健康に良いって食べ物があったり、健康に悪いって食べ物があったりしますよね。
度々テレビで
「●●を食べると健康になる!」
「実は●●は身体に悪かった!」
みたいな内容が紹介されたりしています。
ただ、何の根拠もなかったり、一つの研究データだけを取り上げて良い悪いを決めてしまっていることも少なくありません。
エビデンスがなかったり、弱かったりするわけです。
ということで、今回は最新の健康に良い食べ物・健康に悪い食べ物に関する研究を紹介しましょう。
健康に良い食べ物・悪い食べ物は?
英国・キール大学の研究者らが、様々な食品の健康効果に関してまとめています。*1
研究は過去に発表された食べ物と死亡リスクに関するまとめた論文をさらにまとめて分析するという方法。
メタ分析っていうエビデンス十分な研究方法です。
食品と死亡リスクの関係を調べた16件の研究と、食品と心血管疾患の関係を調べた17件の研究データをまとめて分析しています。
主に食べ物と心臓や血管の病気の関係を調べた研究なわけですね。
さて、研究の結果を見てみましょう。
結果に関しては摂取量が最も少ない人たちに比べて摂取量が最も多い人たちがどうであったかを調べています。
炭水化物の摂取量が多いと総死亡リスクが低い。
- 全粒粉パン:15%減
- 朝食用シリアル:12%減
- オーツ麦・オートミール:12%減
この研究では炭水化物の摂取量が多いと総死亡リスクが低くなるとのこと。
正確には炭水化物というよりも全粒穀物ですね。
全粒粉とかオートミールとかですから。
日本でよく食べる物であれば、玄米とかも対象になるかと思われます。
無料で読める範囲には書かれていなかったのですが、白ごはん・白いパン・白砂糖などの摂取量が増えれば恐らく死亡リスクは高まってしまうでしょう。
これらは吸収が早いので血糖値が急激に上昇してしまいます。
血糖値の急激な上昇が繰り返されると血管にダメージが加わり、血管に関係する病気のリスクが高まってしまいます。
対する全粒穀物は食物繊維が多く含まれており、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
また、食物繊維は脂肪の吸収を抑える効果も期待でき、ダイエット効果にもつながると考えられます。
肥満が万病の元になることは周知の事実でしょう。
全粒穀物を摂ることでその肥満を予防することができれば死亡リスクが低下 ≒ 健康になれると言えるでしょう。
魚は少しだけ健康に良い?
- 魚の摂取量と死亡リスクは弱い関係しか見られなかった。(2%減)
魚をたくさん食べる人はほとんど食べない人と比べると死亡リスクが若干(2%)だけ低下するとのこと。
個人的には今回の発表で一番気になったところです。
魚の健康効果に関してはもっと期待できると考えられるからです。
まず、日本ほど魚を食べている国というのも少ないでしょう。
北欧などでは魚をよく食べるようですが、それ以外の国でそこまで食べているというイメージはありません。
そのため魚をほとんど食べない人とよく食べる人との差はそこまで大きくないことが考えられます。
また、青魚・白身魚など魚の種類による違いも知りたかったですね。
やっぱり青魚は健康に良いですからね。
青魚を食べる国が少なくてデータがまだまだ少ないのかもしれません。
まあ少なくとも魚をしっかり食べれば若干とは言えほぼ確実に死亡リスクが低下するわけなので、たくさん食べるほうが良いでしょう。
魚に含まれるEPAは炎症を抑えたり免疫を高めたりといった効果が期待できるので、それによって死亡リスクが減少するのかと思われます。
特に青魚にはEPAが多く含まれているので効果は高いはずです。
青魚であればたくさん食べてマイナスになることは少ないでしょうから、日本人は意識的にしっかり青魚を食べるようにしましょう。
流行りのサバ缶なんかでもEPAはしっかり含まれているのでOKです。
加工肉は健康に悪い
- 加工肉の摂取量が多いと死亡リスクが25%増加
ハム・ベーコン・ソーセージといった加工肉の摂取量が多いと死亡リスクが増加してしまうようです。
これに関しては予想通りでして、近年加工肉が健康に悪いっていうのはいろんな研究でも言われていますからね。
亜硝酸ナトリウムがガンのリスクを高めると言われたりしますよね。
ハム・ベーコン・ソーセージなどの加工肉は朝食に欠かせないって方もいらっしゃるかと思います。
簡単に調理できますし、美味しいですからね。
私も厚切りベーコン大好きです。
ただ、健康のためには毎日食べるというのは控えておくほうが良さそうです。
できればハムやベーコンではなく、普通のお肉を食べましょう。
野菜の摂取量が多いと死亡リスクは減少する。
- 根菜類:24%減
- 葉野菜・サラダ:22%減
- 加熱調理した野菜:11%減
- アブラナ科の野菜:10%減
野菜が健康に良いというのは周知の事実ですね。
糖質制限の流行で若干悪者にされている根菜類ですが、やはり健康に良いようです。
ゴボウなどの根菜類は積極的に食べましょう。
葉野菜も思った以上に健康効果が高いようです。
食事にサラダを一皿つけるというのは理にかなっているのでしょう。
近年健康効果が注目されているアブラナ科の野菜の効果が意外と低いという結果でした。
といっても今回は死亡リスクに関する研究ということなので、がん予防とかになるとアブラナ科に分があるかもしれません。
サラダにはブロッコリーを入れるようにしておけば良いでしょう。
最近は腸内環境が健康に大きく影響していることが知られています。
野菜に含まれる食物繊維によって腸内環境が整えられ、その結果として健康に役立つのでしょう。
野菜類は普段からしっかり摂るようにしましょう。
フルーツの缶詰はNG
- フルーツの缶詰の摂取量が多いと死亡リスクが増加する。(14%増)
フルーツの缶詰は健康に良くないとのこと。
私はフルーツの缶詰は年に1回食べるかどうかなので詳しくないのですが、シロップ漬けにしたものが多いですよね。
恐らく海外の缶詰も同様でしょう。
シロップも一緒に食べるって方が多いでしょうから、そのせいで死亡リスクが高まってしまうのでしょう。
ナッツ類は摂取量が多いほど死亡リスクが低下
厳密にはナッツ類でないピーナッツでも効果あり。
- ナッツ類:18%減
- ピーナッツ:23%減
という結果が見られました。
ナッツ類に関してもちょっぴり意外な結果でした。
ナッツ類が健康に良いのは良く知られていますよね。
それだけでなく、正確にはナッツ類ではないピーナッツが意外と健康に良いとのこと。
ピーナッツに含まれるビタミンEとか食物繊維が健康に役立つのかもしれません。
ただ、バターピーナッツ(通称バタピー)とかハニーローストピーナッツとかになるとカロリーやらが問題になるでしょうから、無塩の素煎り(素焼き)ピーナッツを食べる方が良いでしょう。
まとめ
今回の内容をまとめると
- 全粒穀物・魚・ナッツ類・野菜は長生きできる食べ物
- 加工肉・フルーツの缶詰は早死する食べ物
という感じですね。
加工肉やフルーツを一切食べないといった極端なことはしなくても構いませんが、多少意識して避けるようにすると良いでしょう。
逆に全粒穀物・魚・ナッツ類・野菜類は意識してしっかり摂るようにすると良いでしょう。
長生きできる食べ物と早死する食べ物をちょっとだけ意識してみてはいかがでしょうか。
長い目で見ると大きな差に繋がっているかもしれませんよ。