健康

ココナッツオイルが純粋な毒というのは嘘!安全性と効果について

近年流行しているココナッツオイル。

健康効果やダイエット効果が期待できるということで人気を集めています。

日本だけでなく世界中で流行っているようなんですが、少し前に非常に気になる記事が発表されました。

ココナッツオイルは純粋な毒だとハーバード大学の教授が発言したわけですね。

 

ハーバード大学という名門大学の教授が発言したということもあって、なんとなくココナッツオイルは危ないんじゃないかと思ってしまいます。

ということで、今回はココナッツオイルは毒なのかどうかについて見ていきましょう。

 

ココナッツオイルが毒である理由

教授がココナッツオイルが毒だと言い切る理由のひとつに、飽和脂肪酸の割合が多いということが挙げられます。

飽和脂肪酸は肉などに多く含まれる脂肪酸のことで、摂りすぎると心筋梗塞のリスクが高まるなど身体に悪いとされています。

  • 2016年にWHOが発表した飽和脂肪酸に関するまとめ研究によると、飽和脂肪酸を大量に摂ると心血管疾患のリスクが上昇するとのこと。*1
  • 2013年に国立がん研究センターが発表した飽和脂肪酸に関する研究によると、飽和脂肪酸の摂取量が多いと心筋梗塞のリスクが高まるとのこと。*2
  • 2017年に米国心臓協会が発表した研究によると、ココナッツオイルは心疾患のリスクを上げるとのこと。*3

といった感じでココナッツオイル(飽和脂肪酸)は身体、特に心臓の健康に悪いという報告があがっています。

そいういうこともあり、先述の「ココナッツオイルは毒」発言に繋がったのかと思われます。

 

あとは、インパクトのあることを言った方が話題になるのでそれを狙った可能性もあるでしょうか。

目立ちたいというわけではなく、話題になることで何も考えずにココナッツオイルを摂っていた人に考える機会を与えることができるという意味での発言かもしれません。

実際多くの記事でこの話題は取り上げられましたし、ココナッツオイルは毒だと聞いて考えさせられた人は多いかと思います。

 

 

さて、今回の問題はココナッツオイルは毒なのかどうかというところでしょう。

ココナッツオイルは安全ですよーと個人的な意見を述べるだけでは何の信憑性もありません。

できるだけ客観的な情報を提供するということで、ココナッツオイルに関する研究を見ていきましょう。

ココナッツオイルが安全かどうかの参考になれば幸いです。

 

ココナッツオイルで炎症が低減するかも

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2017年にインドでココナッツオイルを摂取することによる身体への影響について研究が行われました。*4

研究は、実験参加者58人を

  • 100gのココナッツオイルを毎日摂る
  • 100gのピーナッツオイルを毎日摂る

以上の2つのグループに分けて90日間続けてもらいました。

 

結果

90日間の実験の結果、

  • ココナッツオイルを摂るとLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)とHDL-コレステロール(善玉コレステロール)の両方が増加しました。
  • ピーナッツオイルを摂るとHDLコレステロールと総コレステロールが減少しました。
  • どちらのグループも赤血球膜の脂肪酸に影響しなかった。
  • ココナッツオイルの摂取はジホモガンマリノレン酸の量が増加した

という結果が見られました。

 

ココナッツオイルでジホモガンマリノレン酸が増加

ココナッツオイルで多少血中のコレステロール値に変化が出たようです。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えるということが気になる方もいるかもしれません。

 

ただ、今回はココナッツオイルを1日100gも摂るという強引な研究なのでそれほど気にする必要はないでしょう。

LDLコレステロールが増えるのと同時にHDLコレステロール(善玉)コレステロールも増えているので問題ないでしょう。

 

それよりも、ジホモガンマリノレン酸が増えたというのは注目したいところ。

ジホモガンマリノレン酸は身体の炎症を抑えてくれる脂肪酸の一種です。

 

本来身体の中でリノール酸という脂肪酸から作られるわけなんですが、現代人の食生活ではその変換が上手くできなくなり、ジホモガンマリノレン酸が不足しがちです。

近年、リノール酸がアレルギーや炎症を引き起こしていると言われる理由は、この変換が上手くいかなくなることでリノール酸が無駄に多い状態になることが理由です。

そのジホモガンマリノレン酸が増えたということはリノール酸からの変換が行われやすくなったと言えそうです。

 

