筋トレと有酸素運動、どちらを先に行う方が良いのでしょうか。
理想を言えば筋トレと有酸素運動は別々に行うと効果的です。
別々に行う方が筋トレと有酸素運動の効果を最大限に活かすことができるでしょう。
ただし、現代人には時間が足りません。
筋トレの日と有酸素運動の日と分けて行うことができない方も多く、効率良く同じ日に筋トレと有酸素運動を行うことになる方が多いでしょう。
では、筋トレと有酸素運動を同じ日に連続して行わなければならないのであれば、どちらを先に行えば良いのでしょうか。
筋トレと有酸素運動を行う順番について目的別で考えてみましょう。
筋肉を増やしたい、筋力を向上させたい場合
筋肉を増やしたい、筋力を向上させたいのであれば、
筋トレ → 有酸素運動
の順番に行いましょう。
筋肥大、筋力アップが目的であれば重要なのは筋トレです。
それも、しっかりと高強度でトレーニングを行うことが筋肉の発達に重要となります。
有酸素運動を行ってから筋トレをするという順番の場合、先に有酸素運動を行うことで身体が疲れてしまったり、エネルギーとなるグリコーゲンが減ってしまった状態になっているでしょう。
その状態で筋トレを行うとどうしても強度が低下してしまいます。
結果、筋肥大・筋力アップ効果も低下してしまうということになります。
よって、有酸素運動を行ってから筋トレを行うという順番は筋肥大・筋力アップが目的の場合はイマイチという結論となります。
筋肥大・筋力アップが目的であれば、身体が疲れておらず元気な状態で筋トレを行う方が効果的です。
有酸素運動を行う前に、元気な状態で十分に強度の高い筋トレを行うようにしましょう。
筋肥大・筋力アップ目的であれば筋トレをしてから有酸素運動という順番です。
持久力アップが目的の場合
持久力を向上させるという目的であれば
有酸素運動 → 筋トレ
の順番でトレーニングを行いましょう。
持久力を向上させるためには心拍数を上げて心肺機能に負荷をかける必要があります。
先程の筋肥大・筋力アップ目的の場合と考え方は同じで、優先順位の高いトレーニングを先に行うことが大切です。
持久力アップ目的であれば有酸素運動を先に行います。
筋トレを先にしてしまうとその後の有酸素運動はどうしても強度が低下してしまいます。
それでは持久力アップ効果は減少するでしょう。
また、筋トレで筋肉が疲労した状態で走ることでフォームが崩れ、怪我に繋がる可能性も考えられます。
よって、持久力アップが目的であれば筋トレをしてから有酸素運動を行うのはオススメできません。
持久力アップが目的であれば、元気な状態でしっかりと強度を上げて有酸素運動を行い、その後に筋トレを行うようにすれば効果的です。
筋トレはあくまで補助的な役割であると考えれば良いでしょう。
ちなみに持久力アップのために最近流行りのHIITを行う場合も同様です。
HIITは有酸素運動とは言えないかもしれませんが、目的が持久力アップであれば高い強度でHIITを行う必要があります。
持久力アップが目的なら持久力アップのためのトレーニングを先に行うようにしましょう。
持久力アップが目的なら有酸素運動をしてから筋トレの順番です。
健康が目的の場合
健康増進が目的であれば筋トレと有酸素運動の順番は気にしなくて構いません。
健康が目的であれば筋トレと有酸素運動の順番を気にするよりも継続することの方が大切です。
継続しやすい順番でトレーニングを行うと良いでしょう。
筋トレが好きなら筋トレから先に行っても構いません。
継続しやすい順番でトレーニングを行うことが何よりも大切です。
ちなみに有酸素運動だけ、筋トレだけというのはオススメできません。
有酸素運動だけでは加齢とともに起きる筋肉の減少を抑えることはできません。
ご存じのとおり、筋肉は快適な生活を送る上で非常に重要な要素となります。
