毎年流行るものがあれば廃れるるものもあります。
それはフィットネス業界も同じで、流行りの運動方法もあれば廃れた運動方法もあったりします。
そこでACSM(米国スポーツ医学会)が2019年のフィットネストレンド予想を発表しました。*1
「ブーム」ではなく「トレンド」なので爆発的に流行するという意味ではなく長期的な流れみたいな意味ですね。
英語が得意な方、あってますか?
さて、2019年のフィットネス業界は何が流行るのか、2019年のフィットネストレンド予想を見てみましょう。
フィットネストレンド2019
発表されたフィットネストレンド2019は以下の通りです。
- Wearable Technology
- Group Training
- High-Intensity Interval Training (HIIT)
- Fitness Programs for Older Adults
- Bodyweight Training
- Employing Certified Fitness Professionals
- Yoga
- Personal Training
- Functional Fitness Training
- Exercise is Medicine
- Health/Wellness Coaching
- Exercise for Weight Loss
- Mobile Exercise Apps
- Mobility/Myofascial Devices
- Worksite Health Promotion and Workplace Well-being Programs
- Outcome Measurements
- Outdoor Activities
- Licensure for Fitness Professionals
- Small Group Personal Training
- Postrehabilitation Classes
という結果となっています。
英語ばっかりに分かりにくいのですが、上位は日本でも耳にする機会も多くなんとなくわかるかと思います。
逆に下位はナンノコッチャ状態でしょう。
Google先生に頼りながら上位から順に見ていきます。
まあ重要なのは上位陣だけなので上位は割としっかり、下位はざっくりとした内容になっています。
1.Wearable Technology
フィットネストレンド2019の栄えある第1位はウェアラブルテクノロジーとなりました。
ウェアラブルテクノロジーということですが、スマートウォッチとか心拍モニターとかGPSでランニング距離や速度がわかる時計などの便利なトレーニングツールのことですね。
- 心拍数を測定しながら運動を行ったり
- 歩数から計算した消費カロリーが表示されたり
- 座っている時間や立っている時間がひと目でわかったり
といった便利機能が搭載されたツールで、ランニング中に使っている人も見かけますよね。
運動中以外にも日常生活の活動量を調べることもできるので、普段から着用しているって方も多いでしょう。
スマホのアプリと連動していて過去の記録をスマホでチェックしたりといった便利機能もあって非常に流行っている印象です。
過去3年の結果も
- 2016年:1位
- 2017年:1位
- 2018年:3位
ここ数年の間はずっと上位に位置しており、まだまだ人気は続きそうな予感です。
近年人気のウェアラブルテクノロジーをあなたも取り入れてみてはいかがでしょうか。
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2.Group Training
フィットネストレンド2019の第2位はグループトレーニングです。
5人以上で行なうトレーニングやグループパーソナルトレーニングが当てはまるとのこと。
スポーツクラブでのスタジオレッスンもグループトレーニングです。
- エアロビクス
- 屋内サイクリングプログラム
- ZUMBAなどのダンスプログラム
などのザ・スタジオレッスンといったものをはじめ、
- お尻を鍛えるトレーニングをグループで行ったり
- ブートキャンプのような高強度の運動をグループで行ったり
といったグループトレーニングも近年流行ってきていますよね。
ゴムバンドを膝や足首に付けてみんなでお尻をいじめている姿がテレビで放送されているのを見たことあるって方も多いことでしょう。
一人で黙々とトレーニングするのは面白くありませんが、グループで行なうと楽しく行なうことができます。
また、大抵はノリの良い音楽が流れているので気分もアゲアゲ状態になり、より楽しく運動を行なうことができるでしょう。
楽しく運動したいって方はグループトレーニングに参加すると良いのではないでしょうか。
3.High-Intensity Interval Training (HIIT)
フィットネストレンド2019の第3位はHigh-Intensity Interval Training (HIIT)です。
短時間の高強度の運動と休息を繰り返すトレーニング方法です。
非常にきついトレーニングなんですが、短時間で通常の有酸素運動以上の効果が得られるということから人気となっています。
- 体力は付くわ
- 脂肪は落ちるわ
- 血糖値は下がるわ
- 頭が良くなるわ
- 筋肉が増えるわ
と良いこと尽くめです。
唯一の欠点が非常にきついということだけ。
非常にきついにもかかわらず世界的にも流行っており、2014年以降はずっと上位に位置しているトレーニング方法です。
それだけ効果が高いという証拠と言えるかもしれません。
今まではダイエットと言えばランニングなどの有酸素運動というイメージでした。
