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腕立て伏せの負荷は体重の何%くらい?ベンチプレスとの違いは?

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最も有名な筋トレの種目のひとつに腕立て伏せが挙げられるでしょう。

道具も必要なく、どこでも簡単に行うことができるトレーニングです。

 

通常の腕立て伏せができないという方も膝を着いたり机や椅子の上に手を着いて行うことで負荷を下げることもできるので、女性や高齢者にも行うことができます。

また、足を台の上に置くことで負荷を高めることができるので、通常の腕立て伏せでは物足りないという筋力の高い男性にとっても有効なトレーニングとなります。

 

ただ、手足の位置で負荷が変わることは明らかですが、どれくらいの負荷が掛かっているのでしょうか?

ダンベルやバーベルのように具体的な負荷数値はわかりません。

腕立て伏せのフォームによっても負荷が変わるので完全に数値化することは難しいですが、ある程度分かる方が良いでしょう。

 

また、腕立て伏せと似たような筋肉を鍛えることができる種目としてベンチプレスが挙げられます。

腕立て伏せとベンチプレスを比べた場合は効果に違いはあるのでしょうか?

 

ということで、今回は腕立て伏せに関する研究について紹介致しましょう。

  

腕立て伏せの種類と負荷の違い

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腕立て伏せの手や足の位置を変えて強度の変化をつけることができますが、どの程度の負荷がかかっているのかはよく分かっていません。

特に手や足の高さが変わった場合の負荷に関しては数値化しにくいでしょう。

ただ、ある程度どれくらい負荷が掛かっているか分かったほうが良いこともあるでしょう。

 

ということで、ウィスコンシン大学の研究者らが腕立て伏せの手もしくは足の位置と負荷の違いについて研究を行っています。*1

実験では23人(男性14人、女性9人)の参加者に何種類かの腕立て伏せを行ってもらい、手にかかる力の測定を行いました。

 

測定した腕立て伏せは以下の6種目です。

  • 通常の腕立て伏せ
  • 膝着き腕立て伏せ
  • 約30cmの台に足を乗せて腕立て伏せ
  • 約60cmの台に足を乗せて腕立て伏せ
  • 約30cmの台に手を置いて腕立て伏せ
  • 約60cmの台に手を置いて腕立て伏せ

それぞれの腕立て伏せを行ってもらい、手にかかる負荷を調べていきました。

 

なんとなく分かるかとは思いますが、膝を着いたり台に手を置くことで負荷は低下し、足を台に乗せることで負荷が高まります。

それぞれの腕立て伏せは体重の何%程度負荷が掛かっているのでしょうか?

 

結果

さて、各種腕立て伏せを行った結果を見てみましょう。

  • 約60cmの台に手を乗せる:体重の41%
  • 膝着き腕立て伏せ:体重の49%
  • 約30cmの台に手を乗せる:体重の55%
  • 通常の腕立て伏せ:体重の64%
  • 約30cmの台に足を乗せる:体重の70%
  • 約60cmの台に足を乗せる:体重の74%

という結果となりました。

 

腕立て伏せは工夫次第で負荷を体重の41%~74%程度まで変化をつけることができるということですね。

体重60kgであれば、24kg~45kgの間で負荷の調整を行うことができます。

 

ざっくりと、膝つき腕立て伏せで体重の50%くらい、普通の腕立て伏せで体重の60%ちょっと、台に足を乗せると体重の70%くらいって覚えておけば便利かもしれません。

 

腕立て伏せの実践

もちろんフォームや体型によって若干の差はあるわけですが、これくらい変化をつけることができるのであれば、多くの方が腕立て伏せを行うことができるでしょう。

筋力に自信のない方は60cmの台に手をついた状態の腕立て伏せから始め、筋力が高まるのに併せてやり方を変えて負荷を高めていけば効果的に上半身の筋肉を鍛えることができるでしょう。

 

