一般的には筋トレはゆっくり下ろすと良いと言われます。
2~4秒くらいかけて下しましょうって指導されたりしますよね。
下ろす時の方が速筋線維が優先的に使われるので、ゆっくり行うことで速筋線維をしっかり刺激すれば筋トレの効果も高くなるであろうって理由です。
ところが、筋トレの効果にどれくらい影響するのかまでは調べられていなかったわけです。
そんな筋トレ時の下ろすスピードに関してですが、速く下ろすと効果的かもしれません。
下ろす速度と効果の違いを調べた研究
カナダ・サスカチュワン大学の研究者らが筋トレの動作スピードと筋肥大、筋力向上効果の関係について調べています。*1
研究は普段トレーニングをしていない18~36歳の被験者24人を対象にアームカールを
- 速く下ろす(1秒間に180°)
- ゆっくり下ろす(1秒間に30°)
- 何もしない
という条件に分けて8週間トレーニングを実施。
筋トレの前後で筋肉の発達具合の違いを調べています。
結果
8週間の実験の結果、
- 筋肥大効果:速く下ろす > ゆっくり下ろす
- 筋力向上効果:速くおろす > ゆっくり下ろす
という結果になりました。
速く下ろす筋トレも良い
ということで、今回の研究結果を参考にすれば下ろす時も速い方が良いということになります。
ただ、今回の研究結果には少々注意が必要です。
今回の被験者は普段運動をしていない人が対象ということで、普段から筋トレをしている人の場合は結果が違ってくる可能性があります。
初心者は扱う重量が軽いので身体に対する負担も少ないですしね。
また、実験ではアームカールのみを行っています。
これがスクワットやデッドリフトというように違う種目でも同じ効果があるのかはわかりません。
下手なフォームで行うと怪我にも繋がるでしょうから注意が必要です。
さらに、速く下ろすと言っても、アームカールを行う時に1秒で下ろしています。
時計の秒針とか見ながらやってみると分かりますが、アームカールを1秒で下ろすというのはそこまで速くありません。
決してすとんと力を抜いているわけではありませんし、アームカールよりも可動域の大きいスクワットとかになれば1秒ちょっと掛かるかもしれません。
とりあえず、「ゆっくりと下ろさないといけない」と思いこむ必要はないと思うくらいで良いのではないでしょうか。
思ったより速く下ろしても大丈夫と考えると良いでしょう。
まあ種目によっては速く下ろすとフォームが乱れて怪我のリスクが高くなることもあるでしょうから、初心者の間はある程度ゆっくり下ろすようにした方が良いでしょう。
だいたい2~4秒くらいで下ろすようにすれば普通に筋トレの効果が得られるはずです。
ある程度筋トレに慣れてきてフォームもしっかりと安定した状態でできるようになってから下ろすスピードを速くしてみると良いでしょう。
速く下ろすことで大きな負荷が加わります。
それによってコラーゲンの合成が高まり、腱が強くなるといった効果も期待できます。
ただ、それなりに腱や筋肉にストレスが掛かるでしょうから、長期間にわたって速い速度で下ろすようにするのは控えた方が良さそうです。
実験では8週間行ってはいますが、初心者ということで重量でそれほど重たくないということと、種目はアームカールだけしか行っていないってことで問題なかったのでしょう。
これがスクワットやデッドリフトで速く下ろすようにしたり、全身の筋トレを行うようになれば疲労が蓄積して怪我に繋がる可能性もあるでしょう。
ということで、2~3週間速く下ろす筋トレをしたら、次の2~3週間は普通に下ろす筋トレを行うようにすれば怪我も防げて良いのではないでしょうか。
ゆっくり下ろすのではなく速く下ろす筋トレ。
筋トレの効果に行き詰っているって方は試してみてはいかがでしょうか。
参考文献
*1:Farthing JP,Chilibeck PD (2003) The effects of eccentric and concentric training at different velocities on muscle hypertrophy.