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エビデンスに基づいた筋トレ・ダイエット情報

ダイエット・心肺機能向上・アンチエイジングに効果的なHIITのまとめ

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この記事ではHIIT(High Intensity Interval Training)、日本語で高強度インターバルトレーニングと言われるトレーニングの効果についてまとめています。

短時間で効率良いトレーニングとしてHIITを取り入れたいけどエビデンスはあるのか不安な方の参考になれば幸いです。

  

HIITとは?

HIIT(High Intensity Interval Training)というのは最近耳にすることが増えたのでご存知の方も多いかと思いますが知らない方のために簡単にご紹介します。

ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニングというトレーニング方法です。

高強度インターバルトレーニングと言われたりもします。

 

簡単に言えば、「全力運動」と「軽い運動」を交互に繰り返す運動です。

「30秒ダッシュして60秒歩く」みたいな感じの運動ですね。

ポイントはほぼ全力運動と、軽い運動を繰り返すということですね。

 

ネットで調べるといろんなやり方が紹介されていますので、ぜひ一度グーグル先生に聞いてみてください。

 

ランニングなどの普通の有酸素運動に比べて短時間で済むにもかかわらずダイエットなどに効果的だということで今非常に注目されているトレーニングです。

また、ダイエットだけでなくアンチエイジングやパフォーマンス向上効果も期待できる画期的なトレーニングです。

 

今回はそんなHIITの凄い効果についてご紹介します。 

 

HIITは女性のお腹と太ももの脂肪が落ちやすい

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オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学医学部のTrappらの研究グループは、15週間のHIITが若い女性の体脂肪やインスリン抵抗性にどう影響を及ぼすのか調査しました。*1

 

対象となったのは平均BMIが23.2、平均年齢20.2歳の45人の女性。

45人を以下の3つのグループに分けました。

・HIITを行うグループ15人

・普通の有酸素運動を行うグループ15人

・何もしないグループ15人 

 

HIITを行うグループは固定式バイクを使用して

  • 8秒間全力運動
  • 12秒間ゆっくり運動
  • 最大で60回(トータル20分間)繰り返す
  • 週に3回の頻度で15週間

という内容で運動を行ってもらっています。

もちろんいきなり60回(20分)は無理なので、最初は15回(5分)からスタートして、体力が付くのに合わせて時間を伸ばしています。

 

一方、普通の有酸素運動のグループは、最大酸素摂取量の60%強度での有酸素運動を最大40分間行ってもらいました。

こちらも最初は10~20分からスタートして、徐々に時間を伸ばしていきました。

最大酸素摂取量の60%というのはまあ普通の有酸素運動の強度です。

 

 

さて、15週間トレーニングを行った総消費カロリーは

  • HIIT:9,919kcal
  • 普通の有酸素運動:8,676kcal

となりました。

1,000kcal以上差はありますが、統計的には有意差なしとのことです。

消費カロリーにはほとんど差がない状態で身体の変化はどうだったのでしょうか。

 

 

体脂肪に関しては以下の図のようになりました。

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  • HIIT:-2.5kg
  • 有酸素運動:変化なし

という結果です。

HIITの方が明らかに体脂肪が減少しています。

有酸素運動に関しては変化はなし、むしろ0.44kg体脂肪が増える(統計学的有意差はなし)という結果となりました。

 

 

また、内蔵脂肪に関しても以下の図のようになりました。

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  • HIIT:-0.15kg
  • 有酸素運動:変化なし

という結果です。

 

内臓脂肪に関してもHIITの方がより多く減少しているという結果となりました。

対する普通の有酸素運動は変化なし、むしろ0.1kgの増加(統計学的有意差はなし)です。

 

 

運動を行うことによる持久力の変化はどうだったのでしょうか?

有酸素能力(体力)はどちらのグループの改善しており、

  • HIITのグループは23.8%の改善
  • 普通の有酸素運動のグループは19.3%の改善

となりました。

数字的にはHIITの方が若干改善しているものの、統計学的有意差はなしということで、どちらも同じように体力が向上したと言えるでしょう。

 

 

それ以外で注目するべきところで言えば、

・HIITを行ったグループのみ空腹時のインスリンレベルの低下が見られた。

・HIITを行ったグループのみ、腕に比べて脚の脂肪が明らかに減った

という結果が見られたところでしょうか。

 

 

普通の有酸素運動に比べて下半身の脂肪が落ちやすいというのは女性にとって嬉しいところですね。

下半身の脂肪はなかなか落ちてくれないと悩む女性はHIITを行うと良いかもしれません。

  

ちなみにこの実験は平均年齢20.2歳の若い女性が対象となっています。

若い女性の体型の傾向として、下半身には脂肪がついているが腹部にはそれほど脂肪がついているわけではないということです。

俗に言う下半身太り状態です。

 

それにもかかわらずお腹の脂肪がよく落ちたというのは重要なポイントです。

やはりダイエットでお腹の脂肪を落としたいという方は多いことでしょう。

そんな方はHIITを行うことでお腹の脂肪を効率よく落とすことができるのではないでしょうか。

 

 最後の大きな違いは運動時間です。

HIITは最大20分、普通の有酸素運動は最大40分です。

HIITは普通の有酸素運動の約半分の時間にもかかわらず、上記のような結果となりました。

 

HIITであれば短時間で行うことができるので、忙しい方でも取り入れやすい運動と言えるのではないでしょうか。

 

糖尿病患者もHIITでお腹が凹んだ

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HIITで下半身やお腹の脂肪が落ちやすいと紹介しましたが、若い女性だったから効果があったのではないかと懸念されます。

というわけで、メタボ男性がHIITを行った場合の効果も見てみましょう。

 

米国・セントルイス大学病院のBoudouらは高齢の2型糖尿病患者を対象にHIITを行うという実験をしました。*2

 

