栄養

筋トレの効果を高める最適なタンパク質摂取量について

筋トレの効果を高める 最適なタンパク質摂取量は?

筋肉を発達させるには筋トレを行うのはもちろんですが、栄養摂取も非常に重要です。

特に筋肉の材料となるタンパク質が重要で、しっかりと摂る必要があります。

 

さて、このタンパク質ですが、どれくらい摂取していますか?

どれくらい摂れば良いのかわからないという方も少なくはないでしょう。

 

この記事では筋肉の発達効果を高めるタンパク質摂取量について書いています。

筋肉を付けるために筋トレはしてるけど、タンパク質についてはよく分からないって方の参考になれば幸いです。

 

タンパク質を20g以上摂っても意味がない説

プロテインやタンパク質の摂取に関して

「一度に摂るのは20gで十分。それ以上は無駄になる。」

という説があります。

身体が吸収できる(利用できる)タンパク質には限度があるから、タンパク質は一度にたくさん摂るのではなく、小分けにして摂るほうが良いと言われたりします。

 

この説に関しては単なるデタラメというわけでもなく、一応元となる論文もあります。

 

20g以上のタンパク質を摂ってもタンパク合成は変わらない

2009年に行われたカナダ・マックマスター大学のMooreらの研究によると、タンパク合成を高めるには20gのタンパク質で十分で、それ以上摂ってもタンパク合成は高まることはないとのこと。*1

実験は健康な若い男性6人を対象に行われました。

脚の筋トレを行なった後に、

  • タンパク質を摂らない
  • 5gのタンパク質を摂る
  • 10gのタンパク質を摂る
  • 20gのタンパク質を摂る
  • 40gのタンパク質を摂る

以上の5つの条件でタンパク質を摂り、運動後4時間に渡ってタンパク合成を測定しました。

その結果、タンパク質20gを摂取するまではタンパク合成が高まったものの、40gの摂取では20gの摂取とタンパク合成に差がないという結果になりました。

 

また、似たような報告として英国スコットランド・スターリング大学のWitardらの研究もあります。*2

この研究ではトレーニング経験のある若い男性48人を対象に行われました。

筋トレ後に

  • タンパク質を摂らない
  • 10gのタンパク質を摂る
  • 20gのタンパク質を摂る
  • 40gのタンパク質を摂る

以上の4つの条件を比較したところ、先程紹介した実験と同じように、タンパク合成は20gのタンパク質を摂った場合と40gのタンパク質を摂った場合とで差がないという結果でした。

 

これらの報告により、タンパク質を20g以上摂っても意味はないと言われるようになりました。

 

ただ、タンパク質20g以上摂っても意味がないという説に対して疑問も出てきます。

1日2食の人はいくら食べても40gしかタンパク質を摂ることができないのでしょうか。

 

1日2食といえばお相撲さんでしょう。

お相撲さんが1日2食という話はよく聞きますよね。

 

タンパク質は1回20gしか吸収できない(利用できない)というのであれば、1日2食のお相撲さんは1日にわずか40gのタンパク質しか摂れていないことになってしまいます。

1日40gというタンパク質量では小柄な女性ならまだしも、遥かに身体の大きいお相撲さんの場合この量では筋肉はついてくれないでしょう。

 

でも、そんなことはありませんよね。

皆さんご存知の通り、お相撲さんの脂肪の下には非常に多くの筋肉がついています。

 

そうなると、タンパク質は一度に20g以上摂っても意味がないという理論は間違いである可能性が考えられますよね。

実際に最近の研究では、タンパク質を一度に20g以上摂っても意味がないという説に待ったをかける報告が出てきています。

 

高齢者はタンパク質を多めに摂取した方が良い

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高齢者はタンパク質は多めに摂ったほうが良いという研究もあります。

カナダ・マックマスター大学のPhillipsらの報告によれば、現在推奨されているタンパク質摂取量は高齢者にとっては十分でないとのこと。*3

高齢者はタンパク合成を高めるために、若者よりも多くのタンパク質、特にロイシンの量を増やすべきとのこと。

 