筋トレを行うことで筋肉の減少を抑える、むしろ筋肉を増やすことで健康的な生活を送ることができるようになるでしょう。
逆に筋トレだけというのもオススメできません。
筋トレだけ行っていると血管が硬くなることが知られています。
ただし有酸素運動を行うことで筋トレによって血管が硬くなるのを防ぐことができます。
若い内ならそれほど問題ではありませんが、健康のことを考えると血管の健康は非常に重要です。
健康のためなら筋トレだけでなく有酸素運動も取り入れることで健康的な生活が送れるでしょう。
健康増進が目的であれば、筋トレと有酸素運動両方行うことが大切ですが、順番を気にする必要はありません。
継続しやすいように筋トレと有酸素運動を行えば良いでしょう。
ダイエットが目的の場合
ダイエットが目的の場合、筋トレと有酸素運動はどちらが先でも構いません。
筋トレをしてから有酸素運動という順番の方が成長ホルモンが分泌されて効果的という意見もあります。
確かに筋トレを先に行う方が成長ホルモンの分泌で体脂肪が分解されて燃えやすくなります。
その逆に、有酸素運動をしてから筋トレをした方がEPOC(過剰酸素消費)が増えることで運動後の消費カロリーが増えるという報告もあり、一概にどちらを先に行うと良いとは言えないのが現状です。
有酸素運動を先に行うと筋トレの強度が低くなるのは先述のとおりです。
筋トレの強度が低くなると筋線維が速筋から遅筋に変化していきます。
ダイエット中は筋肉が減りやすい状態となっていることと重なることで、筋肉が落ちてしまう(細くなる)ということになってしまいます。
そう考えると、できれば筋トレを先にした方が良いかもしれません。
先に筋トレを行う方が高強度でトレーニングを行うことができます。
高強度でトレーニングを行う方が筋肉の遅筋化は少なく済み、結果として筋肉量の維持に役立つことになるでしょう。
ただ、細くなりたい女性にとっては筋肉の遅筋化が進むのは好ましい変化かもしれません。
ダイエットが目的の場合は筋トレと有酸素運動の順番はそれほど気にしなくても構いません。
敢えて順番を決めるのであれば、
- 筋肉量をできるだけ維持したいなら筋トレから
- 女性や細くなりたいのであれば有酸素運動から
といった順番になるのではないでしょうか。
筋トレと有酸素運動の順番に関する最新研究データ
ここまで筋トレと有酸素運動の順番について説明をしてきました。
最後に筋トレと有酸素運動の順番に関するエビデンスを紹介しましょう。
英国・ノーサンブリア大学の研究者らが筋トレと有酸素運動の組み合わせと効果の違いについて研究を行っています。*1
研究は過去に発表された筋トレと有酸素運動の順番と効果の違いに関する10件の研究データ(1件はプロスポーツ選手、3件は趣味で運動をしている人、6件は運動をしていない人のデータ)をまとめて分析を行っています。
メタアナリシスという解析方法で、信憑性の高い研究方法です。
それによると、筋トレをしてから有酸素運動を行う方が下半身の筋力に対しては効果が高いようです。
ただ、筋肥大効果、持久力向上効果、体脂肪率の変化に関しては筋トレと有酸素運動の順番との関係は見られなかったとのこと。
筋力アップ効果を得たい場合は筋トレをしてから有酸素運動を行うと良いでしょう。
それ以外にダイエットや健康増進が目的であれば筋トレと有酸素運動の順番は気にしなくても良さそうです。
自分のやりやすいような順番で行うと良いでしょう。
筋トレと有酸素運動の順番まとめ
筋トレと有酸素運動の順番に関してまとめましょう。
という感じになります。
目的に合わせて筋トレと有酸素運動の順番を考えると良いでしょう。
どっちでも良い場合は続けやすい順番でトレーニングを行うと良いでしょう。
筋トレと有酸素運動の順番についてお悩みの方の参考になれば幸いです。