トレーニング内容は

  • HIIT:85%強度で2分、50%強度で3分の運動を5回繰り返す
  • 通常の有酸素運動:75%強度で45分間

という内容の運動を週2回ペースで8週間行ってもらっています。

  

8週間のトレーニングの結果

  • HIITはお腹の脂肪が44%減少
  • 太ももの筋肉が24%増加
  • インスリン感受性58%向上
  • 体重は変化なし

という結果が見られました。 

 

予想通りお腹の脂肪が大幅に減っています。

お腹の脂肪が44%も落ちたらウエスト周囲径も相当落ちているはずです。

ビール腹解消の為にもHIITは有効ということですね。

 

ついでに体重が落ちなかった要因として、太ももの筋肉が24%も太くなったということが挙げられます。

脂肪が減って筋肉がついたので体重自体は変わらなかったわけです。

おまけにインスリンの感受性も58%改善し、糖尿病患者としては良いことづくめです。

 

 

糖尿病患者に対するHIITの効果はなかなかの物でして、他にも2型糖尿病患者に普通の有酸素運動45分を週2回、HIITを週1回行うことで、

  • 2ヶ月で体力が41%向上
  • インスリン感受性46%改善
  • 体脂肪18%減少
  • 内臓脂肪48%減少

という効果があったという報告もあります。*3

この実験では普通の有酸素運動と併用していますが、HIITを加えることで大きく効果を高めることができたようです。

 

体脂肪18%減というのは相当な変化で、ここまで減る方はそう多くはないかと思われます。

海外で行われた研究ということで被験者も外国人ばかりです。

日本人に比べると随分と大きい方も多いでしょうからここまでの効果が見られたのでしょう。

 

HIITでメタボ体型の男性のお腹も凹む

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糖尿病ではなく、座ってばかりいる肥満男性を対象にHIITを行った実験もあります。*4

30秒間の全力&4分半のゆっくりというHIITを6セット行うという内容を2週間、合計6回行ったところ、

  • 体力が8%向上
  • お腹とお尻の脂肪が明らかに減少
  • インスリン感受性の改善
  • 摂取カロリーの減少

という効果が見られました。

 

デスクワークばかりの男性にもHIITは効果的と言えそうです。

体力も向上するので疲れにくくなり、仕事も捗ることでしょう。

 

また、この実験でもお腹やお尻の脂肪が落ちやすかったということで、やはり女性にはHIITが良さそうです。

さらに摂取カロリーが減少したということは、食欲が抑えられたということです。

つい食べすぎてしまう人にもHIITは有効ってことですね。

 

HIITは普通の有酸素運動の9倍も効果的

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他の研究も見てみましょう。

カナダ・ラバル大学のTremblayらの研究では、普通の有酸素運動を20週間行った場合とHIITを15週間おこなった場合とで比較しています。*5

 

それによると、運動量はHIIITの方が半分以下だったのにもかかわらず、明らかに皮下脂肪が落ちたとのこと。

努力対効果で言えば、普通の普通の有酸素運動と比べて9倍も効果があったとのことです。

 

仕事や家事などで忙しい人であっても、HIITであればわずかな時間で行うことができるので非常に有効と思われます。

もちろん短時間だから効果がないわけでなく、物凄く効果があったわけですね。

 

HIITは通常の有酸素運動より効果的

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パデュー大学などの研究で、HIITの心血管疾患予防に対する効果に関して今までに発表された研究のデータをまとめています。*6

まとめ研究ってやつで信憑性の高いわけです。

 

過去に発表されたHIITに関する300本以上の研究から信憑性の高い5件研究のデータをまとめたところ

  • 20~77歳の幅広い年齢層に対して
  • インスリンの感受性の改善
  • 血圧の改善
  • 体組成(筋肉・体脂肪など)の改善

という結果が見られました。

 

とりあえず成人に対しては体組成改善(ダイエット)効果があり、血圧とかインスリン感受性なんかも改善しますよーってことですね。

HIITの強度もその人にとっての高強度ということで体力のある若者から体力の低下した高齢者まで幅広い範囲で効果が得られるようです。

HIITは老若男女に効果的ってことですね。

 

 また、HIITは普通の有酸素運動と同じくらいの心血管疾患の予防効果が見られ、特に心血管疾患や糖尿病のリスクの高い人に対しては効果が高いということもわかりました。

心血管疾患の予防効果は普通の有酸素運動と変わらないってことですが、時間的な効率はHIITの方が明らかに良いですし、後述のとおり普通の有酸素運動よりも続けやすいということで、普通の有酸素運動よりもHIITの方が良さげです。

  

さらにインスリンの感受性・血圧・体組成の改善効果に関しては太っている人の方が効果が出やすいとのこと。

これは当然のことで、太っている人の方がたくさん体重が落ちて健康になったということですね。

太っていて体力がなくてもHIITはできます。

ダイエットしたいならHIITをしましょう。

 

 

HIITは高強度で運動を行うってことで怪我のリスクもあるわけですが、HIITを行っている最中の事故は意外と少なく、実験中に起きたわずかな怪我に関しても重大なものではなく、そのまま実験を継続することができる程度のものだったとのこと。

HIITは思ったほど危なくないってことですね。

 

もちろんですが、膝を痛めているのにバーピーをしたり、心臓が悪いのに全力ダッシュなんてことをするのは無謀です。

一概にHIITと言ってもちゃんと人それぞれ強度を調整したり、種目を考慮することで安全にトレーニングすることができるでしょう。

 

で、運動ってなかなか続かずに止めてしまうって方が多いわけです。

運動に関する研究でも同じでして、研究の途中でキツイから止めますって途中で止めてしまう人もいるわけです。

 