逆に、体重の41%を支えられないということであれば、さらに工夫が必要になるでしょう。

体重の41%で腕立て伏せができないのであれば、ウォールプッシュアップ(壁に手をつく)などさらに負荷を下げる工夫が必要になるでしょう。

60cmの台よりも壁に手をつくほうがさらに負荷を下げることができるので、かなり筋力が弱い、もしくは体重が重た過ぎて支えきれない人でも行えるでしょう。

 

60cmの台に足をおけば体重の74%の負荷をかけることができます。

女性であればここまでできる方はそうそういらっしゃらないかと思いますが、男性の場合はある程度トレーニングをしていれば60cmの台に足を置いても負荷は足りなくなるでしょう。

負荷が足りないということであれば、チューブやプレートなどで負荷を加えたり、片腕で行うなどの工夫をする必要があります。

 

 

ちなみに最近の研究では負荷が低くても高回数行えばちゃんと筋肥大することが報告されていますので、筋力のある方であっても腕立て伏せで筋肥大効果を得ることは十分可能であると言えます。

 

腕立て伏せとベンチプレス 筋活動の違いは?

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腕立て伏せは負荷の調整ができて意外と効果的であることがわかりましたが、ベンチプレスと比べるとどうなのでしょうか?

ノルウェーのノード大学でベンチプレスと腕立て伏せの上半身の筋活動の違いについて調査した研究があります。*2

 

実験は普段筋トレをしている20人の若者(平均年齢22.5歳、平均身長180cm、平均体重83.7kg)に

  • ベンチプレスを50%1RMで行う
  • ベンチプレスを60%1RMで行う
  • ベンチプレスを70%1RMで行う
  • ベンチプレスを80%1RMで行う
  • 腕立て伏せを普通に行う
  • 腕立て伏せを10kgのウェイトベストを着て行う
  • 腕立て伏せを20kgのウェイトベストを着て行う
  • 腕立て伏せを30kgのウェイトベストを着て行う

という合計8つの条件でベンチプレスもしくは腕立て伏せをしてもらい、上半身の筋活動の違いを調べました。

 

結果:腕立て伏せもベンチプレスも筋活動に差はほぼなし

で、実際に調べた結果ですが、ベンチプレスと腕立て伏せはどちらも同じような筋活動であったという結果となりました。

どちらも負荷を上げれば同じように動作スピードが低下しますし、動作中で一番苦しい箇所もほぼ同じでした。

腕立て伏せはベンチプレスの替わりになるというわけですね。 

 

腕立て伏せのメリットとデメリット

とういうわけで、腕立て伏せはベンチプレスの替わりになるということでしたが、当然ベンチプレスと比べた場合の強みと弱みがあります。

 

腕立て伏せの弱みとしては、ベンチプレスのように限界ギリギリの高負荷でトレーニングすることができないってところです。

ウエイトベストを着るにしても、背中にウェイトプレートを乗せるにしても、限界ギリギリの負荷を掛けるのは難しいものがあります。

 

ベンチプレスの1RMが100kgの体重70kgの人が80%程度の負荷を腕立て伏せで得るのであれば、通常の腕立て伏せに加えて40kg近くのウェイトベストを着るもしくはプレートを背中に乗せる必要があります。

40kgの負荷というのは一番大きなプレート2枚乗せることになるわけなので、物凄く乗せにくいかと思われます。

 

筋力アップを目指しているのであれば高負荷でトレーニングできないというのはデメリットと言えるでしょう。

 

 

逆に腕立て伏せの強みとして、体幹を同時に鍛えることができることが挙げられます。

研究では腕立て伏せの方がお腹の筋肉(腹直筋など)が強く働くことが報告されています。

コアトレーニングでよく行われるプランクの姿勢を維持するようなフォームになるので、体幹部の筋肉がしっかり働くのでしょう。

 

 

また、腕立て伏せは前鋸筋が鍛えられて肩甲骨の動きが良くなるという効果も期待できます。

 

ベンチプレスをはじめとする多くの筋トレは肩甲骨を下げた状態で行うことになります。

ベンチプレスしかり、ラットプルダウンしかり、デッドリフトしかり、スクワットしかり。

 

