加圧サイクリングとか加圧ウォーキングといったトレーニングの効果は報告されているんですが、加圧ランニングに関する報告ってなかなかなかったんです。
で、最近加圧(血流制限)状態で行うランニングに関する研究が発表されたので紹介。
これはイラン・カラズミ大学などの研究で、普段から運動をしている32人の女子大生(平均年齢22.8歳)を対象に加圧ランニングの効果を調べています。*1
参加者を
- 圧力を1週ごとに上げていく + 運動強度は低い状態で一定
- 圧力は一定 + 運動強度を1週ごとに上げていく
- 圧力は高い状態で一定 + 運動強度を1週ごとに上げていく
- 圧力を1週ごとに上げていく + 運動強度も1週ごとに上げていく
以上の4つの条件で週3回のトレーニングを4週間行ってもらっています。
締める圧力や運動強度を段階的に上げるとどうなるかって実験ですね。
運動の内容は2分間加圧状態でのランニングと1分間除圧しての休憩を10セット実施。
俗にいうインターバルトレーニングですね。
運動強度は最大酸素摂取量の60%から始まり、1週ごとに70%、80%、85%と上げています。
さて、12週間トレーニングを行った結果ですが、とりあえずどのグループもパワー、筋力、有酸素能力、無酸素系持久力といったランニングに関係するような数字は軒並み向上していました。
その中で一番効果が高かったのが3番の圧力は高い状態で一定 + 運動強度を1週ごとに上げていくグループでした。
最初の1週目から最後の4週目までずっと圧力の高い状態で行っているので、他のグループよりも当然きつく感じるという結果でした。
まとめると、きつく締めてきついトレーニングをするのが一番効果が高いが、それ以外の方法でも十分効果はあるって感じですね。
1番の圧力を1週ごとに上げていく + 運動強度は低い状態で一定とする方法や、2番の圧力は一定 + 運動強度を1週ごとに上げていく方法のように、圧力もしくは運動強度を上げずに一定にすると苦しさは軽減されるようなので、競技をしているわけでない人であればその方が楽にできて良いかもしれません。
もちろんですが、きついことに変わりはありませんが、「めっちゃきつい」が「きつい」くらい楽になるといった感じです。
ということで、加圧状態でのインターバルランニングも効果的って感じですね。
60~85%強度のランニングなので、近年流行りのHIIT(高強度インターバルトレーニング)ほど速く走るというわけでなく、中強度インターバルトレーニングといった感じです。
それでも最初は2分10セットは厳しいでしょうから、2分5セットくらいから始め、慣れるにしたがってセット数を増やすようにすると良いんじゃないでしょうか。
まあ、もっと加圧状態ならもっとウォーミングアップ程度の緩い強度でも効果があるという研究もあるので、一般人が健康やダイエットのために行うのであればスロージョギングと休憩を繰り返す低強度インターバルランニングでも良いかもしれませんね。
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