HIITの実験になればかなりキツイので途中で投げ出しちゃう人も多いことが予想されます。

そんな予想とは裏腹に参加者の離脱率も低く、平均で10%程度であったとのこと。

 

HIITは運動としてはキツイものの、短時間で済むのが続けやすいポイントでしょう。

普通の有酸素運動なんかだと30分とか40分とかやらないとダメなところ、HIITなら長くても20分程度ですからね。


ということで、成人に対するHIIT(高強度インターバルトレーにんぐ)は、特に太っている人に対して普通の有酸素運動よりもインスリン感受性・血圧・体組成改善効果が高いということです。

また、HIITは思ったほど怪我も少なく、継続もしやすいというわけですね。

 

HIITで高齢者の体脂肪と体力が改善

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HIITはかなりきついトレーニングですが、高齢者でもできるのでしょうか。

モントリオール大学等の研究グループがHIIT(High Intensity Interval Training)と通常の有酸素運動の効果を比較するという実験を行っています。*7

 

HIITは最近の流行りですからね。

フィットネストレンド2019でも3位にランクインするほど世界的に注目されているトレーニング方法です。

短時間にもかかわらず大きな効果が得られるということで、若者を中心に取り入れられているんですが、今回は高齢者にもHIITを行うという実験です。 

 

実験内容は60歳以上の高齢肥満男女72人(男性37人体脂肪率27%以上、女性35人体脂肪率35%以上)を

  • HIITグループ:30秒高強度の運動&90秒の低強度の運動を30分間
  • 通常の有酸素運動グループ:中強度の運動を60分間

以上の2つのグループに分かれて週3回12週間のトレーニングを実施。

 

その結果、HIITはトータルの運動時間が通常の有酸素運動の半分だったにもかかわらず、同程度の体脂肪が減っていました。

HIITは通常の有酸素運動に比べると効率が2倍ってことですね。

 

 

ただ、HIITの方が効率は良いといっても辛すぎてできないって思うかもしれません。

その点に関してもご安心ください。

ということで、高齢&肥満というリスク高めの高齢者なので運動強度も無理をさせていません。

 

主観的運動強度は、普通の有酸素運動で13~16とのこと。

これが「ややきつい」~「きつい」の間くらいの運動強度です。

 

HIITの主観的運動強度は30秒間は17以上で「かなりきつい」という運動強度、90秒間は13~16で「ややきつい」~「きつい」の間程度の運動です。

「非常にきつい」というところまではいってないので、HIITの割には楽な運動強度と言えそうです。

 

しかもインターバルも90秒とHIITにしては長め。

これも高齢者が対象なので優しくしようという配慮かと思われます。

 

ということで、HIITと言っても優しめの強度で行ったにもかかわらずダイエットの効率は2倍になるということですね。

 

ちなみに頑張れる方はもう少し強度を上げてHIITは行いたいところ。

「非常にきつい」と感じる強度で運動を行うことが大切なので、若者はしっかりと追い込みましょう。 

 

HIIT VS SIT どちらが効果的か?

ここまでHIITの効果について紹介してきましたが、一概にHIITと言っても強度に結構な差が見られました。

強度の高いものから若干優しいものまであるHIITですが、効果に違いはあるのでしょうか。

 

ブラジル・ゴイアス連邦大学の研究者達はHIITとSITの心肺機能と体組成に対する影響を比べる実験が行われました。*8

「Sprint Interval Training」を略してSITです。

スプリントという名前のとおり全力の運動と軽い運動を組み合わせるトレーニングです。

 

実験の参加者は健康で普段から運動をしている女性49人(平均年齢30.4歳)。

参加者を

  • HIITグループ:4分間高強度(90~95%HRmax)&3分間軽い運動を4セット
  • SITグループ:30秒全力&4分間軽い運動を4セット

以上の2グループにわけて週に3回(月・水・金曜日)のトレーニングを8週間継続してもらい、効果の違いについて調べました。

 

8週間のトレーニングの結果、

  • 心肺機能はHIITもSITも同じくらい向上
  • 体脂肪はSITの方が減少
  • SITは腹部や背中の脂肪が減りやすかった

という結果が見られました。

 

体脂肪に関しては

  • SIT:22.2%減少
  • HIIT:15.8%減少

といった感じです。

 

 

HIITよりもSITの方がダイエットに効果的ということですね。

しかも1回の運動時間はHIITが33分、SITは23分ということで時間的な効率もSITの方が良いと言えそうです。

 

ついでに強度の高い運動を行っている時間はHIITは16分に対しSITは2分間という内容です。

SITは23分間運動してはいるものの、全力で頑張っているのはわずか2分間だけで、残りの21分はのんびり楽に運動を行うといった感じです。

デメリットとしては短時間とは言っても全力で運動を行うのでかなりキツイというところでしょうか。

 

一方のHIITに関してちょっとフォローすると、HIITを行ったグループも十分体脂肪は減少しています。

運動前から15.8%も体脂肪が減少しているので、体脂肪は十分減ったと言えるでしょう。

 

ただそれ以上にSITを行ったグループは体脂肪が減ったという結果です。

HIITが15.8%減ったのに対し、SITは22.2%の減少となっています。

これは凄い効果ですね。

 

とはいえ、HIITとSITを比べた研究は今回が初ということでHIITよりもSITが確実に優れていると言い切ることはできません。

まだまだ研究の数が少ないですからね。

 

とはいえ、SITがHIITよりも短時間であるにもかかわらず同程度の効果があるというのは間違いなさそうです。

身体が元気って方は30秒間の全力運動と4分間の軽い運動を組み合わせるスプリントインターバルトレーニングを試してみても良いでしょう。

 