同じカナダ・マックマスター大学のYangらの研究で、高齢者が具体的にどれくらいタンパク質を摂れば良いのか調べています。*4

実験は平均年齢71歳の男性37人を対象に実施。

トレーニングを行なった直後に

  • 何も摂らない
  • 10gのホエイプロテインを摂る
  • 20gのホエイプロテインを摂る
  • 40gのホエイプロテインを摂る

以上の条件でタンパク合成の変化を比較しました。

 

その結果、20g摂った場合はタンパク合成が少ししか高まらず、40g摂ったらしっかりとタンパク合成が高まったということです。

もちろん摂らない場合は効果がなかった他、10gを摂った場合もタンパク合成が高まることは無かったようです。

 

高齢者の場合はタンパク合成を行う能力が低下しているので、多めにタンパク質を摂ることでタンパク合成を刺激することができるようです。

このことから、タンパク質を一度に20g以上摂っても意味がないという報告は崩れ始めました。

タンパク質摂取量は年齢や体型を考慮したほうが良い

さらにカナダ・トロント大学のMooreらの研究によると、タンパク質の摂取量に関しては高齢者だけでなく体格・筋肉量も考慮して摂る量を変えた方が良いとのことです。*5

 

実験は、平均年齢22歳の若者と、平均年齢71歳の高齢者とでタンパク質の摂取とタンパク合成を比較しました。

その結果、若者は体重1kgあたり0.24g、もしくは除脂肪体重1kgあたり0.25gのタンパク質を摂った場合にタンパク合成が最も高まりました。

対する高齢者は体重1kgあたり0.4g、もしくは除脂肪体重1kgあたり0.6gのタンパク質を摂った場合タンパク合成が最も高まったとのこと。

 

若者よりも高齢者の方がタンパク質を多めに摂る必要があるということですね。

除脂肪体重によってもタンパク質摂取量に差を付けた方が良いとのこと。

除脂肪体重≒筋肉の事で、筋肉の多い人ほどタンパク質の必要量は増えるということが分かりました。

 

運動後のプロテイン摂取量は40g摂るべし

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さらに、高齢者だけでなくしっかりと筋トレをする人においてもタンパク質は20gでは足りないようです。

2016年に行われた英国スコットランド・スターリング大学のMacnaughtonらの研究によると、運動後のタンパク質摂取は20gではなく40gが良いと報告しています。*6

 

実験は、十分なトレーニング経験のある20代の男性30人を対象に行われました。

まず30人の男性を

  • 筋肉量の多い人(除脂肪体重70kg以上)
  • 筋肉量の少ない人(除脂肪体重65kg以下)

の2つのグループに分けました。

先程紹介した研究で除脂肪体重によってたんぱく質の摂取量を変えるべきとありましたが、それを踏まえて除脂肪体重の多い男性と少ない男性にわけたわけです。

 

そして、それぞれ全身の筋トレをしてもらい、その直後に

  • 20gのホエイプロテインを摂取
  • 40gのホエイプロテインを摂取

以上のタンパク質を摂ってもらいました。

 

その結果、20gより40gのタンパク質を摂った方がタンパク合成が高まりました。

しかも、筋肉量の多い少ない関係なく、どちらのグループも40gのタンパク質を摂った方がタンパク合成が高まったという結果となりました。

身体が大きくても身体が小さくても40g摂った方が筋肉が発達しやすくなったということです。

 

先程紹介した研究では、除脂肪体重によってタンパク質の必要量は変わるということでしたが、しっかりと筋トレを行なった後に関しては、除脂肪体重の大小は関係なく多めのタンパク質40g摂ると良いということでした。

最初に紹介した20g以上のタンパク質は意味がないという実験では下半身のトレーニングしか行なっていません。

 

対する今回の実験では全身のトレーニングを行なっています。

下半身だけのトレーニングなら20gで十分だったかもしれませんが、全身のトレーニングをした場合は20gでは十分ではなく、タンパク質の必要量が増えたものと思われます。

