ダイエットで一般的に行われているのが、
- 18時以降は何も食べない
- 19時以降は何も食べない
- 寝る3時間前からは何も食べない
といった感じで食べても良い時間を制限するダイエット方法ではないでしょうか。
この記事ではそんな時間制限ダイエットに関する研究データを紹介しています。
ダイエット中のあなたの参考になれば幸いです。
6時間の間だけ食べるダイエット
ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された、肥満ウィーク2016において
「朝の8時から昼の14時までの間に食事を終わらせ、翌日8時までの18時間何も食べないようにすると食欲が抑えられ、ダイエットに役立つかもしれない」
という発表がありました。*1
6時間ダイエット、18:6ダイエットなどと言われるダイエット方法で、プチ断食の一種と言われることもあるダイエット方法ですね。
さて、実験は持病のない平均年齢30歳の肥満男女8人を
- 午前8時から午後2時までの食事を4日間
- 午前8時から午後8時までの食事を4日間
という2つのグループに分かれてもらい食生活を送ってもらいました。
ちなみに差を付けたのは時間だけで、摂取カロリーと食事の回数はどちらのグループも同じように調整しています。
さて、実験の結果ですが、午前8時から午後8時までの食事を行ったグループに比べ、午後2時までに食事を終えたグループは
- 脂肪の燃焼が高まった
- 空腹感が抑えられた
という結果が見られました。
4日間だけの実験なので体重の変化まではありませんが、脂肪が燃えやすくなったりするようです。
6時間ダイエットのグループの方が空腹感を感じずに過ごせたというのが意外なところですね。
今回の実験は14時までに食事を終わらせるというなかなか難しい方法で、これを真似するのは正直なかなか難しいのではないでしょうか。
ただし、参考にすることはできそうです。
夕方18時、19時までに食事を終わらせているって方は結構多いでしょう。
6時間の間で1日の食事を終わらせるのであれば、12時~18時の間で食事を行えば、今回の実験と似たような効果が期待できるかもしれません。
朝食を抜いて昼食と夕食+おやつで過ごすといった感じですね。
またきっちり6時間でなくても、できるだけ短時間の間に1日の食事を終えるようにするという方法もありではないでしょうか。
6時間が厳しいのであれば、7時間、8時間以内に1日の食事を終わらせます。
夜19時に夕食を摂るなら11時~19時の間だけ食事をしたりします。
同じ結果とまではいかなくても、普通の食生活よりもダイエット効果が期待できるかもしれません。
昔々は日の出と共に起き、日の入りとともに眠るという生活をしていました。
日の出が6時、日の入りが18時とすると12時間。
起床後は狩りに行き、食料にありつけるのが11時、集落に食料を持ち帰って食べるのが17時とすると6時間で食事が行われていたことになります。
と考えれば、6時間の間に1日の食事を済ませるというのはある意味理にかなっているのかもしれません。
完遂率83% 優しい8時間ダイエットの効果
8時から14時までの6時間で食事を済ませる6時間ダイエットなんて無理って方もいらっしゃることでしょう。
それならもう少し難易度の低い8時間ダイエットはいかがでしょうか。
8時間に制限するだけでも十分効果はありそうですよ。
米国・イリノイ大学シカゴ校のKelseyらは肥満成人を対象に8時間ダイエットの影響について調査を行いました。*2
研究は平均BMI35の肥満者23人を対象に10時から18時間の8時間は自由に食事をしてもらいました。
ただし、残りの16時間は水かノンカロリーの飲み物だけを飲んでもらうという生活を12週間続けてもらいました。
8時間ダイエットを12週間続けた結果、
- 摂取カロリーが平均で約350kcal減った
- 体重が3%減った
という結果が見られました。
食べても良い時間を8時間に制限することでダイエットできるということですね。
6時間ダイエットに比べると8時間ダイエットであれば随分難易度は低くなるのではないでしょうか。
この実験の参加者はBMI35というのはかなりの肥満体型の方々です。
160cmの人であれば体重89.6kgです。
体脂肪率はダイエット開始前の時点で44%というありさまです。
そんな体型になるような自堕落な生活をしている人の意志の弱さは想像できるでしょう。
当然自分に対して甘々です。
ダイエット関係の研究ってたくさん行われているんですが、その実験期間中に結構な人数がリタイアしてしまいます。
怪我や病気でのリタイアは仕方ありませんが、辛いから途中で止めるというのがほとんどです。
ところが、この8時間ダイエットは違います。
