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筋トレは多関節種目を行っていれば単関節種目を追加しても効果は変わらない

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筋トレには多関節種目単関節種目の2種類があります。

コンパウンド種目とアイソレーション種目と言ったりもします。

 

多関節種目とは、スクワット・デッドリフト・ベンチプレス・ラットプルダウンなど2つ以上の関節が動く運動のことです。

スクワットなら膝関節と股関節、ベンチプレスなら肩関節と肘関節といった具合です。

 

もう一方の単関節種目はレッグエクステンション・レッグカール・アームカール・トライセプスプレスダウンなど1つの関節だけを動かして行う運動のことです。

レッグエクステンションなら膝関節、アームカールなら肘関節といった具合です。

 

多関節種目を中心に行い、単関節種目を加えていくというのが筋トレの基本的な流れとなります。

ベンチプレスを基本としつつ、その後にダンベルフライを行うといった感じです。

マシンだったらチェストプレスを行ってからマシンフライを行うといった感じですね。

 

ただ、最近の研究によればほとんどの人にとっては単関節は必要なく、単関節種目のみ行っていれば良さそうです。

  

多関節をしていれば単関節は必要ないという研究

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単関節が必要ないとはどういうことでしょうか。

ということで、単関節種目と多関節種目に関する研究を紹介します。*1

 

これはブラジルで行われた研究で、多関節種目だけ行った場合と単関節種目を追加した場合とで効果の違いを調べています。

研究は普段から筋トレを行っているという女性17人を

  • 多関節種目のみ行う
  • 多関節種目+単関節種目を行う

以上の2つのグループにわけて8週間トレーニングしてもらい、筋力・腕や脚の周囲径・腕の皮下脂肪などの変化を調べました。

 

 

 

さて、8週間のトレーニングの結果ですが測定した全ての項目において有意差は見られなかったという結果となりました。

  • ベンチプレスの重量:12.6%増vs9.2%増
  • ラットプルダウンの重量:9.8%増vs8.3%増
  • レッグプレスの重量15.2%増vs12.8%増

 

  • 上腕三頭筋の筋力:15.6%増vs17.9%増
  • 上腕二頭筋の筋力:14.0%増vs13.0%増
  • 大腿四頭筋の筋力:10.2%増vs9.1%増

 

  • 腕周りのサイズ:1.47%増vs1.58%増
  • 二の腕の皮下脂肪:5.1%減vs5.3%減
  • 力こぶの皮下脂肪:6.5%減vs5.7%減

といった具合です。

全てにおいて有意差なしです。

 

多関節種目をしっかりと行っていれば単関節種目を加える必要はないってことですね。

ベンチプレス・ラットプルダウン・レッグプレスなどの多関節運動はどちらのグループも行ったわけですが、統計学的有意差はないとはいえ短関節運動を加えるとむしろ筋力増加が阻害されているようにも見えますね。

 

単関節種目を追加すればそれだけ時間も多く掛かってしまいますし、疲労もその分増えてしまいます。

筋トレがそんなに好きじゃなくてできれば種目は少ない方が良いってことであれば、多関節運動だけ行っていれば十分と言えそうです。

 

むしろ単関節種目を行う必要はないと言えるのではないでしょうか。

追加しても効果は変わらないって結果ですからね。 

トレーニングの効率化を図るのであれば多関節種目を中心に行うと良いでしょう。

  

筋トレ経験のない女性も多関節種目だけの方が効果的

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前述の研究は、あくまでトレーニング経験のある女性を対象としたものでした。

では、トレーニング経験のない女性の場合はどうでしょう。

トレーニング経験のない筋トレ初心者女性の場合においても多関節種目だけで十分と言えそうです。

 

筋トレ初心者女性を対象とした研究を紹介しましょう。

ブラジルでトレーニング経験のない女性に対する多関節種目と単関節種目を追加した場合とでの効果の違いについて研究が行われています。*2

 

アマゾン大学の研究者らが、トレーニング経験のない女性20人を対象に

  • 多関節種目のみ
  • 多関節種目+単関節種目

以上の2つのグループにわけて8週間のトレーニングを行ってもらい、トレーニング前後で筋力やました。

研究の対象がトレーニング初心者女性に変わっただけで、先程紹介した研究とほぼ同じような内容です。

 

