こんにちは。
奈良のパーソナルトレーナー下司です。
たんぱく質が大切な栄養素ってことはみなさんご存知ですよね。
私も指導中は最低でも体重1kgあたり1gのたんぱく質を摂りましょうって案内しています。
また世間でもたんぱく質が大切であると広まりつつあり、スーパーやコンビニでプロテインドリンク・サラダチキンなどの高たんぱく質の食べ物が手軽に手に入ります。
最近見かけたのはチョコレート菓子であるブラックサンダーでたんぱく質5g(だったかな?)含まれているという物まで見かけました。
たんぱく質をしっかりと摂る大切さが広まってきてますね。
ただ、
そんな不安を感じる方も少なくはないでしょう。
ネットで調べたりすると
「タンパク質の摂り過ぎは身体に悪い」
みたいに書かれた情報もあり、心配になる気持ちはわかります。
ただ安心してください。
かなり多くのタンパク質を長期間摂っても健康や体脂肪に悪影響を及ぼすことはないようです。
大量にたんぱく質を摂ると健康に悪いのか?
たんぱく質の摂り過ぎは身体に悪いのか?
この疑問に対し、2016年に米国ノバサウスウェスタン大学のアントニオらの研究グループが、大量のたんぱく質を摂る食事を1年間続けた場合の健康状態に関して調査を行いました。*1
対象となったのは、筋トレ経験のある男性14人(平均26.3歳、平均身長178.5cm)
以上のような食生活をしてもらい、健康に問題がないか定期的に身体の検査を行いました。
1年間の実験の結果、血中脂質や肝臓、腎臓の機能に悪い影響は見られなかったとのこと。
また、たんぱく質を増やした分だけ摂取カロリーが増えた(約400kcal増)にもかかわらず、体脂肪の増加は見られなかったとのこと。
タンパク質をたくさん摂っても身体に悪影響はない
筋トレ好きの方を対象とした実験なので、普段の食事でもたんぱく質摂取量は多めとなっていますが、さらに増やしたらどうなるかって実験ですね。
結果は上記の通り、たんぱく質を摂り過ぎても健康に悪影響なしってことですね。
よくプロテインを飲みすぎると腎臓とか肝臓に悪いなんて言う方もいてますが、たくさん飲んでも問題はなさそうです。
さらにタンパク質を増やしたらどうなるかはわかりませんが、一般人がプロテインを2~3杯飲んでも今回の実験の量に届きません。
今回の実験で摂取したたんぱく質量ってちょっと多いどころではなくかなり多めに摂っています。
一般的な食事をしているならプロテインを6杯くらい飲んでようやく今回の実験の量である体重1kgあたり3gに届くといったところです。
よって、常識的な量で考えれば何も問題はないと言えるでしょう。
また、たんぱく質を増やした分、摂取カロリーもだいたい400kcal増えているわけですが、体脂肪が増えることもなかったとのこと。
普通なら摂取カロリーが増えれば太りそうなものですが、タンパク質量を増やしても体脂肪の増加には繋がらないようです。
たんぱく質って食べても消化吸収のために意外とエネルギーが使われます。
他の三大栄養素である糖質や脂質よりも多くのエネルギーが使われます。
そのため、たんぱく質を多少増やしたところで太ることはないわけなんですが、多少どころかかなり増やしても体重に対する影響はないようです。
プロテインを飲んだら太るというのは間違いと言えるでしょう。
高たんぱく食の注意点
ただ、今回の実験では普通に筋トレを行いながらタンパク質の摂取量を増やしています。
何も運動せずにプロテインばかりがぶ飲みしていたら普通に太る可能性がありますので気をつけましょう。
また、今回の実験の対象者は筋トレをしている若い男性です。
筋トレをしている若い男性であればたんぱく質を1日に体重1kgあたり3g程度摂っても問題はなさそうですが、女性や高齢者の場合はわかりません。
まあ健康のために筋トレをしているという一般人が普通の食事とプロテインを多少飲んだところで体重1kgあたり3gを超える状態が長期間も続くとは考えられませんが、一応気をつけておきましょう。
ちなみに最近の研究によると筋肉をつけるためには体重1kgあたり1.62gのたんぱく質がベストであるという報告もあります。
多少余裕を見て多めに摂ったとしても体重1kgあたり2g程度でしょう。
これくらいの量なら健康に問題はないでしょうし、筋肉も付きやすくなります。
運動をして筋肉をつけたいけど、プロテインをたくさん摂ると身体が心配って方は、1日に体重1kgあたり2gのたんぱく質を目安にしておけば問題ないでしょう。
プロテインを摂ると骨が脆くなる?
たんぱく質を摂り過ぎても肝臓・腎臓・血液には悪影響がないということがわかりました。
これら以外にたんぱく質の摂り過ぎによる問題として時々取り上げられることとして、
「たんぱく質を摂り過ぎるとと骨が脆くなる」
という意見もあります。
本当にたんぱく質を摂り過ぎると骨が脆くなってしまうのでしょうか?
その疑問に対して、米国・ノバサウスイースタン大学などの研究者らが高タンパク質食と骨強度の関係について調査を行っています。*2
実験は普段から筋トレをしている平均年齢30代半ばの女性24人を対象に実施。
参加者を
- 普通の食事をするグループ
- 高たんぱく質の食事をするグループ
以上の2つのグループに分けてそれぞれの食生活を6ヶ月間続けてもらい、骨に対する影響について調べました。
高たんぱく質の食事をするグループは1日に体重1kgあたり最低でも2.2g以上のたんぱく質を摂ってもらっています。
結果
6ヶ月の実験前後に両方のグループの背骨の骨密度を測定した結果、どちらのグループも
骨密度に変化はなし
という結果となりました。
6か月間たんぱく質をたくさん摂ったとしても骨が脆くなることはないということですね。
また、体脂肪の変化についても比較したところ、どちらのグループも
体脂肪量に変化なし
という結果が見られました。
ということで、たんぱく質を摂り過ぎると骨が脆くなることはないというわけですね。
もちろん今回の実験以上に体調のたんぱく質をもっと長期間に渡って摂り続ければ違う結果が出るかもしれませんが、ちょっと現実的ではありません。
よっぽど極端なことをしない限りは気にする必要はないでしょう。
たんぱく質の摂り過ぎ まとめ
- 健康に悪影響なし
- 体重・体脂肪に悪影響なし
- 骨に悪影響なし
ということがわかりました。
もっと大量のたんぱく質を長期的に摂れば悪影響もあるかもしれませんが、毎日プロテインを1~2杯飲む程度であれば何も気にする必要はありません。
むしろ、プロテインを飲むことによる筋肉の増加や代謝アップといったメリットの方が大きいでしょう。
というわけで、
たんぱく質の摂り過ぎは身体に悪いという説は間違いである!
ということになります。
むしろほとんどの方はたんぱく質の摂り過ぎよりも不足に気をつけた方が良いかと思います。
身体に悪影響はありませんので、ぜひ積極的にたんぱく質を摂るように意識してみてください。