暑い日が続いており、テレビなどでも熱中症に関する情報がしきりに報道されています。
特に小さな子どもやお年寄りなどは熱中症になるリスクも高く、酷い場合は命を落とすことにも繋がります。
そんな熱中症予防方法のひとつとして「水分補給」が挙げられます。
十分な水分を摂りましょうということですね。
ちなみに水分補給を行う際にはゴクゴクと9口行うとちょうど良い感じというアドバイスもあります。
さて、水分補給に関してですが、喉が乾いたからとコーラやポカリスウェットなどのジュース(清涼飲料水)ばかり飲んではいませんか?
暑さでやられている時にジュースばかり飲んでいると腎臓がダメージを受けるかもしれません。
果糖が暑さでやられた腎臓をさらに傷つける?
毎年夏になると注目されるのが「熱中症」です。
温暖化の影響のせいか世界的にも熱中症が問題となっています。
熱中症で一番怖い状態が「熱で内臓が壊れてしまう」ことです。
熱中症による多臓器不全で亡くなるという話は毎年ニュースで耳にしますよね。
そんな熱中症によってダメージを受ける臓器のひとつに「腎臓」が挙げられます。
近年、暑さに繰り返し曝されることが慢性腎臓病を誘発する可能性があることが報告されています。*1*2
特にソフトドリンクなどの甘い飲み物で水分補給をすると腎臓へのダメージを増やしてしまうとされています。
ということで、ソフトドリンクが暑さのストレスによってやられた腎臓に対してどのような影響を及ぼすのかを調べています。*3*4
研究内容
研究はラットを使って行われました。
人に実験するわけにはいきませんからね。
28匹のラットを
- 39.5℃の暑さに何度も曝した上で水を飲ませる
- 39.5℃の暑さに何度も曝した上で果糖濃度10%の清涼飲料水を飲ませる
- 普通に飼育しつつ果糖濃度10%の清涼飲料水を飲ませる
- 普通に飼育する
以上の4つのグループに分けて5週間過ごさせ、腎臓へのダメージを調べました。
結果
普通に飼育したラットに比べてどのグループのマウスも腎臓にダメージがありました。
特に2番の高温+果糖のラットは腎臓に大きなダメージがあり、腎機能が大きく低下していました。
夏にスポーツドリンクをがぶ飲みすると腎臓が壊れるかも
熱ストレスでダメージを受けた状態で果糖を摂ることで腎臓のダメージが増大するということです。
暑いからといって清涼飲料水やアイスばかり食べていると腎臓が壊れるぞってことですね。
ある程度の「糖」を摂ることは良いのですが、ここで問題になっているのは「果糖」です。
果糖が暑さでやられた腎臓のダメージを増大させてしまうわけです。
果糖の多い食べ物が清涼飲料水というわけですね。
ドリンクの原材料が書かれたラベルを見ていただくと、
- 高果糖液糖
- 果糖ぶどう糖液糖
- ぶどう糖果糖液糖
というものが書かれていたりします。
これから果糖を大量に摂ってしまう原因になってしまうのでこれらを控えれば良いんですが、ほとんどの清涼飲料水で使われています。
なんとなく良さそうなスポーツドリンクを飲んでいるって方もいらっしゃるかもしれませんが、スポーツドリンクにもバッチリぶどう糖果糖液糖が含まれています。
ということで、清涼飲料水自体を控えるようにすれば良いということですね。
もちろん全く飲むなというわけではなく、暑くて喉が乾いたからといって清涼飲料水ばかりをがぶ飲みするのは控えた方が良いということです。
まだまだ暑い日が続きますので水分補給の内容にも気をつけ、体調を崩さないようにお気をつけください。
参考文献
*1:Climate Change and the Emergent Epidemic of CKD from Heat Stress in Rural Communities: The Case for Heat Stress Nephropathy. - PubMed - NCBI
*2:Fructokinase activity mediates dehydration-induced renal injury. - PubMed - NCBI
*3:Rehydration with fructose worsens dehydration-induced renal damage | BMC Nephrology | Full Text