膝上のお肉を落とすためには、シートの背もたれにもたれかからず骨盤を起こした状態で行うと効果的です。
骨盤の向きとレッグエクステンション中の筋活動を調査
太ももの前の筋肉は膝を伸ばす時に使われます。
ただ、一部の筋肉は股関節を折り曲げるために使われます。
そのため、レッグエクステンションのような種目でも骨盤の向きによって太ももの前の筋肉の使われ方に影響が出てくると考えられます。
そこで関西医療大学の谷埜らの研究グループは、骨盤の向きとレッグエクステンション中の太ももの筋肉の使われ方について調べました。*1
研究では健康な成人10人(男性5人、女性5人、平均年齢28.9歳)を対象に
- 骨盤前傾位(骨盤を思いっきり前に傾けた姿勢。75~85°)
- 骨盤中間位(骨盤が太ももに対して約90°)
- 軽度骨盤後傾位(力を抜いて骨盤が少し後ろに倒れた姿勢。105~110°)
- 骨盤最大後傾位(骨盤を思いっきり後ろに倒した姿勢。115~125°)
以上の4つの姿勢でレッグエクステンションを行ってもらい、太ももの前の筋肉の働きに変化が出るのかを調べました。
実験の結果
さて、実験の結果、
- 外側広筋(太ももの外側の筋肉)と大腿直筋(太ももの前の一番長い筋肉)は骨盤の向きによる違いは見られなかった。
- ただし、外側広筋に関しては骨盤を後ろに倒していくほど活動が低下する傾向は見られた。(統計学的には有意差なし)
- 内側広筋(膝上内側の筋肉)に関しては骨盤を前に倒した時に他の3つの姿勢に比べて活動が高まった。
- 骨盤90°の時も内側広筋の働きはまあまあ高かった。
という結果が見られました。
膝上のお肉を落とすなら骨盤を起こして行うと効果的
レッグエクステンションは骨盤の向きによって内側広筋(膝上内側の筋肉)の働きに違いが出てくるという結果でした。
逆に内側広筋以外の筋肉に関しては骨盤の向きはあまり関係がないということですね。
女性の方は膝上のお肉が気になるという方が多いようですが、内側広筋(膝上内側の筋肉)を鍛えることが大切です。
ただ、この筋肉は膝が伸ばしきられる後半部分で主に使われるため、スクワットよりも膝を伸ばしきる時に負荷がかかりやすいレッグエクステンションが行われます。
レッグエクステンションを行う際に骨盤を起こすことで内側広筋が使われやすくなるということは、膝上のお肉を取りたい女性は骨盤を起こしてレッグエクステンションを行うと効果的ということになります。
シートの背もたれにもたれかかった状態で行ってはいけません。
ただ研究者曰く
「骨盤を前傾位にすることで内側広筋が使われやすくなって良いけど、腰が反って腰痛の原因になるかもしれないから、安全のために骨盤中間位が良いんじゃない?」
ということです。
ということで、レッグエクステンションを行う際には骨盤は90°位に起こした状態で行いましょう。
まあ、研究者は安全の為に中間位でと言ってますが、下手なこと言って腰痛が出ると問題になるかもしれないから前傾位ではなく中間位と言っているわけですね。
骨盤を前傾しても腰が反らなければ問題ないわけです。
骨盤前傾の状態のままで腹直筋に力を入れて腰の反りを減らせば大丈夫です。
その状態でレッグエクステンションを行えば、内側広筋はしっかりと鍛えられ、かつ腰痛が問題になることはないでしょう。
特に女性は腰が反りやすいって方が多いので、骨盤を起こしてレッグエクステンションを行う際には腰が反らないように気をつけるようにしましょう。
骨盤を前傾させた時に腰を反らさないという感覚がわからない場合は、怪我のリスクを抑えるために骨盤は90°に起こした状態で行うと良いのではないでしょうか。