こんにちは。
奈良のパーソナルトレーナー下司です。
近年パーソナルジムで短期間のダイエットが流行っていますよね。
2ヶ月で10kgとか。
ただ、同時によく言われるのが
すぐにリバウンドしてしまう
ということです。
ダイエットは短期間ではなく長期間かけて行う方が良いって言われたりしますよね。
さて、そんな短期間のダイエットと長期間のダイエット どちらが効果的なのか調べた研究があったのでご紹介します。
短期間 vs 長期間
この研究は肥満の女性101人を対象に短期間で行うダイエットと長期間かけて行うダイエットの効果を12ヶ月間かけて調査を行っています。
実験では女性ホルモンの影響を排除するために、閉経後5年以上経過した平均年齢58歳の女性(平均BMI 34.4・平均体重が90.8kg)を対象にしています。
参加者を
- 12ヶ月間かけてゆっくりとダイエットを行うグループ
- 4ヶ月間の厳しいダイエットを行うグループ
以上の二つのグループに分けて実験を行いました。
短期集中ダイエットと長期間のダイエットを比べたわけですな。
長期間かけてダイエットを行うグループは、は摂取カロリーを25~35%減らして体重を落としていきました。
まあ一般的なカロリー制限ですね。
一方の短期間でダイエットを行うグループは、摂取カロリーを65~75%減らして体重落としていきました。
かなり厳しいカロリー制限を行ったわけですね。
そのかわり期間は短く、4ヶ月経過後はダイエット開始前の食事と同じものに戻しています。
5ヶ月目からは食事を戻しているので当然体重が増えるわけですが、それも踏まえて12ヶ月経過時点での体重をチェックしています。
結果
さて、12ヶ月間のダイエット実験の結果ですが、短期間でダイエットを行ったグループは長期間ダイエットを行ったグループに比べて
- 体重:-15.3kg vs -8.4kg
- 体脂肪量:-10.2kg vs -5.5kg
- ウエスト:-14.3cm vs -6.9cm
- ヒップ:-10.3cm vs -6.2cm
- 全身の筋肉量:-3.2kg vs -2.1kg
という結果となり、短期間でダイエットを行うグループのほうが明らかにダイエット効果が高かったと言えるでしょう。
短期間でダイエットを行ったグループは4ヶ月の時点よりも若干体重が増えたにも関わらず、12ヶ月経過時点での差は歴然ですな。
筋肉量に関しては短期間でダイエットしたグループの方が若干多く減ってしまっていますが、体重が7kgも多く落ちたわけなんで当然筋肉量も多く減ってしまいます。
筋力に関しては差がなかったようなので、この程度の筋肉量の減少は無視して良いでしょう。
タンパク質の摂取量が1日に体重1kgあたり1gという食事内容でしたので、このたんぱく質摂取量をもう少し増やして体重1kg当たり2gくらい取れば筋肉量の減少はもうちょい抑えられるんじゃないかなと思います。
また、長期間ダイエットを行ったグループに比べて短期間でダイエットを行うほうが脱落者が少ないという結果となっています。
短期集中ダイエットは最後まで続けやすいってわけです。
短期間でダイエットを行ったグループからの脱落者は4人でしたが、一方の長期的なダイエットを行ったグループの脱落者の数は12人もいました。
短期間でダイエットを行うほうが体重の減少が目に見えてわかるのでモチベーションの維持にもつながったのかと思います。
長期的なダイエットの場合も体重は落ちるもののその速度は緩やかなのでモチベーションが続かなくなってしまうのでしょう。
この実験で唯一気になるのが骨密度の減少です。
長期間のダイエットを行ったグループに比べて短期間でダイエットを行うグループの方が若干骨密度が減少しています。
高齢の女性で骨密度に関してお医者さんから指摘されているって人は少々気をつける方が良いかもしれません。
ただ、これもしっかりタンパク質やカルシウムを摂ることで骨密度の減少を抑えることができるでしょう。
またこの実験では食事の制限のみでダイエットを行っていますが、筋トレなどの運動を併用することで骨密度の減少を抑えることができます。
よって、骨密度の減少もそこまで気にする必要はないでしょう。
まとめ
というわけで、一般的には短期間のダイエットは悪くて長期的なダイエットは良いと言われてはいますが、結果は完全に逆になりました。
多少体重が戻ってしまうものので、短期間でダイエットを行うほうが長期的にダイエットを行うよりも効果的で、しかも継続しやすいと言えそうです。
この実験では閉経後の女性を対象としているので、男性や若い女性が対象の場合に同じ結果が得られるとは限りませんが、参考になるのではないでしょうか。
参考文献
Radhika V. Seimon et al. (2019) Effect of Weight Loss via Severe vs Moderate Energy Restriction on Lean Mass and Body Composition Among Postmenopausal Women With Obesity