これからはダイエットのために有酸素運動を行なうのではなく、HIITを行なうのが当たり前という時代になるかもしれません。
4.Fitness Programs for Older Adults
フィットネストレンド2019の第4位は高齢者のためのフィットネスプログラムです。
これはトレンドというよりも世界的な課題と言えるかもしれません。
近年世界的に高齢化が進んでいます。
高齢化が進むと問題になるのが医療に関することです。
高齢者が医者にばかり掛かってしまうと回らなくなるってことで、高齢者にもできるだけ健康を維持してもらおうという取り組みですね。
加齢とともに筋肉は減ってしまいがちです。
筋肉が減って機能が低下してしまうことをサルコペニア(ロコモティブシンドローム:通称ロコモ)と言います。
筋肉が減ると糖などの代謝が低下し、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などのリスクが高くなり、そこからガン、心筋梗塞、脳卒中などに繋がります。
はっきり言ってポックリと逝ってくれれば大して問題はないのですが、大抵はポックリとは逝けません。
場合によっては重大な後遺症を抱えた状態でその後を過ごすことになります。
医療費は膨れ上がるわ、家族への負担は増えるわで大変な状態となります。
といったことにならないように高齢者への運動プログラムもいろいろと考えられているわけですね。
2019年も高齢者向けの運動プログラムに関して耳にする機会が多くなるかもしれません。
ちなみに度々オススメする加圧ウォーキングも高齢者でも簡単に行えてかつ効果の高いトレーニングです。
5.Bodyweight Training
フィットネストレンド2019の5位は体重を利用したトレーニングです。
トレーニング器具を使わずに行なうトレーニングのことですね。
いろんなバリエーションを腕立て伏せや腹筋を行なうといった感じです。
個人的には地味はイメージがあるのですが、2013年のフィットネストレンド3位に登場して以来ずっと上位に位置しています。
グループレッスンのSTRONG by ZUMBAなども器具を使わずに全身を鍛えるトレーニングです。
日本ではまだまだ自体重トレーニングは流行っていませんが、そろそろ流行ってくるかもしれません。
6.Employing Certified Fitness Professionals
フィットネストレンド2019の第6位は認定フィットネスプロフェッショナルの採用です。
スポーツクラブにおいても専門家はとても重要です。
ところが、多くのスポーツクラブはアルバイトスタッフが中心です。
彼らはプロフェッショナルとは言えません。
そこで、NSCAやACSMといった団体の資格を持ったスタッフを雇うというわけですが、そんな子はそうホイホイとは見つかりません。
ということで、各スポーツクラブは研修プログラムを作り、それに合格したスタッフはスポーツクラブ認定の専門家ですよーって仕組みを作ったりするわけです。
また、パーソナルトレーナーと契約を結んで指導をしてもらうというのも当てはまるでしょうか。
私のような仕事ですね。
当然ですが、そのへんのアルバイトスタッフよりも専門知識は優れています。
こういう専門家が在中するスポーツクラブがこれからもっと増えるかもしれません。
専門家が在中しているスポーツクラブということでもなんとなく安心できますよね。
ちなみにその反対が最近流行りの24時間型スポーツクラブです。
スタッフは在中しておらず、勝手にご利用くださいってスタイルです。
どちらが良いかはわかりませんが、世界的なトレンドとしては専門家在中のスポーツクラブが増えるであろうということです。
7.Yoga
フィットネストレンド2019の第7位はヨガです。
これはもう常連と言えるでしょう。
2008年に初めてトップ10に登場してからは2009年を除いてずっと安定した位置をキープしています。
ヨガにも様々なバリエーションが出てきており、屋外で行なうヨガや、海の上でボートみたいな物に乗って行なうSUPヨガなんていうのもあります。
ヨガを行なうことで
- ストレスの軽減
- 慢性的な炎症の減少
- 睡眠の質の改善
などの効果も報告されているので、是非取り入れたい運動のひとつと言えそうです。
8.Personal Training
フィットネストレンド2019の第8位はパーソナルトレーニングです。
私の仕事です。
1対1でお客様の目的に合わせたトレーニングプログラムを提供するというものです。
フィットネストレンドでは2006年に登場して以来ずっとトップ10に入り続けています。
最近ではスポーツクラブだけでなく、パーソナルトレーニング専用のスタジオも増えてきていますよね。
特にライザップが流行ってから急激に増えましたね。
短期集中ダイエットとか売りにしているところが多いですね。
効率や効果を求めている人が増えているということでしょうか。
2019年もパーソナルトレーニングに注目です。
9.Functional Fitness Training
フィットネストレンド2019の第9位はファンクショナルトレーニングです。
身体の機能を高めるトレーニングということで、
- 重力を利用してトレーニングしたり
- 動きの連動性を意識してトレーニングしたり
- 爆発的な動きをしたり
といった感じのトレーニングですね。
多くのスポーツクラブなどでファンクショナルトレーニングを謳ったプログラムが展開されています。
2019年もまだまだファンクショナルトレーニングの人気は続くようですね。
10.Exercise is Medicine
