脂肪のつき方と健康の関係を調査
肥満が健康に悪影響を及ぼし、死亡リスクを高めることは明らかですが、体脂肪のつき方と死亡リスクの関係は分かっていませんでした。
そこで、北京大学のDongらのグループは米国国民健康栄養調査のデータを基に、18~89歳の米国人16,415人(女性8,554人)を19年間追跡調査を行いました。*1
結果
体脂肪率と死亡率の関係は、U字型になっていました。
体脂肪率が低すぎても高すぎても死亡率が高くなるという結果です。
また、男女で体脂肪の付き具合と死亡リスクには違いがあるようです。
男性
- 最も死亡率の低い体脂肪率は約25%
- 体脂肪率15%未満で死亡リスク54%増大
- 体脂肪率40%以上で死亡リスク76%増大
- 最も死亡率の低いウエスト・ヒップ比は0.95~1.00
- ウエスト・ヒップ比0.85未満で死亡リスク52%増大
- ウエスト・ヒップ比1.10以上で死亡リスク16%増大
女性
- 最も死亡率の低い体脂肪率は約30%
- 体脂肪率20%未満で死亡リスク110%増大
- 体脂肪率45%以上で死亡リスク22%増大
- ウエスト・ヒップ比は低い程死亡率が低下
特に女性は痩せすぎに注意
男性・女性ともに太り過ぎか痩せすぎで死亡リスクが高くなるという結果でした。
ここは今までの研究結果どおりです。
今回注目したいのは女性に関する結果です。
痩せすぎの女性は死亡リスクが物凄く高くなるという結果でした。
体脂肪率20%以下の女性は死亡リスクが約2倍です。
体脂肪率20%以下の女性となると、スポーツで引き締まっているかガリガリかのどちらかとなります。
スポーツをしているならある程度体脂肪を落とす必要はありますが、一般人がやみくもに体脂肪を落とすのは気をつけたいところ。
20%位の体脂肪率なら十分引き締まって見えるので、それ以上落とさないように気をつけましょう。
また、女性はウエスト・ヒップ比が小さい方が死亡リスクが低くなるということでした。
これは、くびれのある女性の方が長生きするということです。
逆にお腹が出ていてくびれがない人は早死にしやすいと言えます。
お腹が出ている女性というのは内臓脂肪が多いと言えます。
女性は内臓脂肪に気をつけましょう。
くびれがなくなったら要注意です。
男性は中肉で長生き
男性の場合は痩せ過ぎても太り過ぎても同じように死亡率が高くなりますね。
体脂肪率40%以上の男性はそう多くはありませんが、気をつけたいのは体脂肪率15%以下の男性で、ウエスト・ヒップ比が0.85以下の男性。
簡単に言えば結構絞れた身体の男性ですね。
最近はカッコいい引き締まった身体を目指す方が増えており、絞った身体をキープしているって方もそれなりにいるようです。
ただ、絞れた身体は身体へのストレスも大きくなり、見た目は良いけど早死にするという結果に繋がります。
大会などに出るために一時的に身体を絞るのであればまだマシですが、むやみに体脂肪の少ない状態をキープし続けるのは控えた方が良いかもしれません。
まとめ
男女ともに痩せ過ぎても太り過ぎても死亡リスクが高くなるってことですね。
この記事にもあるように体脂肪だけでなく、ウエストサイズが大きくなる≒ウエスト・ヒップ比が大きくなると健康を害することが多くなるようです。
体脂肪の増減と併せてウエスト周囲径にも気をつけるようにしましょう。