睡眠不足はお肌の天敵なんて言葉がありますが、睡眠不足はお肌にだけ影響を及ぼすのではありません。
ダイエットのためにも睡眠はとても大切です。
実は睡眠時間と体重は関係しており、睡眠不足だとダイエットは滞りやすくなってしまいます。
今回はそんな睡眠と体重の関係についてご紹介します。
ダイエットをする上で睡眠がいかに大切か知っていただければ幸いです。
睡眠時間が短いと太る
睡眠時間が短いことで有名な日本人。
ただ、日本人に限らず世界中多くの国で睡眠時間が短くなる傾向が見られており、過去10年間で約37分短くなっているという報告もあります。*1
睡眠というのは人間が生きる上で非常に大切な要素のひとつであり、睡眠不足が続くことで健康に様々な悪影響を及ぼす可能性が懸念されます。
ということで、英国・リーズ大学の研究者らが睡眠時間の短さと体重などの健康状態の関係について研究を行っています。*2
研究は19~65歳のイギリス人(イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ)1,625人を対象に睡眠時間や食生活、体重などの健康状態の調査を行いました。
調査の結果、睡眠時間とBMIおよびウエスト周囲径に相関関係が見られたとのことです。
睡眠時間が短いほど体重や腹囲が大きくなるってことですね。
逆に睡眠時間の長い人の方が痩せているという結果が見られました。
睡眠時間が1時間伸びるごとに
- BMIが0.46減少
- ウェスト周囲径が0.9cm減少
という差に繋がるようです。
とりあえず、睡眠時間が短いほど太りやすく、睡眠時間が長いほど痩せやすいということです。
この研究では具体的にどれくらい眠ると良いのかまでは分かりませんが、少なくとも睡眠不足がダイエットの大敵であるのは間違いないでしょう。
ダイエットのためには夜更かしせずに早く寝た方が良いということです。
夜遅くまでテレビを見たりスマホをいじったりするのではなく、できるだけ早めに寝るようにすると良いでしょう。
睡眠時間は長いよりも短い方が体重に悪影響
睡眠不足で太りやすくなることがわかりましたが、寝てばかりいても太りそうな気がしますよね。
そこで天津医科大学の研究者らは睡眠不足だけでなく睡眠過多と体重増加、肥満の関係について調べています。*3
睡眠時間が長すぎると太りやすくなるのか調べたわけですね。
睡眠時間の基準として睡眠不足を6時間未満、睡眠過多を8時間以上として調査が行われました。
その結果、体重増加に関しては睡眠不足、睡眠過多どちらもリスクが高くなり、
- 睡眠不足:1.26倍
- 睡眠過多:1.12倍
という結果になっています。
睡眠不足だと体重が増えやすくなるのは先述の研究どおりです。
やっぱり睡眠不足は体重が増えやすいと言えるでしょう。
また、この研究によると睡眠時間8時間以上の寝すぎも体重の増加につながるとのこと。
睡眠不足に比べるとマシではありますが、あまり寝すぎるのもダイエットに悪影響を及ぼすようです。
ただ、体重が増えやすいかどうかという問題なだけであって、肥満と診断されるまで太ってしまうかはまた別です。
肥満のリスクに関しては
- 睡眠不足:1.35倍
- 睡眠過多:関連無し
という結果になっています。
睡眠時間が長いとちょっと太りやすくはなるものの、肥満になることはないという感じですね。
逆に睡眠時間が短いと物凄く太りやすくなるって感じです。
この研究では睡眠不足を6時間未満と定義していますが、もっと睡眠時間が短くなることでさらに太りやすくなる可能性が考えられます。
12時過ぎに寝て6時に起きる生活なんかだと既にアウトです。
深夜1時や2時に寝るような生活をしていたら間違いなく睡眠不足になっているでしょう。
ダイエットのためには睡眠不足は避けたいところ。
ダイエットのためには出来るだけ早く布団に入りましょう。
長い目で見てもやっぱり睡眠不足は太る原因
睡眠と肥満に関する研究の多くは横断研究です。
その時点で普段の睡眠時間と体格を調べたところ、普段の睡眠時間の短い人は太っている人が多いといった感じの研究のことを横断研究と言います。
多くの人のデータを集めることができるものの、信憑性としてはやや欠けてしまうのが残念なところ。
ということで、オーストラリア・クイーンズ大学の研究者らは睡眠時間と肥満に関して横断研究ではなく縦断研究で調査された内容をまとめました。*4
縦断研究というのは1回だけの調査ではなく何度も調査を行う研究です。
今日から調査を始めて、調査期間が終わるまでに何度も調査を行うといった感じの研究で、長期的な変化を調べることができます。
何度も調査を行うので、ずっと睡眠時間が短い人の体型はどう変わっていったのか、ある時期から睡眠時間が短くなった人の体重はどう変わったのかといった変化を調べることができます。
この研究はそんな睡眠と体重の関係について調べた縦断研究のデータだけをまとめています。
研究は2014年5月までに発表された睡眠と体重の関係に関する研究22件のデータを分析。
