- カロリーは●●kcal減らすように
- 脂質は飽和脂肪を減らして不飽和脂肪を摂るように
- 野菜は1日●●グラム、果物は▲▲グラム摂りなさい
- 塩分は1日●●グラム以下に抑えなさい
ダイエットしたいけど食事にいろいろ気をつけないといけないのは面倒くさい…。
もっと簡単になれば良いのに…。
そんな方は食物繊維の量だけ意識するダイエットはいかがでしょうか。
食事の管理は結構面倒くさい…
ダイエットのためには食事が大切ってことはわかっているものの、細かいことまで書かれていて正直面倒くさいと感じる方が多いのではないでしょうか。
ちなみに、アメリカ心臓協会(American Heart Association)が推奨している食事内容として
- 野菜や果物を食べる
- 全粒穀物を食べて食物繊維を1日30g以上食べる
- 週2回は魚を食べる
- 脂肪の少ない動物性・植物性たんぱく質を食べる
- 甘い飲み物を減らす
- 砂糖を出来るだけ摂らない
- 塩分(ナトリウム)は最小限に
- お酒は極力減らす
- 50~55%は糖質から摂る
- 15~20%はたんぱく質から摂る
- 30~35%は脂質から摂る
- 飽和脂肪は7%未満、トランス脂肪は1%未満に抑える
- コレステロールは1日300mg未満に制限
といった食事内容が推奨されています。
ダイエット指導をしている私にとってはめっちゃ面倒くさくて見たくもない当たり前の食事内容なわけですが、一般の方にとっては非常に面倒くさい内容と言えるのではないでしょうか。
ダイエット中は上記の食事内容をきっちり守ってくださいと言われたらげんなりしますよね。
当然長続きしないかと思われます。
では、次の食事内容はどうでしょうか?
- 食物繊維を1日30g以上摂りましょう
以上。
比較するまでもなくこちらの方が簡単ですよね。
食物繊維の量を意識するだけなら簡単ですし、長く続けやすいのではないでしょうか。
さて、今回紹介する研究は、先程紹介した食事内容を意識しながらダイエットした場合の比較実験です。
明らかにアメリカ心臓協会の食事内容の方がダイエット効果が高いようにも思えます。
実際はどうだったのでしょうか。
食事プログラムの違いとダイエット効果比較
2015年にマサチューセッツで食事プログラムの違いによるダイエット効果の差について研究が行われました。*1
参加者はマサチューセッツ州の住民240人で、
- メタボ
- BMI30~40
- 21~70歳
- 医師から運動の許可が出ている
- 過去三十日以上喫煙をしていない
といった条件の方々です。
- 糖尿病患者
- 半年以内に狭心症や心筋梗塞を経験した人
- 妊婦もしくは授乳期の女性
- 遠くに引っ越す予定のある人
- むやみにダイエット実験に参加ばかりしまくる人
- うつ病患者
- 肥満手術を受けたひともしくはダイエット薬を使用している人
- 摂食障害者
は条件から外されています。
あくまで健康に問題のない(?)メタボな人を対象としたダイエット実験です。
参加者は
- アメリカ心臓協会のガイドライン通りの食事をする
- 食物繊維を1日30g以上摂るよう意識する
以上の2つのグループに分けて12ヶ月間のダイエット効果を比較しました。
食物繊維だけを意識するグループは、食物繊維を増やす方法に関する指導を受けました。
摂取カロリーに関しては特に制限するよう案内は行っていません。
一方のアメリカ心臓協会のガイドライン通りの食事をするグループは、先述のような食事に関する指導を受け、1日の摂取カロリーを500~1,000kcal減らすような食事を目指してもらいました。
ちなみにどちらのグループも運動に関する指導は行われませんでした。
12ヶ月間ダイエットの結果
さて、12ヶ月間ダイエットした結果ですが
- アメリカ心臓協会の ダイエット:平均6ポンド体重が減少
- 食物繊維だけ意識ダイエット:平均4.6ポンド体重が減少
という結果となりました。
ポンド表示なのでキログラムに直すと、2.72kgと2.09kgです。
わずか630gの差でしかありません。
ちなみに摂取カロリーに関しては
- アメリカ心臓協会のダイエット:平均-465kcal/日
- 食物繊維だけ意識ダイエット:平均-200kcal/日
という感じでアメリカ心臓協会ダイエットグループの方が平均265kcalも減らしています。
それにも関わらずダイエット効果は大して変わらないという結果でした。
ダイエットは食物繊維だけ意識すれば良いかも
細かく食事内容を決めたダイエット方法でも食物繊維だけ意識したダイエット方法でもダイエット効果にたいして差はないということですね。
頑張り具合で言えば明らかにアメリカ心臓協会が推奨するダイエットプログラムを実践した参加者の方が頑張っているでしょう。
食事の内容が細かく決められているわけですからね。
しかも摂取カロリーは1日平均465kcalも減らしており、十分頑張ったと言えるでしょう。
それと同じくらい食物繊維の摂取量を1日30g以上にするだけというダイエット方法が手軽で効果的ということです。
もちろん食物繊維だけを意識したグループも血圧や空腹時インスリン、血中コレステロールなどの数値も改善しており、ダイエット効果だけでなく健康効果も十分期待できます。
フォローしておきますが、アメリカ心臓協会の食事内容が悪いわけではありません。
若干とは言え体重は多く落ちているわけですし、1年間の実験中に糖尿病を発症した人の数も少ないという結果になっていますからね。
ただ、食事プログラム内容の有効性うんぬん以上に誰もが簡単に続けることができる食事方法という方が大切ではないでしょうか。
日本人の食物繊維の平均摂取量は15g
平成29年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の日本人の食物繊維平均摂取量は
- 男性:15.2g
- 女性:14.8g
となっています。*2
男女とも1日15g程度の食物繊維を摂取しているということで、目標である1日30gの食物繊維の約半分という現状です。
ということは、食物繊維をあと15g増やすような食生活を意識するだけでダイエットできて健康になれるということになります。
- 白米ではなく玄米や雑穀米を食べたり
- 白いパンではなく全粒粉パンを食べるようにしたり
- 食物繊維の多い根菜類のおかずを増やしたり
- デザートやおやつにお菓子ではなく果物を食べるようにしたり
いろいろと工夫して食物繊維を摂る様にすれば1日30gも十分可能となるでしょう。
おまけに食物繊維を増やそうと全粒穀物や果物を食べれば、ビタミンやミネラルといったそれ以外の栄養素も自然と増やすことに繋がります。
もちろん健康やダイエットにも効果的でしょう。
これからダイエットしたいという方は、食物繊維を1日15増やすことだけを意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
とりあえず、ダイエットしたいけど面倒なことは嫌いって方は食物繊維の摂取量だけを意識してみてはいかがでしょうか。
1日30g以上の食物繊維を摂る様に意識するだけでダイエットできるかもしれませんよ。