フィットネストレンド2019の第10位は運動は医療というものです。
いや、運動は薬と訳すほうが適切でしょうか。
「運動は万能薬」という言葉もあるほど、運動は健康に様々な良い影響を及ぼします。
- 病気を予防するために運動を行なう。
- 術後のリハビリのために運動を行なう。
- 悪化を防ぐために運動を行なう。
健康のため、病気予防のために様々な場面で運動が取り入れられます。
2019年も健康のために運動を行なうというのが広く取り入れられそうです。
11.Health/Wellness Coaching
フィットネストレンド2019の第11位はヘルス・ウェルネスコーチングです。
日本ではあまり耳にしない言葉ではありますが、健康のための運動指導といった感じですね。
10位のExercise is Medicineと関係しますが、健康のために専門家が指導を行なうといった感じでしょうか。
12.Exercise for Weight Loss
フィットネストレンド2019の第12位はダイエットのための運動です。
これは日本でも近年広く取り入れられていますね。
運動をしてダイエットといえばライザップですね。
今までダイエットと言えば「いかに楽をして痩せるか」ということが考えられがちでしたが、ライザップなどガッツリトレーニングを行ってダイエットするという考えが広まってきました。
運動でダイエットを行えばリバウンドも起こりにくいですし良い傾向と言えるのではないでしょうか。
13.Mobile Exercise Apps
フィットネストレンド2019の第13位はモバイルエクササイズアプリです。
iPhoneやAndroidなどのアプリとして運動関係のアプリも増えてきました。
本格的な内容のものは少ないものの、運動のきっかけや継続方法として便利なものはたくさんあります。
特に自宅で運動をしているって方はアプリを利用すると続けやすいのではないでしょうか。
14.Mobility/Myofascial Devices
フィットネストレンド2019の第14位は筋肉をほぐす道具ですね。
筋膜リリースで使うポールとかローラーとかが有名ですね。
それ以外にもいろいろなツールが出ています。
筋肉などをほぐす便利ツールとして2019年も多くの人に取り入れられるのではないでしょうか。
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15.Worksite Health Promotion and Workplace Well-being Programs
フィットネストレンド2019の第15位は職場での健康促進・福祉プログラムです。
日本でもメタボ検診とそれに伴う運動や食事の指導が行われていますね。
従業員が健康を害して退職や休職に繋がると会社としても大きな損害です。
そうならないように従業員を健康に気を使うという感じですね。
16.Outcome Measurements
フィットネストレンド2019の第16位は結果測定ですね。
スポーツクラブではInBodyなどの体組成計で身体の変化を見たりしますし、家庭でも体重計タイプの体脂肪計なんかが普及してきました。
最近は時計タイプの活動量計で消費カロリーが出たりしますね。
また、血糖値などが気軽に測定できるような装置がドラッグストアに設置されていたりと測定しやすい環境になってきました。
定期的に測定を行なうことで運動の効果を確認したり、運動内容を修正することができます。
17.Outdoor Activities
フィットネストレンド2019の17位は野外活動です。
外での運動ですね。
グループでハイキングに行ったり、ランニングイベントなど外で運動を行うというものです。
屋内とは違って景色が変わり、非常に楽しく運動ができます。
屋外での運動なら続けられるって方もいるかもしれませんね。
18.Licensure for Fitness Professionals
フィットネストレンド2019の第18位はフィットネスプロフェッショナルのためのライセンス制度です。
専門性のわかる資格制度が整備されていくという感じでしょうか。
19.Small Group Personal Training
フィットネストレンド2019の第19位は小規模グループパーソナルトレーニングです。
パーソナルトレーニングは通常1対1で行われますが、2〜5人を対象としたトレーニング指導というものです。
セミパーソナルトレーニングとかって言われたりもしますね。
パーソナルトレーニングとグループレッスンの間といった感じです。
パーソナルトレーニングより安価で受けることができ、友人・夫婦・恋人など仲の良い人と受けることで楽しくトレーニングを行うことができます。
日本でも少しずつ耳にするようになってきました。
20.Postrehabilitation Classes
フィットネストレンド2019の20位はリハビリ後のクラスです。
リハビリが終わったからといってもう問題ないわけでなく、あくまで最低限必要な機能が戻った状態でしかありません。
それを元の状態にまで近づけようというものですね。
ガン、心筋梗塞、脳卒中患者を元の生活にまで戻すために考えられるのでしょう。
まとめ
2019年のフィットネストレンド予想はいかがでしたか?
流行りがイメージできるものもあればイマイチイメージできないものもあったかもしれません。
2019年は高齢者が活動量計を装着して心拍数をチェックしながらグループで自体重を利用したHIITプログラムが流行るかもしれません。
特にトップ5は日本でもテレビや雑誌などのメディアで目にする機会も増えることでしょう。
流行に敏感でいたい方は参考にしてみてはいかがでしょうか。