データを分析したところ、睡眠時間が短いほど体重が重く、睡眠時間が長いほど体重が軽いという関係が見られました。
普段から睡眠時間が短い人は普段から睡眠時間が長い人に比べて肥満リスクが2.15倍であることがわかりました。
慢性的に睡眠不足の人は太りやすいということですね。
肥満リスクが2倍以上にもなるということで、睡眠不足は間違いなくダイエットの大敵であると言えるでしょう。
ダイエットのためには生活習慣を改めることが重要です。
睡眠も生活習慣のひとつです。
スマホやテレビを見て夜遅くまで起きているという生活習慣を改善することがダイエットの第一歩と言えるでしょう。
睡眠時間の短い子供は肥満リスクが高い
最近は子供の睡眠不足が増えているそうです。
夜遅くまで勉強しているというわけではなく、夜遅くまでLINEなどで友達とやりとりをしていたらいつの間にか遅い時間になってしまったりするようです。
さて、そんな子供の睡眠不足に関してですが、子供の場合も睡眠時間と体重には関係があるのでしょうか。
ということで、英国・ウォーリック大学の研究者らは、幼児・小児・青年の睡眠時間と肥満の関係について調べた研究を見てみましょう。*5
研究は過去に行われた42件の研究データをまとめて分析しています。
子供の睡眠時間と体重の関係に関する大量のデータを分析したところ、子供の場合も睡眠時間が短くなることで太りやすくなることがわかりました。
睡眠不足になることで肥満のリスクが
- 乳幼児:1.4倍
- 小学生:1.57倍
- 中学生:2.23倍
- 青年:1.3倍
と軒並み高くなることがわかりました。
また、逆に睡眠時間が長くなることで体重が軽くなることもわかりました。
下手をしたら大人よりも子供の方が睡眠不足で体重が増えやすいと言えるかもしれません。
このブログを見ている人の中にはお子さんがいらっしゃる方も多いことでしょう。
お子さんの体型が気になるのであれば早く寝させることが大切です。
中学・高校生くらいの娘さんがいれば体重を気にしてダイエットしたいって言ってくることもあるでしょう。
「ダイエットしたい~」
「脚細くしたい~」
なんて内容を夜遅くにTwitterでつぶやいたり、友達とLINEでやり取りをしてたりします。
そんなお子さんには友達とLINEなんかしてないでさっさと寝た方がダイエットもできて脚も細くなるって教えてあげましょう。
しっかり寝れば痩せやすくなりますし、授業中も眠たくなりにくくなって成績もアップするという一石二鳥効果です。
うちの子も必ず21時には寝かせるようにしています。
といっても昼寝とかしてしまうとなかなか寝てくれなかったりするわけなんですが…。
睡眠不足はダイエットの大敵 睡眠改善のポイントは?
大人、子供にかかわらず
睡眠不足はダイエットの大敵ということですね。
録画したドラマやYouTube動画を夜遅くに見てる場合ではありません。
夜更かしすればするほどダイエットできなくなると覚えておきましょう。
眠活ダイエットなんて言葉もありますが、しっかりと睡眠を取ることがダイエットの第一歩です。
しっかりと睡眠を取るためには
- 朝から昼にしっかりと日光を浴びる
- 普段から程度に運動を行う
- 夕方以降はカフェインを摂らない
- 寝る3時間前からはブルーライトをカットする
- 寝室はできるだけ換気をした状態にしておく
- 布団に入ったらスマホを触らない
といったことを意識すれば体内時計も整い、しっかりとした睡眠を取ることができるのではないでしょうか。
ダイエットしたいという方はご自身の睡眠を見直してみてはいかがでしょうか。
参考文献
*1:Social jetlag and obesity. - PubMed - NCBI
*2:Longer sleep is associated with lower BMI and favorable metabolic profiles in UK adults: Findings from the National Diet and Nutrition Survey
*3:[Meta-analysis of prospective cohort studies about sleep duration and risk of weight gain and obesity in adults]. - PubMed - NCBI
*4:Longitudinal impact of sleep on overweight and obesity in children and adolescents: a systematic review and bias-adjusted meta-analysis. - PubMed - NCBI
*5:Sleep duration and incidence of obesity in infants, children, and adolescents: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. - PubMed - NCBI