最近の筋トレに関する研究はトレーニング量(セット数)に注目しているものが多くなっています。
特にトレーニング量を増やすことが大切であるという報告が増えており、少なくとも週に5セット以上行うことが推奨されています。
ただ、上限に関してはまだまだはっきりしておらず、どれくらいまで増やして良いのかはわかりません。
さて、今回はそんなセット数の上限に関して調べた研究を紹介します。
筋トレの量と効果の関係は?
ブラジル・アマゾニア大学のなどの研究者らが筋トレの量とトレーニング効果を比べる研究を行っています。*1
実験は普段からトレーニングをしている女性40人を対象に
- 週5セットの筋トレをする
- 週10セットの筋トレをする
- 週15セットの筋トレをする
- 週20セットの筋トレをする
以上の4つのグループに分かれて24週間筋トレを実施。
実験の前後で
- ベンチプレス
- プルダウン
- 45度レッグプレス
- スティフレッグデッドリフト
以上4種目の筋力測定(10RM測定)を実施。
また、
これらの筋肉の厚みを超音波を用いて測定を行いました。
筋トレの効果として筋肥大と筋力の両方を調べたわけですね。
結果:15セット以上は効果が減少
24週間の筋トレを行ったところ、全てのグループで筋肉の発達と10RMの増加が見られました。
ただし週に15セット、週に20セット行ったグループは筋力の増加・筋肥大効果どちらにおいても週に5セットもしくは10セット行ったグループよりも劣ることがわかりました。
最近の筋トレに関する研究はトレーニング量を増やす(セット数を増やす)と効果的という報告が増えています。
ところが、トレーニングの量を増やすといってもやればやるほど効果的というわけではありません。
今回の研究では週に15セット行うと明らかに筋トレの効果が減少しています。
1週間に15セットはやり過ぎということになります。
また、トレーニング量と筋トレの効果に関するレビュー*2 によると、
- 筋肥大のためには1週間に10セット以上、15セット未満が有効
- 筋力アップのためには1週間に15セット未満が有効
というように15セット未満が推奨されています。
筋肥大目的と筋力アップ目的では最適なトレーニング量に違いがあるわけですが、いずれの場合も1週間に15セット未満が良いということですね。
むしろ週に15セットを超えると筋肥大効果を減少させる可能性もあるとのことです。
まあ最適なトレーニング量に関してはトレーニング経験やトレーニングの内容、トレーニング以外の要因など様々な要素が絡み合ってくるので一概に10セットが良くて15セットが悪いと言えるわけではないでしょう。
また、今回紹介した研究は1週間に5セットとか10セットという言い方をしてはいますが、週に2回とか3回トレーニングを行っているのではなく各筋群週1回ずつ行っています。
15セット、20セットのグループも1日で同一筋群を20セットも行っています。
どう見てもやり過ぎですよね。
同じ週に15セット、20セット行うにしても、2~3回に分けて行っていれば違った結果が出ていたでしょう。
週に15セット以上は駄目というより、1度のトレーニングで15セット以上は駄目というべきかもしれません。
とりあえず、筋トレをむやみやたらに増やす必要はなく、週に10セット行えば十分と思っておくと良いでしょう。
他にも週に10セット以上行えば十分という報告もあるので、やはり1週間に10セット行えば十分でしょう。
当然ですが、筋トレの量が少なすぎるのはNGです。
週に5セット未満では効果は少ないという報告もありますので、少なくとも週に5セットは行いところです。
一般人なら週に5セット以上を目標に、アスリートなら週に10セットを目標にすると良いのではないでしょうか。
まとめ
- 筋トレの効果は週に10セット程度が最適
- 週に15セットを超えると筋トレの効果は減少する
- 週に5セット以上でも十分効果がある
- 筋トレは週に5~10セットを目安にすると良い
という感じでしょうか。
とりあえず、筋トレのやり過ぎは逆効果ということですね。
筋トレのセット数を考える上で参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考文献
*2:Robert Morton et al.(2019) Training for Strength and Hypertrophy: An Evidence-based Approach