筋トレを頑張れば頑張るほど肩甲骨を引き下げることになってしまいます。

肩甲骨が下がって固まってしまうと肩甲骨と腕の動きのバランスが悪くなって肩の痛みなどに繋がります。

 

腕立て伏せはベンチプレスとは違って肩甲骨を動かすことができます。

それによって前鋸筋が鍛えられます。

 

前鋸筋は肩甲骨の外転や上方回旋といった動きにかかわる筋肉で、この前鋸筋を鍛えることで肩甲骨の動きの改善につながると考えられます。

よって、腕立て伏せで前鋸筋を鍛えると肩甲骨の動きが良くなるということですね。

 

腕立て伏せはベンチプレスの替わりになる 

ということで、ベンチプレスと腕立て伏せは若干の違いがあるものの、筋肉の働きに関してはほとんど変わらないということです。

ベンチプレスができないって環境の場合は腕立て伏せを行うようにすれば同じような感じで上半身の発達が期待できるでしょう。

むしろベンチプレスにはないメリットもあるので、積極的に腕立て伏せを行うようにすると良いかもしれません。

 

また、女性や高齢者であればベンチプレスは行わずに腕立て伏せを行うようにしても良いかもしれません。

道具も必要ありませんし、膝をついたり椅子に手をついたりすることで簡単に負荷の調整を行うこともできます。

 

ベンチプレスにこだわらず、腕立て伏せを行ってみてはいかがでしょうか。

 

腕立て伏せとベンチプレス 効果の違いは?

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さて、腕立て伏せとベンチプレスとで筋活動にはほとんど差がないことがわかりましたが、実際の効果はどうなのでしょうか?

というわけで、米国・ノースダコタ州立大学で行われた腕立て伏せとベンチプレスの効果の違いについて調べた研究を紹介しましょう。*3

 

実験はここ半年間、週2回以上の筋トレを行っているという18~45歳の男性23人を対象に行われました。

参加者を

  • ベンチプレスを行うグループ
  • 腕立て伏せを行うグループ

以上の2グループに分け、ベンチプレスもしくは腕立て伏せを

  • 頻度:週3回
  • 期間:4週間
  • 内容:6回 3セット

という内容でトレーニングを行ってもらい、ベンチプレスの挙上重量・可能な腕立て伏せレベルの変化について比べています。

ちなみに筋力アップするに併せてベンチプレスは負荷を増やしたり、腕立て伏せはやり方を変えて負荷を増やすようにしています。

 

結果:筋力・筋肥大効果に差はなし

さて、4週間の実験の結果を見てみましょう。

  • ベンチプレスの最大挙上重量:差なし
  • 大胸筋の肥大:差なし
  • 腕立て伏せの強度:ベンチプレス < 腕立て伏せ

という結果となりました。

 

腕立て伏せを行ってもベンチプレスを行っても同じように効果が得られるというわけですね。

もちろん4週間という短期間の結果なのでこの結果が全てというわけではありませんが、少なくとも腕立て伏せがベンチプレスに劣っているというわけではなさそうです。

 

腕立て伏せはベンチプレスの替わりになりえると言えるでしょう。 

 

まとめ

腕立て伏せはベンチプレスとほぼ同じような効果を得ることができます。

むしろ体幹や肩甲骨への影響を考えればベンチプレスより優れているとも言えそうです。

 

腕立て伏せの負荷は通常のやり方で体重の60%程度かかり、手や足を台に乗せることで体重の40~70%の範囲で負荷の調整を行うことができます。

さらにウェイトベストを着たりウェイトプレートを背中に乗せることでそれ以上の負荷を加えることもできます。

 

というわけで、腕立て伏せはなかなか優れた種目と言えるのではないでしょうか。

家トレで腕立て伏せを行うのはもちろんですが、普段ベンチプレスをしているって方も腕立て伏せを行うようにすると良いのではないでしょうか。

ぜひ腕立て伏せを行ってみてください。

   

参考文献