リノール酸がうまく変換できるようになれば炎症やアレルギーも減るかもしれません。

そうなれば花粉症なんかも楽になるかもしれませんね。

 

また、慢性的な炎症が身体に起きていれば健康を害する原因になります。

炎症を抑えることができれば健康に関するリスクを下げることに繋がるので、ジホモガンマリノレン酸が増えるココナッツオイルは毒ではなく健康に良いと言えるかもしれません。

 

ココナッツオイルの安全性に関する研究

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ココナッツオイルが毒と言われていて、その原因が飽和脂肪酸であることをお話しましたが、実際問題はどうなのでしょう。

ということで、2016年にインドでココナッツオイルの安全性について研究が行われました。*5

 

研究は、冠動脈疾患の既往歴のある患者200人を

  • ココナッツオイルを毎日使う
  • ひまわりオイルを毎日使う

という2つのグループに分け、2年間続けてもらいました。

 

結果:差はなし

2年間ココナッツオイルもしくはひまわりオイルを摂り続けたところ、心血管疾患に関するリスクは両グループに差は見られませんでした。

 

ココナッツオイルは身体に悪くない

飽和脂肪酸がいっぱい含まれたココナッツオイルを毎日摂ると健康に悪いように思えますが、2年間の研究では心血管疾患のリスクに影響はなかったということです。

ココナッツオイルを摂ったら心血管疾患が減るというわけではありませんが、心血管疾患が増えるというわけでもなさそうです。

 

ココナッツオイルは良くも悪くもないと言えるかもしれません。

少なくとも、ココナッツオイルは毒と言い切ることはできないでしょう。

 

ちなみに南の島に住む人達はココナッツ食べまくりの生活をしていますが、心血管疾患に影響がなかったという報告もあります。

  • 1981年にはポリネシア人の食生活と健康を調べた結果、摂取カロリーの60%をココナッツから摂っていたにもかかわらず心血管疾患の発症が低かった*6
  • 1993年にはメラネシア人の食生活と脳卒中・虚血性心疾患を調べた結果、脳卒中や虚血性心疾患が非常に少なかった*7
  • 1980年ごろのトケラウ島人がニュージランドへの移住に伴う食生活の変化と健康状態を調べたところ、ココナッツの摂取量が減少するとともに、糖尿病、痛風、高血圧などのリスクが高くなりました。*8 *9 *10

といった報告もあり、論文には「脳卒中および虚血性心疾患はこの集団には存在しないようである」 と書かれるくらいリスクが低かったようです。

 

もちろん、南の島に住む人達と我々日本人とでは食生活も人種も違うのでそのまま当てはまるとは言えません。

ただ、ココナッツオイルは純粋な毒であるとは言い切れないことは確かでしょう。

 

 ココナッツオイルのダイエット効果

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ココナッツオイルを摂っているのは健康のためではなくダイエットのためという方も多いことでしょう。

まあ肥満になると健康に様々な悪影響を及ぼすのでダイエットすることで結果的に健康になったりするわけですけどね。

 

では、ココナッツオイルを摂ることによるダイエット効果はどうなのでしょうか?

2018年にブラジルでココナッツオイルが体重にどのような影響を及ぼすのか研究が行われました。*11

 

研究は肥満女性75人を

  • ココナッツオイルを毎日摂るグループ
  • サフラワーオイルを毎日摂るグループ
  • チアオイルを毎日摂るグループ
  • 大豆オイルを毎日摂るグループ

以上の4つのグループに分け、500kcalマイナスのダイエット食を8週間続けてもらいました。

また、運動も週に4回50分以上のウォーキングを行ってもらいました。

 

結果:ココナッツオイルでダイエット効果増大

8週間のダイエットの結果、体重の変化は

  • ココナッツオイル:8.54kg減少
  • サフラワーオイル:7.19kg減少
  • チアオイル:6.54kg減少
  • 大豆オイル:5.00kg減少

以上のような結果となりました。

 

また、5%以上体重を落とすことができた女性の割合は

  • ココナッツオイル:94.4%
  • サフラワーオイル:89.5%
  • チアオイル:89.5%
  • 大豆オイル:47.4%

という結果です。

 

さらに10%以上体重を落とすことができた女性の割合においては

  • ココナッツオイル:22.2%
  • サフラワーオイル:5.3%
  • チアオイル:0%
  • 大豆オイル:0%

といった結果となりました。

 

