特定健診・特定保健指導、通称メタボ検診が2008年から始まって10年が経過しました。
メタボ検診に引っかかり、スポーツクラブで運動を行っているという方も見かけます。
ただ、脂肪を落とそうと有酸素運動を行ってばかりって方を見かけます。
実は、メタボ解消のために有酸素運動を頑張っても大して効果はありません。
メタボ体型の人に有酸素運動を行う実験
2018年にクイーンズ大学などの研究グループが体脂肪に対する運動量や強度の影響について研究を行っています。*1
メタボ体型の平均年齢52.7歳の男女103人を以下のグループに分けました。
- 少量&低強度
- 多量&低強度
- 多量&高強度
- 何もしない
24週間継続することによる身体の変化を調べています。
少量&低強度のグループは最大酸素摂取量の50%強度で、女性は180kcal、男性は300kcal分の運動を行いました。
多量&低強度のグループは最大酸素摂取量の50%強度で、女性は360kcal、男性は600kcal分の運動を行いました。
多量&高強度のグループは最大酸素摂取量の75%強度で、女性は360kcal、男性は600kcal分の運動を行いました。
それなりの有酸素運動を行ったという感じですね。
結果:有酸素運動の効果はあるけどイマイチ
運動を行った3つのグループは体脂肪が減少しました。
ただし、体脂肪の減り具合はどのグループも差がありませんでした。
内臓脂肪・お腹周りの脂肪の落ち具合も同じような感じでした。
全体的な筋肉量は運動をしても変化が見られませんでした。
ところが、多量&低強度と多量&高強度のグループは上半身の筋肉量が減少しました。
メタボ体型の人に普通の有酸素運動は無駄
メタボ体型の人が運動をすると体脂肪が減ったという実験です。
ここまで当然の結果です。
運動の強度や運動量はそんなに関係しなかったという結果でした。
しかも運動量を増やすと上半身の筋肉まで落ちるという始末。
はっきり言って、メタボ体型の人に有酸素運動は効率が悪いと言えるでしょう。
有酸素運動をいくら頑張ってもたいして痩せません。
時間の無駄と言えるかもしれません。
メタボ体型解消のためには、
- 食事を制限して摂取カロリーを減らす
- 運動はHIITを行う
という感じにした方がよっぽど効果的でしょう。
食事で360kcal分減らすならご飯をお茶碗1杯半減らせば良いわけです。
もちろん揚げ物を控えたり、調理方法を工夫することでもっと簡単に360kcalのマイナスは作ることができます。
運動はHIITを行いましょう。
HIITに関してはこちらをご覧ください。
HIITを行うと内臓脂肪やお腹周りの脂肪が落ちやすいという報告があります。
また、普通の有酸素運動と同じ消費カロリーだったとしても、HIITの方が明らかにダイエット効果が高いことも報告されています。
メタボ検診に引っかかって「運動しましょうね~」程度の人であれば心臓等のリスクもそれほど高くはないでしょう。
HIITを行えばお腹の脂肪も減って、インスリン抵抗性も下がり、脱メタボ間違いありません。
メタボ体型の人は有酸素運動なんかしてないで、食事の制限とHIITを行いましょう。
まとめ
メタボ体型の人に普通の有酸素運動は効率が悪いと言えます。
食事の制限とHIITを行えばもっと早く効果が得られるでしょう。
ただ、言われてもなかなか出来ないのが現実です。
この記事をご覧の方でメタボな方がいらっしゃれば、ぜひご自身の意志で食事制限とHIITを行ってください。
もちろん楽ではありませんが、長い人生にとってプラスになること間違いありません。