8週間のトレーニングの結果も見てみましょう。

多関節種目のみのグループ、単関節種目を追加したグループどちらのグループも力こぶと二の腕の皮下脂肪の減少が見られました。

  • 上腕二頭筋(力こぶ):-3.60% vs -3.55%
  • 上腕三頭筋(二の腕):-3.05% vs -2.98%

 

ただし、上腕二頭筋の筋肥大効果に関しては単関節種目を追加したグループの方が高かったようです。

  • 肘屈曲位での上腕周囲経(力こぶの太さ):3.50% vs 4.39%

 

筋力の変化に関してはどちらの多関節種目のみのグループも単関節種目を追加したグループも差は見られなかったようです。

  • 肘伸展筋力(肘を伸ばす力):28.2% vs 28.0%
  • 肘屈曲筋力(肘を曲げる力):29.8% vs 28.7%
  • 膝伸展筋力(膝を伸ばす力):26.92% vs 23.86%

 

といった結果が見られました。

筋トレ初心者の場合においては上腕二頭筋の発達(力こぶの発達)を除けば体脂肪の減少も筋力の増加も有意差なしということなので、時間的な効率を考えれば単関節種目を加える必要性は低いと言えるのではないでしょうか。

 

筋トレ経験のある男性も多関節種目のみで十分

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紹介した研究はどちらも女性を対象とした研究でした。

では、男性の場合も同じなのでしょうか。

普段筋トレをしている男性も多関節種目のみで十分と言えそうです。

 

ブラジル・サンタ・セシーリア大学の研究者らが普段から筋トレをしている男性を対象に多関節種目のみの場合と単関節種目を追加した場合での上半身の筋力とサイズの変化を調べています。*3

研究は2年以上のトレーニング経験のある若い男性(20代後半)20人を

  • 多関節種目のみ
  • 多関節種目+単関節種目

以上の2つのグループにわけて8週間トレーニングを行ってもらい、その前後で肘の曲げ伸ばしの筋力変化、腕のサイズを調べています。

 

 

さて、8週間のトレーニングの結果ですが、肘の屈曲1RM(肘を曲げる力)と肘の伸展1RM(肘を伸ばす力)に関しては多関節種目のみのグループも単関節種目を追加したグループも有意差は見られませんでした。

  • 肘屈曲1RM(肘を曲げる力):4.99% vs 6.42%
  • 肘伸展1RM(肘を伸ばす力):10.60% vs 9.79%

 

腕のサイズに関しても同様の結果でして、

  • 上腕周囲経(肘曲げ状態のサイズ):1.72% vs 1.45%
  • 上腕周囲経(肘伸ばし状態サイズ):1.33% vs 3.17%

という結果となり、統計学的には有意差なしという結果となりました。

 

 

研究者曰く

「単関節種目を追加してもメリットはなく、筋トレは多関節種目だけの方が時間的効率が高いぞ!」

とのこと。

 

わずかなサイズの変化を求めるような人であれば単関節種目を行う必要はあるかもしれませんが、そこそこ良い身体を求めていたり、時間効率の良いトレーニング求めているのであれば筋トレは多関節種目のみ行う方が良いのではないでしょうか。

 

多関節のみ vs 単関節のみ 多関節のみの方が効果的 

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さて、ここまで紹介した研究は多関節種目に単関節種目を追加するという内容でした。

追加することによる疲労などによる影響で効果が減少した可能性も考えられます。

では、多関節種目のみと単関節種目のみを比べた場合はどうなのでしょうか?

