筋トレの基本に多関節エクササイズをしてから単関節エクササイズを行なうというものがあります。
ベンチプレスを行ってからダンベルフライを行ったり、スクワットを行ってからレッグエクステンションを行なうといった具合です。
多関節エクササイズから行った方が効果的とされています。
ところが最近の研究によると、筋トレの順番は思ったよりも関係がなさそうです。
目次
筋トレの順番と筋肥大効果の違いについて
ブラジルのマリンガ州立大学などが筋トレの順序と効果の違いについて研究を行いました。*1
実験では36人の男性(平均年齢21.9歳、平均72.6kg)を対象に
- 多関節エクササイズ → 単関節エクササイズグループ
- 単関節エクササイズ → 多関節エクササイズグループ
以上のグループに分かれて筋トレを6週間行ってもらい、トレーニング前後の筋肉の変化について調べました。
その結果、
- 上腕二頭筋は同じように増加(14.2% vs 13.8%)
- 大腿部真ん中は多関節からが有効(7.2% vs 3.9%)
- 腕の筋肉はほぼ同じように増加(5.2% vs 7.5%)
- 体幹部の筋肉は多関節 からが有効(7.2% vs 1.7%)
- 下半身の筋肉は単関節からが若干有利かも(0.7% vs 1.8%)
という結果が見られました。
筋トレの順番はそれほど気にしなくても良いかも
筋トレの順番は多関節エクササイズから単関節エクササイズの順番が良いとされていますがこの研究の結果によると、どっちでも良いという感じでしょう。
どちらの順でトレーニングを行ってもだいたい同じように筋肉が発達しています。
スポーツをしているなら多関節 → 単関節
スポーツを行っているなら体幹部分の筋肉が重要です。
脚で生み出したパワーを腕に伝えるには体幹部分を必ず通るからです。
体幹部分がグニャグニャで弱いと脚の力が体幹部分で弱まってしまいます。
体幹部(コア)の筋肉に関しては多関節エクササイズから行なう方が有効ということなので、競技スポーツなどを行っていて体幹部の筋肉が重要なのであれば多関節エクササイズ → 単関節エクササイズの順が良いかもしれません。
スポーツクラブでの筋トレは順番にこだわらなくて良い
スポーツクラブで筋トレをしている方であれば、使いたいマシンが空いていないという経験は誰でもあるでしょう。
多関節エクササイズから単関節エクササイズの順でトレーニングをしないといけないとなるとマシンが空くまで待たないといけません。
ところが、多関節エクササイズから行っても単関節エクササイズから行ってもそんなに効果が変わらないのであれば順番に拘る必要はありません。
基本は多関節エクササイズから行なうようにしつつ、マシンが空いていなければ順番を入れ替えるといった融通が効きやすくなるのではないでしょうか。
腕や脚を優先的に鍛えたい場合最初に行なうと良い
筋トレにはプライオリティ・プリンシプル(プライオリティの法則)というものがあり、鍛えたい部位を前半に持ってくると良いというものです。
腕を太くしたければ腕のトレーニングを前半に持ってくるといった具合です。
一番元気なタイミングでトレーニングができればしっかりと追い込むこともできるので、トレーニング効果も高まりやすいという法則です。
今回の研究を見ると腕や脚の筋肉に関しては有意差はないものの単関節エクササイズから多関節エクササイズの順にトレーニングをした方が若干効果が高いと出ています。
全体的な筋肉量の増加に関しては大差はありませんが、腕を重点的に鍛えたいなんて場合はアームカールなど腕の単関節エクササイズを最初に行い、その後他の部位のトレーニングを行えば腕を太くしつつ身体全体も変わるかもしれません。
まとめ
筋トレの順番は以前から言われている多関節エクササイズから単関節エクササイズの順で行なう方が効果的なものの、それほど大きな差はなさそうです。
筋トレの順番に拘る必要がなければトレーニングの際にも融通が効きやすくなるのではないでしょうか。
参考文献
*1:Effects of order of resistance training exercises on muscle hypertrophy in young adult men. – PubMed – NCBI