ただ「全力」での運動がポイントとなるので、普通のランニングマシンとかでは行うことができません。

特殊なランニングマシンや全力でこげるバイクなんかが必要です。 

こういう自走式ランニングマシンとかですね↓

外で走る場合も30秒間全力で走れて見通しの良い場所が必要です。

100m15秒と仮定すると200m程度の距離が必要となります。

 

陸上競技場のトラックを使えたら問題ありませんが、川沿いを走ったりする場合は見通しの良さなど安全面も考慮しないといけません。

全力運動なので他のことを気にする余裕はほとんどありませんからね。

なかなか取り入れにくいかもしれないというのもデメリットかもしれません。

 

あっ、今気づきましたがバーピージャンプであればかなり強度を上げることができるので良いかもしれません。

全力で30秒間バーピージャンプを行い、4分間プラプラと歩くというのを繰り返すという方法です。

おそらく効果は期待できるでしょう。

元気な方はぜひお試しください。

 

HIITと有酸素運動 どちらが体脂肪減少に効果的かメタ分析

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一般的に体脂肪を落とすには有酸素運動が良いと言われています。

中等度の運動強度で1回60分以下の運動を週に150~250分行うように推奨されています。

 

それに対し、ここまで紹介したように最近はHIITという運動が流行っています。

HIITは普通の有酸素運動より効果的って感じでした。

 

ただ、ここまで紹介した研究はあくまで単独での研究なのでエビデンスとしてはイマイチ。

ということで、続いて紹介するのはHIITと有酸素運動の効果に関するメタ分析です。

 

ブラジル・ゴイアス州立大学などの研究者らが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)と通常の有酸素運動の効果を比べる研究を行っています。*9

研究は過去に行われた研究のデータをまとめるメタアナリシス。

現時点ではエビデンスレベルの最も高い研究方法です。

 

HIITと通常の有酸素運動による体脂肪減少効果を調べた研究786件のうち、条件に当てはまる研究77件のデータ、延べ1012人のデータをまとめています。

HIITの研究データが集まってきたので普通の有酸素運動と比べてみようってことですね。

 

データをまとめたところ、HIITのプログラムで最もよく行われている方法が3分の高強度の運動と4分間の緩やかな運動を組み合わせる方法でした。

High Intensity(高強度)とは言っても、若干マイルドな内容のトレーニングが多いようです。

高齢者や糖尿病などの疾患を持った方が対象の研究も多いでしょうから、どうしても優しめの内容になるのでしょう。

 

対する通常の有酸素運動は10~60分間と幅広いデータでしたが、40~45分、29~35分行われたデータが多かったようです。

ざっくり30~45分間有酸素運動を行った研究が多いわけですね。

だいたいイメージ通りの有酸素運動ではないでしょうか。

 

 

さて、HIITと有酸素運動の効果の違いについて大量のデータをまとめて分析をしたところ、体脂肪の減少量は

  • HIIT:-1.58kg
  • 有酸素運動:-1.13kg

という結果が見られました。

体脂肪の減少量に関しては統計学的にも有意差があり、HIITの方が優れているという結果が見られました。

  

体脂肪を落としてダイエットしたいのであれば、一定の強度で長時間行う通常の有酸素運動よりも、高強度の運動と低強度の運動を組み合わせるHIITの方が効果的と言えるでしょう。

それも、高強度の運動を3分間という優しめのHIITであっても通常の有酸素運動よりも効果的という結果でした。

 

実はHIITの強度を上げればもっと効果は高くなります。

この研究ではHIITの中でも強度が高いトレーニングを行った場合の効果についても調べています。

Sprint Interval Training(通称SIT)と言われており、HIITの中でも比較的高強度のトレーニング方法となります。

 

HIITといっても幅が広く、中には高齢者や危険なほど肥満な人も含まれており、HIITと言ってもそこまで高強度で行えない場合もあります。

なので、HIIT全体のデータから特に高強度なインターバルトレーニングであるSITのデータを分析したわけですね。

ちなみにSITの運動プログラムに関しては30秒間の全力運動と4分間の緩やかな運動という組み合わせが多かったようです。

 

高強度の運動が短いので一見楽に見えるかもしれませんが、「全力」で30秒というのがポイント。

全力という非常に高い強度で運動を行うことで高い体脂肪減少効果を得ることができます。

 

さて、そんなSITの体脂肪の減少量は

  • SIT:-3.22kg

という結果となり、非常にダイエット効果が高いということが見られました。

普通の有酸素運動(-1.13kg)に比べて体脂肪が3倍近く落ちているということで、SITはダイエットを行う上で無視できない運動方法と言えるでしょう。

 

通常の有酸素運動に比べるとキツイと感じるところもありますが、30秒を4~6セット程度なので、キツイ時間はわずか120~180秒間で済みます。

トータルの時間も18~27分と非常に短く済むので効率の良い運動と言えるでしょう。

 

 

今回の研究をまとめると、

ダイエットしたいなら通常の有酸素運動よりもHIITが効率的&効果的

ってことですね。

 

さらに、健康で元気な方はより強度の高いHIITであるSITを行いましょう。

SITはさらに効率的&効果的

と言えます。

 

元気な方は30秒間の全力運動と4分間の緩やかな運動の組み合わせを行ってみてはいかがでしょうか。

 

ダイエットしたいという方は普通の有酸素運動は止めてHIITを行いましょう。

 

スポーツ選手もHIITで体力を短時間でUP

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HIITはダイエットに効果があるだけではありません。

通常の有酸素運動と同じように心肺機能の向上効果も期待できます。

それも通常の有酸素運動よりも短時間で効果が期待できるようです。

 

米国・ニューヨーク州立大学のFunchらはHIITと通常の有酸素運動による心肺機能向上効果の違いについて調べています。*10

研究は大学女子ホッケー選手14人(平均年齢19.29歳)を対象に、オフシーズンに普通の有酸素運動とHIITを行った場合の効果を比較するというもの。

トレーニングの内容は

  • 普通の有酸素運動:30分間のランニング
  • HIITのグループ:Tabataプロトコル(20秒運動と10秒の休憩を8セットで計4分間)

