筋トレ

ラットプルダウンの下ろす位置の前と後ろ・手幅の違いと効果の違い

こんにちは。

奈良のパーソナルトレーナー下司です。

 

 

スポーツクラブにあるマシンの代表とも言えるラットプルダウン

上から引っ張る背中を鍛えるための種目のことです。

 

いろんなやり方があるんですが、多いのが

  • 身体の前に引くフロントプルダウン
  • 首の後ろに引くバックプルダウン

このどちらかが多いのではないでしょうか。

個人的には身体の前に引く方フロントプルダウンがオススメなんですが、ジム初心者の方は首の後ろに引くバックプルダウンをしている人も多いようです。

 

さて、そんなラットプルダウンですが、

  • フロントプルダウンが良いのか?
  • バックプルダウンが良いのか?

迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

また

  • 手幅は狭い方が良いのか?(ナローグリップ)
  • 手幅は広い方が良いのか?(ワイドグリップ)

に関しても迷うところでしょう。

 

今回はそんなラットプルダウンを行う際の引く位置と手の幅の違いがトレーニング効果にどう影響を及ぼすのかを紹介します。

 

フロントプルダウン VS バックプルダウン

まずはラットプルダウンを行う際、

  • 前に下ろす方が良いのか
  • 後ろに下ろす方が良いのか

について見ていきましょう。

 

2009年にブラジルでラットプルダウン3種類の筋活動の変化について研究が行われました。*1

研究はトレーニング経験のある24人の男性を対象に実施。

  • フロントプルダウン(胸に下ろす)
  • バックプルダウン(首の後に下ろす)
  • Vバープルダウン(V型のハンドルを付けて行なう*2

以上3種類のラットプルダウンを80%1RM強度で5回繰り返してもらい、筋電図を測定して筋肉の働きの違いを調べました。

 

結果:フロントプルダウンがベター

さて、実験の結果ですが、

  • 広背筋の働きはいずれも有意差なし
  • 上腕二頭筋はバック > Vバー > フロント
  • 三角筋後部はバック > フロント > Vバー

という結果となりました。

 

首の後ろに引くバックプルダウンは力こぶの筋肉や肩の後ろの筋肉が使われやすいようです。

ただ、あくまで背中の筋肉を鍛えるためにラットプルダウンを行うわけなので、この場合はあまり嬉しくはありません。

 

できるだけ上腕二頭筋(力こぶの筋肉)を使って引っ張りたくはないのでフロントプルダウンがベターと言えるでしょう。

 

今回の研究者曰く、メインにするなら身体の前に引っ張るフロントプルダウンがオススメであるとのこと。

逆に首の後ろに引っ張るバックプルダウンは避けるべきと言っています。

 

また、VバープルダウンはVバーというアタッチメントが必要となるためメイン種目にするにはイマイチで、フロントプルダウンの代替種目として行うのが良いだろうとのことです。

 

4種類のラットプルダウンと筋活動

続いて4種類のラットプルダウンと筋活動の違いについて調べた他の研究も見てみましょう。*3

 

研究は健康な男性10人を対象に実施。

ラットプルダウンを

  • ナローグリップ・フロント・プルダウン(肩幅順手で身体の前)
  • アンダーグリップ・プルダウン(肩幅逆手で身体の前)
  • ワイドグリップ・フロント・プルダウン(広い幅で身体の前)
  • ワイドグリップ・バック・プルダウン(広い幅で身体の後ろ)

以上の4つの条件で10RM強度で3回行い、それぞれの種目の筋活動を調べています。

 

結果:ワイドグリップ・フロントプルダウンが良さげ

さて、実験の結果を見てみましょう。

 

コンセントリック時(引っ張る時)の広背筋の働きは

ワイドフロント > ワイドバック ≒ アンダー ≒ ナロー

 

エキセントリック時(上に戻す時)の広背筋の働きは

ワイドフロント > ワイドバック ≒ アンダー ≒ ナロー

という結果が見られました。

 

かんたんにまとめると、

ワイドグリップ・フロントプルダウン > その他

という結果です。

 

広背筋を鍛えるにはワイドグリップフロントプルダウンがオススメということになります。

手の幅を肩幅の1.5~2倍に広げて身体の前に下ろすのが良いわけですな。

逆に手の幅を狭くすると広背筋を鍛えるにはイマイチということになります。

 

フロントプルダウンの最適な手幅は?

