この記事では玄米(全粒穀物)の健康効果について書いています。
- 米ぬか?意外とよく知らない食材
- 米ぬかがアメリカで注目されている
- 米ぬかは栄養豊富
- 玄米(米ぬか)で消費カロリー増&吸収を抑制
- お通じが良くなり余分なエネルギーが排出される
- 玄米(全粒穀物)が身体にとても良い!
- 玄米食にする場合の注意
- 参考文献
米ぬか?意外とよく知らない食材
米ぬかという言葉自体は知ってはいるものの、実はあんまり知らないって方もいらっしゃるかもしれません。
せいぜいぬか漬けを作るときに使ったり、タケノコの灰汁をとるのに使われる程度だと思う方も多いでしょう。
実は、米ぬかは玄米の表面部分のことです。
最近はダイエットや健康ブーム関係で玄米なんかも見直されていますよね。
玄米を食べているって方は米ぬか部分も食べているってことですね。
玄米=精白米∔米ぬかです。
米ぬかがアメリカで注目されている
日本人としては玄米が白米よりも栄養豊富ってことは大抵の方が知っていますよね。
白米の方が美味しいんですが、栄養価は玄米の方が高いんです。
江戸時代、地方から江戸に来た人が次々と病気になり、地元に帰ると治るという病気「江戸患い」。
これも地元では玄米を食べており、江戸では美味しい白米ばかり食べていたら栄養失調で脚気になってしまったということですね。
また大正に入ってからは一般人に精白米が普及、しかも安いということでそればっかり食べて、国民病と言われるほど流行したようですね。*1
日本陸軍が白米ばかり食べたばかりに脚気による死者4,000人も出したことは有名な話です。
こんな感じで日本人には栄養豊富ってことは知っていましたが、お米が主食ではないアメリカなんかではそんなに知られていませんでした。
そんな「米ぬか」がアメリカで栄養豊富な食材として注目を浴びています。
米ぬかは栄養豊富
米国・コロラド州立大学のZareiらのグループがライスブラン(米ぬか)について調べています。*2 *3
たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンが豊富でめっちゃええやんって感じです。
あとはご存知の通り食物繊維なんかも豊富ですよね。
ついでに抗炎症作用、抗菌作用、抗高血圧作用なんかもあるとのこと。
アジアを中心に多くの国でコメを主食にしているけど、大抵は白米を食べているから米ぬか部分は大量に余っています。
それを使えばいろいろと良いんじゃないだろうかということです。
玄米(米ぬか)で消費カロリー増&吸収を抑制
そんな米ぬか(玄米)などの全粒穀物を食べた場合の効果について調べた研究もあります。
米国タフツ大学の研究によると、玄米を食べることで消費カロリーを増やすことができるようです。*4
米国タフツ大学が全粒穀物食の健康効果に関して実験を行いました。
実験は、40~65歳の81人(男性49人、閉経後の女性32人)を対象に実施。
対象者を
- 全粒穀物食を食べるグループ
- 非全粒穀物食を食べるグループ
の2つに分けました。
全粒穀物食っていうのは玄米とか全粒粉とかを食べるってことですね。
ウィキペディアの方が詳しいので引用しときます。
全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ、英: whole grains)とは、精白などの処理で、糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物や、その製品である。
主に玄米、玄米を発芽させた発芽玄米、ふすまを取っていない麦、全粒粉の小麦を使った食品、オートミール、挽きぐるみのソバなどがある。
玄米などを食べるグループってことですね。
非全粒穀物食っていうのは、精白米とか小麦粉とかですね。
糠やふすまを取り除いているので、白っぽい色をしている食べ物です。
普段よく食べるご飯とかパンです。
実験では、それぞれのグループにそれぞれの食事を6週間食べ続けてもらいました。
実験の結果、全粒穀物食を食べたグループは、余分なカロリーの吸収が抑えられました。
また安静時のエネルギー代謝も促進され、非全粒穀物食グループに比べ1日あたり100キロカロリーも多くエネルギーを消費していたとのこと。
ちなみに両グループは全粒穀物製品の有無や、食物繊維の摂取量が違うだけで、摂取エネルギーやミネラルの摂取量などはほぼ同じ内容に調整を行なったとのこと。
全粒穀物食と非全粒穀物食とを比べる実験なので、他の要素をできるだけ排除して、全粒穀物食の効果を調べたようです。
お通じが良くなり余分なエネルギーが排出される
同じくタフツ大学などの研究グループが玄米について調べています。*5 *6
その報告によると、全粒穀物を食べることで、
- 便の量が増加
- トイレの回数が増加
- 余計なカロリーが排出された
- 安静時代謝の増加
- 腸内環境の改善
- 炎症反応の減少
といった効果も見られました。
玄米(全粒穀物)が身体にとても良い!
安静時代謝が高くなるわ、余計なカロリーが排出されるわ、お通じが良くなるわ、腸内細菌の状態が良くなるわ、全身の炎症も減るわということで、全粒穀物食が物凄く身体に良いということになります。
少なくともお通じの改善やダイエットには役立ちそうです。
ダイエット中はどうしても便秘になりがちですが、玄米などの全粒穀物を食べることで便秘を予防しつつ消費エネルギーも増やすことでダイエットに大いに役立ちそうです。
何かを減らしてのダイエットなんかはなかなか継続できないことが多いですが、白米の替わりに玄米にするだけなので続けやすいのではないかと思います。
もちろん玄米100%にする必要はなく、白米に何割か玄米を混ぜてみたり、3分づきや5分づきなどで食べても良いかと思います。
何よりも継続することが重要なので、続けやすい方法で玄米などの全粒穀物を食べるようにしてみてはいかがでしょうか。
玄米食にする場合の注意
白米を玄米にすることでダイエットできるかもって話ですが、ちょっとだけ注意も必要です。
玄米にはフィチン酸という物質が含まれているんですが、これがミネラルの吸収を阻害してしまいます。
身体に悪い重金属の排出を促すだけでなく、身体に必要なミネラルまでくっついて排出してしまうわけです。
なので、毎日3食玄米食ばかりとなるとミネラル不足に陥る可能性があります。
365日玄米ばかりといった食事は行わないように気をつけましょう。
ちなみに発芽玄米であればフィチン酸がなくなっているので安心して食べることができます。
玄米食を行う時にはちょっと気をつけましょう。
参考文献
*2:Rice Bran Metabolome Contains Amino Acids, Vitamins & Cofactors, and Phytochemicals with Medicinal and Nutritional Properties. - PubMed - NCBI
*3:Chemopreventive properties of dietary rice bran: current status and future prospects. - PubMed - NCBI
*4:Substituting whole grain for refined grain: what is needed to strengthen the scientific evidence for health outcomes?
*5:Substituting whole grains for refined grains in a 6-wk randomized trial favorably affects energy-balance metrics in healthy men and postmenopausal women
*6:Substituting whole grains for refined grains in a 6-wk randomized trial has a modest effect on gut microbiota and immune and inflammatory markers of healthy adults