という内容でのトレーニングです。

 

どちらも頻度は週に3回、1ヶ月間(計12回)のトレーニングを行うという実験です。

ちなみにホッケー部なのでそれ以外の技術的なトレーニングや戦術的なトレーニングに関してはどちらも同じように行ってもらいました。

 

 

さて、1ヶ月間のトレーニングの結果ですが、通常の有酸素運動のグループ、HIITのグループどちらも最大酸素摂取量が6%改善しました。

 

普通の有酸素運動もHIITも同じように体力が6%アップしたという結果でした。

で、今回の注目ポイントは運動時間です。

普通の有酸素運動もHIITも同じ効果が得られましたが、トレーニング時間は30分 vs 4分です。

 

わずか4分間の運動で30分の有酸素運動と同じくらい持久力が向上したと言えます。

単純計算ですが、HIITは普通の有酸素運動の7.5倍効率の良いトレーニングと言えるのではないでしょうか。

 


競技スポーツをしているととにかくやることがたくさんあります。

技術的なトレーニングも必要ですし、戦術的なトレーニングも必要、筋力トレーニングも必要になります。

 

特に技術的なトレーニング、戦術的なトレーニングにはかなりの時間を割くことになるでしょう。

それに加えて体力アップを狙う持久系トレーニングを行うとなるといくら時間があっても足りません。

 

そこでHIITの出番です。

持久系のトレーニングをHIITに置き換えることで大幅に時間の短縮に繋がり、その分を他のトレーニングに回すことができます。

もちろん通常の有酸素運動を全てHIITに置き換えるというのは難しいかもしれませんが、時間の節約ということで言えばかなり魅力的なのではないでしょうか。

 

今回紹介したのは女子陸上ホッケー選手を対象に行われた研究ですが、他のスポーツでも応用が効くでしょう。

どのスポーツでも体力(心肺持久力)は基本ですからね。

今回紹介したホッケーをはじめ、サッカー、バスケ、テニスなどの持久的要素の強いスポーツをしているのであれば持久力を高めて損になることはありません。

 

短時間で行うことができるので、自主練の際に行ったりすれば周りのメンバーと差をつけることができるかもしれません。

新型コロナウイルスの影響でトレーニングができないのであれば、家でバーピージャンプを行えば十分体力の維持ができるのではないでしょうか。

www.moshimoshishimoshi.com

 

 

HIIT VS 有酸素運動 どちらが脳機能改善に効果的か?

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続いてHIITが脳に良いのかどうかについて紹介しましょう。

 

脳の活性化に重要な物質として「BDNF」が挙げられます。

「Brain-derived neurotrophic factor」の略で、日本語で「脳由来神経栄養因子」と言われます。

難しい言葉が出てきましたが、無視して構いません。

「なんか脳に良い物質」くらいに思えばOKです。

 

この「脳に良い物質」は一時的に認知機能を高めたり、神経の修復を促進して学習能力を記憶力を増強する働きを持っています。

「脳に良い物質」は脳の栄養剤・肥料の様な役目があると思ってください。

 

ただ、この「脳に良い物質」は年齢と共に徐々に量が減ってしまいます。

それと同時に記憶をつかさどる「海馬」の大きさが小さくなることも報告されています。*11

さらに、アルツハイマー病のような脳・神経的疾患の患者の「脳に良い物質」の量はかなり少ない、もしくはほとんどない状態であることも明らかになっています。*12

とりあえず、脳の健康のためには「脳に良い物質」であるBDNFが大切で、できるだけ増やした方が良いってことになります。

 

さて、そんな「脳に良い物質」ですが、高い運動強度によって分泌されることが報告されています。

高強度の運動として代表的なものが「HIIT」ですね。

 

HIITは「脳に良い物質」の量に影響を及ぼすのでしょうか。

というわけで、ベルギーでHIITとBDNFの関係について調査が行われました。*13

 

実験では

  • 普通の有酸素運動(70%強度で20分間)
  • HIIT(90%強度で1分、1分間休憩、合計20分)

という2つのトレーニング方法で比べられました。

 

実験の結果、どちらの運動も「脳に良い物質」の量は増えました。

ただし、HIITの方が「脳に良い物質」がたくさん増えたとのことでした。

 


簡単に言えば脳機能向上のためにはHIITが良いということですね。

さらに、普通の有酸素運動とHIITどっちが好きか聞いたところ、参加者の73%がHIITが好きと答えたようです。

 

普通の有酸素運動は単調で飽きやすい上にそこそこ辛いってことでしょう。

対するHIITですが、きついという意味では明らかにHIITの方がきついんでしょうけど、強弱を付けることで飽きにくいというのもあるのでしょう。

 

また通常の有酸素運動ではストレスホルモンであるコルチゾルがたくさん出ることが知られています。

対するHIITはコルチゾルの分泌も少なく、身体へのストレスを考えてもHIITの方が優れていると言えそうです。

 


さて、HIITで「脳に良い物質」が増えるということでしたが、「脳に良い物質」が増えるのは一時的なもので、数分~数時間以内に元の量に戻ります。

実際のところ「脳に良い物質」が分泌されることに対する長期的な効果に関しては現時点では明らかになっていません。

まだ最近始められた研究ですからね。

 

ただし、この「脳に良い物質」の一時的な増加であっても記憶の改善に効果があることが明らかとなっています。*14

普段からHIITを行ってたくさん「脳に良い物質」を分泌させてあげれば少なくとも短期的には脳に良い影響が得られるわけですね。

もしかしたら長期的に見ても脳に良い影響が期待できるのではないでしょうか。

 