先述の2つの研究を見ると、とりあえずフロントプルダウンが良いということがわかりました。

首の後ろに引っ張るのではなく、身体の前に引っ張る方が良いわけです。

 

手の幅は広めの方が良さそうですが、広めと言ってもいろいろありますからね。

どれくらいの手幅が良いのでしょうか。

 

続いてフロントプルダウンと手幅に関する研究を見てみましょう。

2014年にラットプルダウンの手幅の違いと筋活動の変化について研究が行われています。*4

 

15人の男性に

  • 肩幅
  • 肩幅の1.5倍
  • 肩幅の2倍

以上の3つのグリップ幅でラットプルダウンを行ってもらい、筋活動の変化を調べました。

 

結果:肩幅1.5倍を基準にすると良いかも

さて、実験の結果ですが、

  • 肩幅と肩幅1.5倍のプルダウンは肩幅2倍のプルダウンよりも高重量を扱うことができた。
  • 広背筋の働きはどれも大差なし
  • 上腕二頭筋は手幅が狭いと使われやすい

という結果が見られました。

 

意外にも広背筋の働きに関しては肩幅~肩幅2倍の間でそこまで大きな差がないようです。

ただ、肩幅2倍の幅で握るよりも肩幅もしくは肩幅1.5倍の方が重たい重量を扱うことができるとのこと。

高重量を扱うことができればより多くの筋肉を働かせることができる可能性があるので、肩幅2倍よりも肩幅~肩幅1.5倍が良いと考えられます。

 

さらに、力こぶの筋肉である上腕二頭筋は手の幅の狭い方が使われやすくなるとのこと。

手の幅が狭い肩幅で握る方が背中の筋肉よりも腕の筋肉を使って引っ張りやすいってことですね。

 

ただ、ラットプルダウンはあくまで背中を鍛えるトレーニングということで、腕の筋肉よりも背中の筋肉をしっかりと使いたいところ。

となると、肩幅よりも肩幅1.5~2倍の幅で握る方が良いと考えられます。

 

ということで、高重量が扱えてなおかつ腕の力が使いにくい肩幅1.5倍の幅で握るのがベターと言えそうです。

肩幅1.5倍の幅で握るフロントプルダウンをメインに行うと良いでしょう。

 

ただ、上腕二頭筋の働きをそれほど気にしないのであれば、肩幅~肩幅2倍の範囲で持ちやすいグリップ幅で行っても良いかもしれません。

パワーグリップなどのツールを使っているなら上腕二頭筋は使われにくいですからね。

 

また、肩関節の可動域も個人差があるので、肩幅1.5倍よりも握りやすい幅があるかもです。

肩幅1.5倍を基準にしつつ、バリエーションとしてグリップ幅を変えてみたり、自分のやりやすい幅で行うようにしてみても良いのではないでしょうか。

 

可能ならチンニングもオススメ

ラットプルダウンを行うのであれば身体の前に降ろす方が効果的なようです。

首の後ろに引いている方もよく見かけますが、この記事をご覧の方は身体の前に引くようにしましょう。

グリップ幅は肩幅1.5倍~肩幅2倍あたりが広背筋を鍛えるのにオススメですが、バリエーションとしていくつかの幅のラットプルダウンを行っても良いでしょう。

 

また、可能であればチンニング(懸垂)を行ってみてください。

フォームだけを見ればラットプルダウンもチンニングも似たようなものですが、実はラットプルダウンよりもチンニングの方が効果的です。

 

2013年に行われた研究によると、ラットプルダウンよりもチンニング(懸垂)の方が筋活動が高まったとのこと。*5

 

ラットプルダウンは握っているバーが動くのに対し、チンニングは握っているバーは動かず身体が持ち上がるという形になります。

前者の種目をOKC(オープン・キネティック・チェーン)、後者をCKC(クローズド・キネティック・チェーン)と言うんですが、OKC種目に比べてCKC種目の方が多くの筋肉が働いてくれるとされています。

 

ラットプルダウンは身体自体は固定されているのに対し、チンニングは身体自体はぶら~んと固定されていない状態です。

固定されていない身体を安定させるためにより多くの筋肉が働いてくれるといった感じです。

 

もちろんですが、いくらチンニングが良いといっても筋力が足りなければチンニング自体行うことができません。

ほとんどの女性はできませんし、男性であってもそこそこ鍛えている人しかできないでしょう。

ただ、効果は期待できますので十分な筋力が付いたらぜひチャレンジしてみてください。

 

まとめ

今回のラットプルダウンに関する内容をまとめましょう。

まとめ
  • 首の後ろではなく身体の前に下ろすこと
  • 手の幅は肩幅1.5倍から2倍
  • 筋力があるならチンニングも有効

といった感じです。

基本的にはワイドグリップ・フロントプルダウンを行うようにしましょう。

 

 

背中のトレーニングはなかなか難しいもので、広背筋を使うという感じが感じ取れない方が多いようです。

正しいフォームで行うというのはもちろんですが、手の幅を肩幅1.5~2倍にしたり、下ろす位置を身体の前にすることで背中の筋肉の動きがわかりやすくなるかもしれません。

 

ちなみにフォームがきちんとできていれば背中の筋肉が意識できなくても構いません。

できるだけ速く引っ張ろうとしたり、重たい重量を扱うことで、意識できなくても背中の筋肉は自然と働いてくれます。

ワイドグリップ・フロントプルダウンを正しいフォームでとりあえずしっかりと頑張れば背中の筋肉は自然と鍛えられるでしょう。

参考文献

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