8時間ダイエットのリタイア数は比較的少なく6名、うち2人は薬の影響で中止という形なので、辛くて脱落したのは実質4名で済んでいます。
完遂率83%です。
ダイエットの効果としては12週間で3%程度の減少なので大きいとは言えませんが、やはり大切なのはダイエットを継続することです。
何の我慢もせずにラクラクダイエットなんて方法はありませんが、続けやすいダイエットを行うというのは大切なことです。
この8時間ダイエットであれば他のダイエットよりも比較的難易度が低くて続けやすいでしょう。
6時間ダイエットはさすがに辛いって方は、8時間ダイエットを試してみても良いのではないでしょうか。
朝食と夕食の食べる時間を90分変えると痩せる
6時間ダイエット、8時間ダイエットと紹介しましたが、さらに少し難易度の低いこの方法はいかがでしょうか。
英国・サリー大学の研究グループは時間制限食(プチ断食の一種)による身体の変化について研究を行っています。*3
研究は、半年間体重の変動がほとんどなく(±2kg)持病のない男女13人(29~57歳)を対象に行われました。
実験内容は
- 朝食を90分遅くする&夕食を90分早くする
- いつもどおり食事をする
以上の2つのグループ分かれて10週間の体重等身体の変化について調査しています。
時間も何時から何時までという決め方ではなく、普段の朝食の時間を90分遅らせ、夕食の時間を90分早めるという方法です。
普段7時に朝食を食べている人は8時半に、20時に夕食を食べている人は18時半に変えるという具合です。
さて、10週間の実験の結果、朝食を90分遅く&夕食を90分早くしたグループは体脂肪率が平均で1.9%減少していました。
いつもどおり食事をしたグループの2倍以上の体脂肪が減ったということです。
朝食を90分遅く、夕食を90分早くすることでダイエットが促進されるといううことですね。
6時間ダイエット、8時間ダイエットは難しいって方でもこの方法なら出来るって方はいらっしゃるのではないでしょうか。
アンケート調査を行ったところ、朝食を90分遅く&夕食を90分早くしたグループは難易度が10段階中7と評価しました。
多少難しいけどめちゃくちゃ難しくはないといった感じでしょう。
さらに参加者の43%はこのダイエットなら続けられるかもってことなので、時間的にある程度自由の効く人にとっては取り入れやすいダイエットと言えそうです。
時間がネックなのでそれが問題なければ良いのではないでしょうか。
サラリーマンなど出勤時間や退勤時間が決まっている人は朝食や夕食を90分ずらすのは難しいかもしれませんが、自営業の方や主婦の方であれば食事時間の融通は効くでしょう。
そんな方にとっては朝食と夕食を90分ズラすというダイエット方法は簡単に取り入れられる方法と言えるのではないでしょうか。
食べる時間に気をつければダイエットできる
3つのダイエット方法を紹介しましたが、いずれも食事の時間を制限するという方法です。
中でも一番効果が高かったのは6時間ダイエットです。
1日の食事を6時間の間に済ませ、残りの18時間は何も食べないという方法ですね。
空腹時間を作ることでダイエットは促進されるようです。
頑張れる方は6時間ダイエットに挑戦してみてください。
ただ、やっぱり難易度が高くて続けにくいのがネックです。
そんな場合は8時間ダイエットや朝食と夕食を90分ズラすダイエットを取り入れてみてもいいでしょう。
これらのダイエットなら比較的難易度は低くなるので、多くの人が続けられるのではないでしょうか。
また、普段は8時間ダイエットを行い、週末だけ6時間ダイエットを取り入れるといった組み合わせもできそうです。
時間制限ダイエットは効果的なダイエットです。
ただ、ダイエットは継続することが大切です。
あなたが続けやすいように工夫して取り入れてみてはいかがでしょうか。
きっと数ヶ月後にはあなたの身体は変化していますよ。
参考文献
*1:Eating Dinner Early, or Skipping It, May Be Effective in Fighting Body Fat - The Obesity Society
*2:Effects of 8-hour time restricted feeding on body weight and metabolic disease risk factors in obese adults: A pilot study - IOS Press
*3:A pilot feasibility study exploring the effects of a moderate time-restricted feeding intervention on energy intake, adiposity and metabolic physiology in free-living human subjects