優しめのHIITでも脳機能が改善

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HIITと脳の関係についてもう少し見ていきましょう。

筑波大学のSoyaらの研究によると、インターバル運動が脳の認知機能アップに効果があるとのこと。*15

 

HIITはかなりキツイ運動なので体力のない人や高齢者が行うのは難しいとされていました。

ところが、最近はもう少し強度を落としても効果が期待できることが分かってきており、体力のない人でも取り入れやすいインターバル運動の効果を調べたようです。

 

今回の実験で行われた運動強度は最大酸素摂取量の60%くらい。

一般的な有酸素運動と同じくらいの運動強度です。

実験ではその強度で30秒間、休憩30秒間を8セット(計8分間)繰り返したとのこと。

 

運動の前後の脳の機能を調べたところ、運動後は脳が活性化しており、脳機能のテスト結果も良好だったとのこと。

 
できれば高強度でトレーニングしたいところではありますが、体力のない人や高齢者なんかは優しめの中強度インターバルトレーニングでも十分効果が期待できるようですね。

30秒間早歩き、30秒間のんびり歩きを繰り返すといった感じで行えば十分効果があるでしょう。

今回の実験では8セットということで、合計8分間の運動でした。

 

信州大学の実験では3分早歩きと3分のんびり歩きを5セット以上繰り返したら効果的だったという報告もありますので、多少体力が付いたらこんな感じで運動時間や強度を上げていくと良いのではないでしょうか。

 

HIITはアンチエイジングに効果的

 

アンチエイジング・健康のためには運動が大切であることは周知の事実であるわけですが、どんな運動が良いのかはまだはっきりと分かっていませんでした。

そこで、メイヨークリニックの研究グループは運動の種類の違いによる身体に対する効果を調べる実験を行いました。*16

 

今回の実験の対象となったのは18~30歳の若者29人、65~80歳の高齢者23人の計52人です。

52人を

  • HIITを週3回行うグループ
  • 筋トレを週2回行うグループ
  • 週5回普通の有酸素運動30分、週4回軽めの筋トレの併用グループ

以上の3つのグループにわかれて12週間の運動効果を調べました。

HIITの内容としては自転車を4分間頑張ってこぎ、3分間軽くこぐという内容を4セットで合計28分間です。

 

さて、12週間のトレーニングの結果ですが、HIITを行うことで

  • 有酸素能力
  • インスリン感受性
  • ミトコンドリアの機能
  • 筋肉量及び筋力

の改善が見られました。

特に注目なのがミトコンドリアで、ミトコンドリアの大きさが若者で49%増加、高齢者で69%の増加が見られました。

 

筋トレグループはインスリン感受性や筋肉量の改善が見られました。

ただし、有酸素能力やミトコンドリアの機能改善効果は見られませんでした。

 

通常の有酸素運動と軽めの筋トレ併用のグループはミトコンドリアの機能改善効果は見られず、他の効果もソコソコでした。

 

 

ミトコンドリアという言葉が出てきましたがご存知でしょうか。

昔高校の授業で出てきたと思います。

 

細胞の発電所と呼ばれており、エネルギーを作るために必要不可欠な器官です。

通常加齢とともにミトコンドリアの機能は低下してしまうのですが、HIITを行うことでミトコンドリアの機能が大幅に改善したということですね。

 

ミトコンドリアはアンチエイジングの鍵ともなる器官で、機能が低下することで

  • 代謝が低下
  • 骨粗鬆症
  • 関節炎
  • 胃腸疾患
  • 高血圧
  • 心臓血管疾患

などに繋がることが報告されています。

さらに、脳機能、肝臓・腎臓疾患にも関係していることが分かっており、ミトコンドリアの機能が改善するということはこれらを防ぐということになります。

 

今回の実験では自転車を4分間頑張ってこぎ、3分間軽くこぐという内容を4セット行っていますが、HIITにしては若干優しめの内容となっています。

参加者に高齢者がいらっしゃるので、優しめのHIITだったわけです。

 

できればもう少し高強度で行うとより効果的でしょう。

推奨されているHIITとして、2分間かなり早いペースで走って心拍数を高め、1分間のゆっくりのジョギングで心拍数を下げるという組み合わせを5セット、合計15分間という内容です。

強度が高くなるぶん時間は短くなりますが、慣れてきたら回数を増やして時間も伸ばせば良いでしょう。

 

HIITは男女ともに運動と休憩を2:1で行うと良い

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女性は男性に比べると疲れにくく、回復が早いという特徴があります。

そのため、HIITに関しても男女で効果に違いが出る可能性が考えられます。

ということで、米国オハイオ州ボーリング・グリーン州立大学の研究者らはHIITを行っている時のインターバル時間と男女の違いについて調査を行っています。*17

 

研究は男女16人(男性8人、女性8人)に4分6セットのHIITを行なってもらいました。

そしてセット間のインターバルを

  • 1分
  • 2分
  • 4分

という3つの条件でHIITを行なってもらうという内容です。

異なった休憩時間で最大酸素摂取量や心拍数、血中乳酸濃度なんかを調べ、性別の違いと身体の変化について調べました。

 

さて、実験の結果ですが、

  • 女性の方がより高い強度でトレーニングを行うことができた。
  • HIITは男性よりも女性にメリットがある。
  • HIITは運動と休息の比率は、男女とも2:1で行うのが適切である。

ということがわかりました。

 

感覚的なしんどさ(主観的運動強度)に関しては男女で差はなく同じように辛いと感じたようです。

ということは、同じ苦しさでも女性の方が高い強度(絶対的なものではなく相対的なもので、その人にとっての高強度という意味)でトレーニングできたということです。

高い強度でトレーニングができれば、当然女性の方がHIITの効果が得られやすいってことです。

 