多関節種目のみと単関節種目のみを比べると、やはり多関節種目のみの方が効果的なようです。

 

イタリア・パドヴァ大学の研究者らは多関節種目のみもしくは単関節種目のみで構成されたトレーニングを行った場合の筋力・心肺機能・体組成の変化について調査を行っています。*4

実験では、普段から身体を動かしている男性36人を

  • 多関節種目のみ行う
  • 単関節種目のみ行う

以上の2グループに分け、トレーニング量(反復回数×セット数×負荷)を揃えた状態で週3回のトレーニングを8週間行ってもらい、トレーニングの前後でVO2max(最大酸素摂取量)、体組成、ベンチプレス・レッグエクステンション・スクワットの1RMを測定しています。

 

 

さて、8週間のトレーニングの結果を見ていきましょう。

体重の変化はどちらのグループも見られず、筋肉量と体脂肪量に関してはどちらも変化が見られましたが多関節のみのグループと単関節のみのグループ間で有意差は見られませんでした。

  • 筋肉量:5.5% vs 3.5%
  • 体脂肪量:-11.3% vs -6.5%

 

心肺機能と最大筋力に関しては多関節種目のみのグループの方が大きな変化が見られました。

  • VO2max(心肺機能):12.5% vs 5.1%
  • ベンチプレス1RM:10.9% vs 8.1%
  • スクワット1RM:13.8% vs 8.3%
  • レッグエクステンション:18.9% vs 12.4%

 

ということで、単関節種目のみに比べて多関節種目のみ行う方が心肺機能や最大筋力向上効果は高いようです。

筋肉量や体脂肪量といった体組成には有意差は見られなかったものの、多関節種目のみの方が若干良い結果が見られていますので、多関節種目のみ vs 単関節種目のみ の結果は多関節種目のみの圧勝と言えそうです。

 

単関節種目はレッグカールのみ有効

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ここまでの多関節種目と単関節種目に関する研究によると、多関節種目の圧勝で単関節種目は必要ないと言えそうです。

ただ、単関節種目すべてが駄目というわけではなく、レッグカールは有効と言えそうです。

 

ゴイアス連邦大学などの研究グループが普段トレーニングを行っている女性を対象に多関節種目、単関節種目どっちが効果的かを調べています。*5

研究では30人の女性を

  • 多関節種目のみ
  • 単関節種目のみ
  • 多関節種目+単関節種目

以上の3つのグループに分けて6ヶ月間トレーニングを行い、その前後で筋力や筋肉の発達具合を比べています。

 

さて、トレーニングの結果ですが、最大筋力に関しては軒並み多関節種目を行ったグループの方が良い結果となりました。

ただし、レッグカールの最大筋力に関してのみ例外です。

唯一レッグカールの1RMだけは単関節種目のみ行ったグループの方が変化が大きいという結果が見られました。

 

筋肥大に関してはどのグループも大幅に筋肉量が増加していました。

ただし、多関節種目のみのグループと多関節種目+単関節種目を行ったグループは単関節種目だけ行ったグループに比べて

  • 大殿筋
  • 大腿四頭筋
  • 大胸筋

のより大きな発達が見られたとのこと。

 

基本的にはやはり多関節種目を中心にした方がよさそうです。

ただし、膝を屈曲させる筋力の向上が目的であるならレッグカールを加えると良さそうです。

 

まとめ

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筋トレは多関節種目を中心に行う方が良いと言えそうです。

逆に単関節種目はそれほど必要ではないと言えそうです。

 

単関節種目を追加することでマイナスに働くことはほとんどなさそうですが、追加してもそれほど効果に差は出ません。

時間的な効率を考えれば基本的にベンチプレスやスクワットのような多関節種目を中心としたトレーニングを行うようにしましょう。

 

もちろん筋トレ上級者の場合やリハビリが目的の場合においては単関節種目も必要になることもあるでしょう。

レッグエクステンションのように膝を伸ばし切る時に大きな負荷がかかるというのは多関節種目ではなかなか再現できません。

また、レッグカールは膝の屈曲筋力の向上に効果が高いということで、必要になることもあるでしょう。

 

このように場合によっては単関節種目を行う必要が出てくるような例外もありますが、筋トレ初心者~中級者であれば多関節種目を中心にトレーニングを行う方が良いでしょう。

私もそこそこの身体を目指して効率良くトレーニングしたいと考えているので、普段はチンニング・プッシュアップ・スクワットといった多関節種目を中心に行うようにしています。

効率良く身体を鍛えたいって方は多関節種目を中心に行うようにしましょう。

 

参考文献