加圧トレーニング

加圧トレーニングの痛みを軽減する方法として、動作中に除圧・休憩中に加圧すると効果もあって楽かもしれない

楽に筋肉を付けることができるというイメージの加圧トレーニングですが、実際はかなり辛いトレーニングです。

血流制限を掛けることで独特の痛みが伴いますし、人によってはどうしても苦手って方もいることでしょう。

私は加圧トレーニングの指導をしておりますし、実際に自分のトレーニングにも加圧トレーニングを取り入れています。

低負荷かつ短時間で済むのは効率的ですし、関節などに負担を掛けずに鍛えることができるのは大きなメリットであるものの、加圧トレーニングはやっぱり嫌な痛みが伴うので苦手です。

さて、そんな加圧トレーニングの辛さを軽減する方法として、「途中で圧力を抜く」というやり方があります。

ただ、ほとんどの研究は圧力を掛けたまま行う方法で実験が行われており、途中で圧力を抜く研究データはそれほど多くはありません。

ということで、北海道大学などの研究グループが加圧トレーニングの途中で圧力を抜く方法をいくつか調べています。*1

実験は、健康な男性7人を対象に行われました。

参加者にそれぞれ

  • 20%1RMで加圧無し
  • 20%1RMで休憩中だけ加圧
  • 20%1RMで運動中だけ加圧
  • 20%1RMで加圧したまま

以上の4つの条件で足首の運動(カーフレイズ)を30回3セット、インターバル1分で行ってもらいました。

その結果、筋肉に対する化学的なストレスは加圧したままで行う場合が明らかに高く、他の3つのやり方は統計学的には大して差はないという結果となりました。

20%1RMで行う場合は締めっぱなしでないと効果は薄くなってしまうようです。

ということで、次の実験はやり方を少し変更しています。

  • 40%1RMで休憩中だけ加圧
  • 40%1RMで運動中だけ加圧

以上の条件で再度実験を行いました。

負荷を少し上げて実験を行ったわけですね。

その結果、どちらの場合も20%1RMで加圧したままの時と同じくらい筋肉に対する化学的なストレスが加わっていることがわかりました。

さらに、20%1RMで加圧したままの場合や40%1RMで運動中に加圧をした場合に比べ、40%1RMで休憩中だけ加圧をした場合は明らかに辛さ(主観的運動強度)が軽減されました。

動作中に除圧、休憩中に加圧が効果があって楽

加圧トレーニングの辛さを軽減する方法として、圧力を加えたまま行うのではなく途中で圧力を抜く方法が調べられたわけですね。

20%1RMの負荷で加圧トレーニングを行う場合は途中で圧力を抜いてしまうとやっぱり効果が下がってしまうようです。

20%1RMで加圧トレーニング行うなら我慢して最後まで圧力を抜かずに頑張りましょう。

それに対して40%1RMで行った場合は途中で圧力を抜いても効果は変わらないかもしれないってことですね。

特に目新しいのがインターバル中に加圧をするという方法ですね。

動いている時はベルトは外し、休憩中にベルトを巻くといった感じです。

私も試してみましたが普通に加圧したまま行うのに比べてかなり痛みは軽減されました。

また、1セット目こそ楽に感じましたが、2セット目3セット目とちゃんと筋肉は疲労し、終わったあとは筋肉はパンプアップしており、休憩中だけ加圧をしてもちゃんと筋肉に効いた感じがありました。

低負荷とは言え40%1RMくらいの負荷であれば恐らく運動中は筋肉自体の圧力によって自然と血流が制限されているのでしょう。

そのため、運動中にベルトを巻いていなくてもそれほど加圧の効果は大きくないのかもしれません。

20%1RMの場合は筋肉の圧力もそれほど高まらないので加圧したままでないと効果がないのかもしれません。

インターバル中は当然リラックスするので筋肉内の圧力も低下し、血液は流れやすくなります。

インターバル中にベルトを巻くことでそれを抑制するといった感じでしょう。

乳酸が溜まったり、筋肉内のpHが低下したのをキープするというイメージです。

動作中は除圧し、休憩中は加圧をするならいろいろ応用できそうです。

片方ずつ行う種目であるランジ動作やステップアップ、腕ならコンセントレーションカールやワンハンドロウイングなんかの場合はトレーニングする側だけ除圧し、反対側は加圧しておくといったやり方ができそうです。

また、筋肉が圧迫されていると若干可動域にも影響が出てしまいがちです。

ベルトを巻いているとデッドリフトやスクワットなどを行う際の股関節の動きが悪くなりがちなんですが、運動中はベルトを外すのであれば動きに影響を与えることなくトレーニングできて良さそうです。

とにかく運動中は除圧し、休憩中だけ加圧するという方法が良いのであればいろいろと応用できそうですね。

これからの研究に期待しましょう。

とは言え、この研究だけを見てOKというわけではありません。

ツッコミどころはいろいろとあります。

この実験では加圧トレーニングにしては長めのインターバル(1分)で行われています。

これが30秒以内であれば結果は違った可能性があります。

20%1RMで途中除圧をしても効果が出たかもしれません。

また、「40%1RMで加圧したまま」という条件での実験が行われていません。

40%1RMで途中に除圧して行うのは20%1RMで加圧したままと同じくらい効果があるかもしれませんが、一番効果があるのは40%1RMで加圧したままの場合も考えられます。

ということで、実験結果をそのまま鵜呑みにするってわけにはいきませんが、なかなか面白い結果ですよね。

40%1RMは十分低強度と言える負荷ですし、インターバル中に加圧をするというのも面白い試みです。

こういうやり方もあると知っておくとバリエーションが増えて良さそうです。

まとめ

加圧トレーニング中の痛みを軽減する方法として、

  • 40%1RMの負荷でトレーニングを行う
  • 動作中は除圧する(ベルトを外す)
  • 休憩中は加圧する(ベルトを装着する)

という方法が良いかもしれません。

まだエビデンスは弱いので確実に効果があるとは言い切れませんが、どうしても加圧の痛みが苦手って方は試してみても良いのではないでしょうか。

いろいろ応用もできそうなので興味のある方は試してみてください。

参考文献

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