この差は男性よりも女性の方が根性があるというわけではなく、身体の違いによってこのような差が生まれるようです。

男性は瞬発的な動き(嫌気的代謝)が優れているのに対し、女性は持久的な動き(好気的代謝)に優れています。

 

簡単に言えば女性の方が疲れにくく回復が早いということです。

HIITの短い休憩時間であっても男性より早く回復することができるので、次の高強度運動の時にしっかりと強度を保つことができるわけです。

 

もちろん高い強度でトレーニングができるということは効果が高いということ。

女性の方がHIITの効果が高いと言えるかもしれません。

 

ただ、現時点ではHIITを行う際に男女でインターバルの時間に差をつける必要はないようです。

男女とも運動2に対して休憩1の割合でHIITを行うと良いとのこと。

今回の実験だと運動は4分、休憩は2分で行った場合が最も効果的だったようです。

 

休憩を1分にして運動と休憩が4:1の割合になると全然回復が足りなくて強度が下がってしまいます。

強度が下がってしまってはHIITの効果も当然減少してしまいます。

 

逆に休憩を4分にして運動と休憩が1:1の割合になると十分回復はできるものの、運動と休憩が2:1の場合と比べてそこまで高い強度で運動ができるようになるわけでもありません。

時間ばかり長くなってしまい、時間的な効率が下がってしまいます。

 

ということで、HIITを行う際には男女とも運動と休憩の割合は2:1で行うと効率と効果のバランスが良いようです。

 

また、HIITを行う場合は研究者曰く

「自分自身が限界だと思う強度で行えば男女共良い結果に報われるでしょう」

とのこと。

とにかく限界までやれってことですな。

 

最大心拍数の何%とか、最大酸素摂取量の何%で運動するといった数値的なものに頼らなくても自分自身が限界だと思う強度でHIITを行えば、男女の身体の違いとかをわざわざ考慮しなくても良いよってことです。

HIITの重要ポイントである高い強度での運動ができればOKです。

 

HIITの効率的な方法と効果的な方法とは?

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HIITの効果のひとつに最大酸素摂取量の改善が挙げられます。

体力とか持久力って言われるやつですね。

HIITの持久力改善効果に関する研究もたくさん行われ、結構なデータが集まってきました。

 

ただ、一概にHIITといっても様々なやり方があってどれが良いのかよくわからない状態になっています。

2分ほど走って1分ほど歩くといったものから、20秒間全力で走って10秒間歩くといったものまで幅広くHIITと言われるようになっているのが現状です。

 

そこで中国・福建師範大学などの研究者らがHIITの最大酸素摂取量に対する効果についてまとめています。*18

研究は、中強度で長時間行う普通の有酸素運動とHIIT(高強度インターバルトレーニング)を調べた研究53件のデータをまとめて分析しています。

 

 

その結果、

  • 短い休憩時間(30秒以下)
  • 少ない運動量(5分以下)
  • 短期間の運動(4週間以下)

以上の内容のHIITで最大酸素摂取量(体力・持久力)が明らかに改善するとのこと。

代表的なやり方としてタバタ式トレーニング(tabata protocol)です。*19

20秒間の全力運動と10秒間の緩やかな運動を8セット繰り返すという内容です。

 

ただし、普通の有酸素運動と比べて特に優れているという結果ではなかったようです。

あくまで普通の有酸素運動と同程度の効果を短時間で得ることができるというトレーニングですね。

 

普通の有酸素運動以上の効果を得るためには

  • 長めの休憩時間(2分以上)
  • 多めの運動量(15分以上)
  • 中~長期間の継続(4~12週間)

のHIITを行うことで普通の有酸素運動に比べて明らかに最大酸素摂取量の改善効果が高かったとのことです。

 

効率的なマイルドなHIIT

HIITは元々オリンピック選手のようなアスリート向けに開発されたトレーニングプログラムということで死ぬほどキツイというのが特徴のトレーニングでした。

ただ、HIITが一般的になることで一般人向けのHIITとして死ぬほどきついトレーニグがそこそこキツイトレーニングになるようプログラムの内容が改善されてきました。

それが30秒以下の短い休憩時間で行う5分以下という短時間のHIITのことですね。

高強度と言いつつも若干マイルドなインターバルトレーニングです。

 

それでも明らかに最大酸素摂取量の改善が見られており、普通の有酸素運動と同程度の効果が得られるわけなので、時間的な効率は物凄く良いと言えるでしょう。

一般人が健康やダイエット目的でHIITをするのであれば、30秒以下の短い休憩時間で行う5分以下という短時間のHIITを行えば良いでしょう。

 

また、普通の有酸素運動と同じくらいの効果を得れればOKというスポーツ選手であってもこの方法で良いでしょう。

技術、戦術的な練習に時間を割きたい時期なんかは効率的に行えるHIITが良いでしょう。

 

マイルドなHIITは1回5分なので週に3回行っても15分です。

これほど効率良く体力のつく運動は他にはありません。

めちゃめちゃ効率的です。

 

効果的なハードなHIIT

ただ、普通の有酸素運動と同じ程度では満足できず、それよりも高い効果を得たい場合は30秒以下の短い休憩時間で行う5分以下という短時間のHIITではイマイチということになります。

とにかく体力・持久力を付けたい場合は

  • 2分以上の長めの休憩時間で
  • 15分以上という比較的多めの運動量のトレーニングを
  • 4~12週間というある程度継続的に

行う必要があるようです。

スポーツをしていてしっかりと体力を付けたいって方はこの方法で行うと非常に効果的でしょう。

 

一見、休憩時間が2分以上という長めの設定なので楽じゃないかと思うかもしれません。

2分以上の休憩を取らないと連続して行えないような強度で行うということです。

ハードなHIITと言えるかもしれません。

 