 

そのため、しっかりとトレーニングをしている人はトレーニング後に40gのタンパク質を摂取する方が良いということになります。

逆にハードにトレーニングするのではなく軽い筋トレを行う程度であれば20gで十分と言えるかもしれません。

 

1日のタンパク質摂取量は体重1kgあたり1.6g

先程の研究で、全身をしっかりトレーニングする人は筋トレ直後に40gのタンパク質を摂る方が良いことがわかりました。

ただ、筋肉が作られるのは筋トレ直後だけでなく、2日程かけてゆっくり作られていきます。

よって、筋トレ直後のタンパク質摂取量だけでなく、1日のトータルのタンパク質摂取量というのも大切な要素となります。

 

2017年に発表されたカナダ・マックマスター大学のMortonらの研究によると、1日のタンパク質摂取量は体重1kgあたり1.6gが良いと報告されています。*7

研究は、過去に行われた筋トレとタンパク質摂取量に関する研究49件(被験者合計1863人)のデータをまとめて解析を行いました。

 

その結果、筋トレを行う人の1日のタンパク質摂取量は

体重1kgあたり1.62g

であることを明らかにしました。

 

これ以上摂ってもタンパク合成も除脂肪体重の増加も変わらないとのこと。

しっかりと筋トレをする人は筋トレ直後にたくさんタンパク質を摂るだけではなく、1日トータルのタンパク質量として、体重1kgあたり1.62gのタンパク質を摂るようにすると筋タンパク合成は最大に高まるでしょう。

 

ただ、この量を下回ると筋肉の発達効果は下がり、上回っても効果は変わらないということを考慮すれば、保険的な意味も込めて少し多めに摂って

  • 1日に体重1kgあたり2g

を目安にすると良いでしょう。

体重が60kgの人なら1日120gのタンパク質を摂るということですね。

足りないと悪影響があり、多くても問題がないなら基準よりも多めに摂っておく方が良いですよね。

 

就寝前のタンパク質は40g以上

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1日に必要なタンパク質量が体重1kgあたり1.6gとわかりました。

そのうちトレーニング直後に40gを摂り、残りを他の時間帯で摂ることになります。

筋トレ直後以外で重要なタイミングとして挙げられるのが、”就寝前”です。

特に筋肉が作られるのは就寝中であるため、就寝前にタンパク質を摂ることで筋肉の発達を促すことができます。

この就寝前のタンパク質摂取ですが、思っていた以上にしっかりと多めに摂ると良いようです。

 

オランダ・マーストリヒト大学のJornらの研究によると、就寝前のタンパク質摂取は40g以上必要とのことです。*8

研究によると、就寝前に30g以下のタンパク質摂っても就寝中のタンパク合成は十分に高まらなかったとのこと。

原因として、就寝中は胃腸の働きが抑えられるため吸収されにくく、30g以下のタンパク質ではタンパク合成は十分に高まらないようです。

 

そこで、就寝前のタンパク質摂取量を40gに増やすと就寝中のタンパク合成がじゅうぶんに高まったようです。

よって、

寝る前には40g以上のタンパク質を摂ると良い

ということですね。

 

タンパク質摂取量まとめ

ここまでたんぱく質摂取量に関して紹介してきました。

最後にまとめておきましょう。

まとめ
  • 筋トレ直後は40gのタンパク質を摂取
  • 就寝前に40gのタンパク質を摂取
  • 1日のタンパク質摂取量は体重1kgあたり2g
  • 高齢者ほどタンパク質は重要

ということになります。

今まで言われていた1回20g以上は無駄になるという説は気にせず、筋トレ直後や就寝前には十分なタンパク質を摂るようにすると良いでしょう。

 

もちろん個人差はあるかとは思いますが、タンパク質の摂取方法の参考にしていただければと思います。

きっとあなたの身体づくりに役立つはずです。

 

参考文献

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