 

ココナッツオイルを摂るとダイエット効果が高まるという結果でした。

もちろん摂取カロリーはどのグループも有意差なしということでしたので、単純にココナッツオイルを摂ることでダイエット効果が高まったと言えるでしょう。

 

ココナッツオイルをダイエットのために摂っているという方は多いかと思います。

この研究から見ればやはりダイエットには有効と言えるかもしれません。

 

もちろん注意は必要です。

飲むだけで痩せるというわけではなく、あくまでダイエット効果を高めるだけです。

摂取カロリーを制限、消費カロリーを増やす状態を作りつつココナッツオイルを摂るとダイエットが捗るということなので、間違えないようにしましょう。

 

ココナッツオイルの効果その他もろもろ

ココナッツオイル(中鎖脂肪酸)に効果に関する研究は他にもありますが、若干怪しいものもあるので適当に並べておきます。

  • 1999年に行われた研究によると、中鎖脂肪酸を摂ることで代謝が高まったとのこと。*12
  • 2004年に行われた研究によると、ココナッツオイルを肌に塗ると肌の水分と油分が改善した。*13
  • 2008年に行われた研究によると、ココナッツオイルを肌に塗るとアトピー性皮膚炎が軽減した。*14
  • 2007年に行われた研究によると、中鎖脂肪酸を摂ることでインスリンの抵抗性・コレステロール値が改善、体重が減少した。*15

といった効果も報告されています。

このあたりに関しては効果があると良いなー程度に見ておくと良いでしょう。

 

まとめ:ココナッツオイルは毒ではない

  • ココナッツオイルは毒ではない
  • ココナッツオイルはダイエット効果を高める

といった感じです。

美容や健康に良いかどうかはまだまだ研究の数が少ないのではっきりと言えませんが、「ココナッツオイルは純粋な毒」でないことは確かでしょう。

 

ただ、暴飲暴食状態にココナッツオイルを追加すれば単純にカロリー過多によって太ることに加え、飽和脂肪酸が多いことから心血管疾患のリスク増大に繋がる可能性は考えられます。

ちゃんと食事の制限をしつつココナッツオイルを使うのは有効ではないでしょうか。

 

ということでココナッツオイルは毒ではないということでした。

むしろ健康効果も期待できるということで、興味のある方はココナッツオイルを試してみてはいかがでしょうか。

参考文献

*1:WHO | Effects of saturated fatty acids on serum lipids and lipoproteins: a systematic review and regression analysis

*2:飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ

*3:Dietary Fats and Cardiovascular Disease: A Presidential Advisory From the American Heart Association. – PubMed – NCBI

*4:Effect of a Diet Enriched with Fresh Coconut Saturated Fats on Plasma Lipids and Erythrocyte Fatty Acid Composition in Normal Adults. – PubMed – NCBI

*5:A randomized study of coconut oil versus sunflower oil on cardiovascular risk factors in patients with stable coronary heart disease. – PubMed – NCBI

*6:Cholesterol, coconuts, and diet on Polynesian atolls: a natural experiment: the Pukapuka and Tokelau island studies. – PubMed – NCBI

*7:Apparent absence of stroke and ischaemic heart disease in a traditional Melanesian island: a clinical study in Kitava. – PubMed – NCBI

*8:The Tokelau island migrant study: prevalence and incidence of diabetes mellitus. – PubMed – NCBI

*9:Migration and gout: the Tokelau Island migrant study. – PubMed – NCBI

*10:Longitudinal analysis of the relationship between blood pressure and migration: the Tokelau Island Migrant Study. – PubMed – NCBI

*11:Supplementation-Dependent Effects of Vegetable Oils with Varying Fatty Acid Compositions on Anthropometric and Biochemical Parameters in Obese Women. – PubMed – NCBI

*12:Enhanced postprandial energy expenditure with medium-chain fatty acid feeding is attenuated after 14 d in premenopausal women. – PubMed – NCBI

*13:A randomized double-blind controlled trial comparing extra virgin coconut oil with mineral oil as a moisturizer for mild to moderate xerosis. – PubMed – NCBI

*14:Novel antibacterial and emollient effects of coconut and virgin olive oils in adult atopic dermatitis. – PubMed – NCBI

*15:Effects of dietary medium-chain triglyceride on weight loss and insulin sensitivity in a group of moderately overweight free-living type 2 diabetic… – PubMed – NCBI

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