1日1万歩神話?
日本では1日1万歩歩くと良いとよく言われます。
それとは逆にGoogle先生で「1日1万歩」で検索すると
- 1日1万歩は嘘
- 1日1万歩は間違い
- 1日1万歩は危険
- 1日1万歩は健康に悪い
なんて言葉が並んでおり、ポジティブなイメージよりもネガティブなイメージを持っている方も多いかもしれません。
私はこの記事を書くために「1日1万歩」で検索して否定的な意見の多いことに驚きました。
1日1万歩は本当に健康に悪いのか?
健康の指標のひとつになる「血圧」と歩数の関係について調べた研究によると、1日1万歩歩くことが健康に物凄く良いという根拠はないとのことです。*1
ただし1日1万歩が悪いという意味ではありません。
「1日1万歩」という数字に根拠がないだけであって、歩数を増やすことは血圧に良い影響を及ぼすようです。
1日の歩数が増えれば増えるほど収縮期血圧(最高血圧)は明らかに下がるという結果が見られました。
この研究では1日2,000歩増やすと収縮期血圧が4mmHg下がるという結果が見られたようです。
1日1万歩歩いたから急に良くなるというわけではなく、1日1万歩とか関係なくたくさん歩いたら健康に良いということですね。
ちなみに1日に平均1万6千歩歩くというチマネ族の血管や心臓は非常に健康的な状態であることが知られており、世界一健康的な心臓と評されるほどです。*2
1日1万歩に根拠はないけど歩くことは健康に良い
「1日1万歩」という数字には根拠はないけど、たくさん歩くほど血管・血圧に良いということですね。
1日1万歩というのは目安程度に考えてもらえればと思います。
ちなみに日本人の平均歩数が男性で7,000歩弱、女性で6,000歩強です。
1日1万歩にするならあとどれくらい歩けば良いのでしょうか。
ウォーキングの場合1分間に150歩位の歩数になります。
10分間のウォーキングで1,500歩となります。
男性なら20分のウォーキングで1万歩、女性なら25分程のウォーキングで1万歩達成となります。
これくらいなら意識的に歩けば達成できそうな気もしますね。
ちなみに冒頭で紹介したように「1日1万歩」で検索すると否定的な言葉が並んでいるわけですが、たかだか20分程度のウォーキングが
- やり過ぎ
- 健康に悪い
- 危険
なわけがありませんよね。
誇大表現ですな。
注目を浴びるために目立つタイトルを付けているだけだと言えそうです。
酷い記事なんかは
「知人がトライアスロンをしていたら動脈硬化が進んだ」
とか書いています。
ウォーキングとトライアスロンを比べる時点で馬(以下略
まとめ
1日1万歩が身体に良いという根拠はありません。
ただ、歩数を増やすことが健康に良いことは明らかです。
1日の歩数を平均2千歩増やすことで血圧が約4mmHg下がることが報告されています。
健康のためにはしっかりと歩きましょう
その結果として1日1万歩になるのであれば、それは健康に良いと言えるのではないでしょうか。
参考文献
*1:The required step count for a reduction in blood pressure: a systematic review and meta-analysis. – PubMed – NCBI
*2:Coronary atherosclerosis in indigenous South American Tsimane: a cross-sectional cohort study. – PubMed – NCBI