別名SIT(スプリントインターバルトレーニング)と言われたりするトレーニング方法で、

  • 30秒間の全力運動
  • 4分間の軽い運動
  • 4~6セット

これを繰り返すようなトレーニング内容となります。

 

休憩時間が2分以上と長めに取ることになるので全体の運動時間は15分以上ということになりますが、実際動いている時間は優しめのHIITと大差ありません。

先程紹介したスプリントインターバルトレーニングの場合、1セットで4分30秒かかり、4セットで18分間、6セット行うと27分間の運動になります。

トータルの時間は30分近くなるので長いイメージですが、実際に全力で動いている時間はわずか3分程度となります。

 

ちなみに通常の有酸素運動は30分以上行われることが多く、60分ほど行うのも珍しくはありません。

ハードなHIITはHIITとしては長めの時間ではあるものの、普通の有酸素運動よりも短時間で済み、しかも普通の有酸素運動よりも効果的ということになります。

 

あとは4~12週間は継続して行う必要があります。

やはり大きな効果を得るためにはある程度継続して行う必要があるようです。

その継続期間として4~12週間とのこと。

ハードなHIITを行うのであれば少なくとも1ヶ月間は継続的に行うと良いでしょう。

 

HIITに関するまとめ

HIITに関して簡単にまとめると

HIITは短時間で効果的

ということですね。

 

 

HIITは通常の有酸素運動に比べて

  • 体重の減少に効果的
  • 体脂肪の減少に効果的
  • 下半身・腹部の脂肪減少に効果的
  • 心肺機能向上に効果的
  • 脳機能改善に効果的
  • アンチエイジングに効果的

といった感じです。

 

HIITのやり方としては

3分間高強度 & 4分間軽い運動 ✕ 4セット

がベーシックなやり方でしょう。

 

体力がついてきたらインターバルを4分から少しずつ減らし、最終的には

運動:インターバルを2:1

の割合になるようにすると良いでしょう

 

3分高強度なら1分半軽い運動といった感じです。

3分高強度&1分半低強度に慣れてきたらセット数を4セットから徐々に増やしていくと良いでしょう。

 

3分間高強度の運動と紹介していますが、この時間は短くしても構いません。

運動とインターバルを2:1というのは変えず、ご自身の好みに併せて変化をつけてみても良いでしょう。

 

もう少し効果・効率を求めるのであれば、

30秒間全力 & 4分間軽い運動 ✕ 4セット

というスプリントインターバルトレーニングと言われるやり方が良いでしょう。

「全力」というところがポイントでかなりキツく感じるかとは思いますが、そこは全力で頑張ってください。

 

www.moshimoshishimoshi.com

この記事のようにバーピーをするなら、30秒間全力でバーピージャンプを行い、4分間その場で足踏みを行うといった感じですね。

「HIIT」で検索するとYouTubeなんかでいろいろと動画が出てきますので、それらを参考に行ってみても良いのではないでしょうか。

 

 

短時間で効率の良いトレーニングであるHIIT。

ぜひご自身のトレーニングに加えてみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

*1:The effects of high-intensity intermittent exercise training on fat loss and fasting insulin levels of young women. - PubMed - NCBI

*2:Absence of exercise-induced variations in adiponectin levels despite decreased abdominal adiposity and improved insulin sensitivity in type 2 diabe... - PubMed - NCBI

*3:Mobilization of visceral adipose tissue related to the improvement in insulin sensitivity in response to physical training in NIDDM. Effects of bra... - PubMed - NCBI

*4:Effect of 2 weeks of sprint interval training on health-related outcomes in sedentary overweight/obese men. - PubMed - NCBI

*5:Impact of exercise intensity on body fatness and skeletal muscle metabolism. - PubMed - NCBI

*6:High-Intensity Interval Training for Cardiometabolic Disease... : Medicine & Science in Sports & Exercise

*7:HIGH-INTENSITY INTERVAL TRAINING AND MODERATE-INTENSITY CONTINUOUS TRAINING EFFECTS IN OBESE OLDER ADULTS | Innovation in Aging | Oxford Academic

*8:Frontiers | Effects of High-Intensity Interval Training vs. Sprint Interval Training on Anthropometric Measures and Cardiorespiratory Fitness in Healthy Young Women | Physiology

*9:Is interval training the magic bullet for fat loss? A systematic review and meta-analysis comparing moderate-intensity continuous training with hig... - PubMed - NCBI

*10:Four Weeks of Off-Season Training Improves Peak Oxygen Consumption in Female Field Hockey Players - PubMed

*11:Brain-Derived Neurotrophic Factor Is Associated with Age-Related Decline in Hippocampal Volume | Journal of Neuroscience

*12:Decreased_brain-derived_neurotrophic_factor_BDNF-_and_b-thromboglobulin_b-TG-_blood_levels_in_Alzheimer's_disease

*13:High-intensity Interval Training Evokes Larger Serum BDNF Levels Compared With Intense Continuous Exercise - PubMed

*14:Brain-derived neurotrophic factor (BDNF) as a potential mechanism of the effects of acute exercise on cognitive performance - ScienceDirect

*15:A Transferable High-Intensity Intermittent Exercise Improves Executive Performance in Association With Dorsolateral Prefrontal Activation in Young Adults - PubMed

*16:Enhanced Protein Translation Underlies Improved Metabolic and Physical Adaptations to Different Exercise Training Modes in Young and Old Humans

*17:Sex-specific Responses to Self-Paced, High-Intensity Interval Training With Variable Recovery Periods - PubMed

*18:Effects of different protocols of high intensity interval training for VO2max improvements in adults: A meta-analysis of randomised controlled trials. - PubMed - NCBI

*19:Effects of moderate-intensity endurance and high-intensity intermittent training on anaerobic capacity and VO2max. - PubMed - NCBI