「下を向いて休むな!!」
ゼーゼーハーハーと息が上がった時に膝に手をついて下を向いて休憩していると言われる言葉です。
部活などのスポーツ経験のある方は一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。
さて、この膝に手をついて下を向いて休むのは本当に悪い姿勢なのでしょうか。
今回は膝に手をついて下を向いた姿勢と回復速度についてご紹介します。
姿勢の違いと回復速度の関係について
ワシントン大学の研究者らが息の上がるハードなトレーニング中のインターバル時における姿勢と回復の関係について調査を行っています。
実験は平均年齢20.3歳の大学女子サッカー選手20人を対象に実施。
参加者に全力に近い4分間のランニングと3分間の休憩という組み合わせのトレーニングを4セット行ってもらいました。
最近話題のHIIT(高強度インターバルトレーニング)を行ったわけですね。
最大心拍数の90~95%強度のランニングなので、息も上がりゼーゼーハーハー状態となります。
その休憩中に
- 膝に手をつき下を向いて休む
- 両手を頭に置き前を向いて休む
以上の2種類の姿勢で休憩を取った場合の回復速度の違いを調べています。
姿勢はこんな感じ↑
下を向いて休むな!って言われそうな姿勢で休憩していますね。
さて実験の結果、休憩中の心拍数の回復は両手を膝に置いて下を向いた姿勢の方がより早いことがわかりました。
また、二酸化炭素の排出量や一回換気量に関しても両手を膝に置いて下を向いた姿勢の方がより早いという結果となりました。
両手を膝について休憩する方が回復速度が早かったということですね。
休憩中は両手を膝について下を向いて休め
よく部活の練習中や試合中に
「下を向いて休むな!」
なんて言われたりしますが、ハードなトレーニングの休憩中は膝に手をついて下を向いて休む方が早く回復することができてパフォーマンス向上に良いかもしれないということですね。
研究者曰く、両手を膝について下を向いた姿勢は呼吸がしやすくなり、それによって回復が促されたとのこと。
サッカー、ラグビー、バスケット、アメフトなどのスポーツは試合中にたびたびプレイが止まります。
怪我した選手を担架で運び出されている時なんかはそれなりに長い時間プレイが止まりますよね。
短時間であればサッカーでボールがタッチラインを割ってスローインのために選手がボールを取りに行ってる時間とかもそうです。
アメフトなんかだと動いている時間と休憩の時間が交互に訪れるといった感じです。
そんな時に両手を膝について下を向いて休めば回復が促されてその後のパフォーマンスに差が出るかもしれないってことです。
もちろん自分の決められたポジションにつくまでは止まって休むわけにはいきませんが、ポジションについたらプレイが再開されるまでは膝に手をついて休憩をすると良いのではないでしょうか。
もちろん、この研究だけで両手を膝について休むのがベストであると言い切ることはできません。
ただ、下を向いて休むな!という意見に関しては間違いであると言える可能性が高いのではないでしょうか。
回復時の姿勢まとめ
「下を向いて休むな!」
なんて言われても
「下を向いた方が回復が促されることが科学的に証明されているんですよ!そんなことも知らないんですか?」
と反論しましょう。
もちろん監督・コーチに嫌われて干される可能性もあるので、そのあたりは空気を読んで反論を口にはせず、心の中だけで思っておくことをオススメ致します。
休憩中は膝に手をついて下を向くと回復が促されます。
休憩中の姿勢を意識してみてはいかがでしょうか。
パフォーマンスがアップして良い結果に繋がるかもしれませんよ。
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参考文献
Effects of Two Different Recovery Postures during High-Intensity Interval Training