近年、筋トレを行う女性が増えています。
その筋トレの効果を高めるためにプロテインを飲む女性も増加中です。
「プロテイン女子」なんて言葉もあるくらいです。
そんなプロテインの原料として最もメジャーなのが「ホエイ」です。
日本語で乳清という物で、ヨーグルトの上澄み液部分を濾過して作られているのがホエイプロテインです。
ホエイプロテインには筋肉の発達に影響する「ロイシン」というアミノ酸が多く含まれており、筋肉を付けるならホエイプロテインが良いとされています。
ただ、女性ならホエイプロテインではなく大豆を原料としたソイプロテインを選ぶのも良いかもしれません。
今回は女性がソイプロテインを選ぶと良いかもしれない理由を紹介しましょう。
女性ホルモンはお腹の脂肪を減らす
まず女性にとって重要なホルモンである「女性ホルモン」の働きについて紹介しましょう。
女性ホルモンには様々な働きがあるわけですが、そんな働きのひとつに「女性らしい身体を作る」という働きが挙げられます。
女性ホルモンがお腹まわりに脂肪が付くのを抑え、くびれのある身体を作ってくれるわけです。
「若いけどお腹に脂肪いっぱい付いてるんですけど…」
という女性の声もあるかもしれませんが、高齢の女性と比べると分かりやすいでしょう。
高齢の女性の方が明らかにウエストまわりに脂肪が付いていますよね。
高齢女性は女性ホルモンが少なくなっているのでお腹まわりに脂肪がついてしまうわけです。
ということで、女性らしい脂肪の付き方になるためには女性ホルモンが大切ということになります。
女性ホルモンが筋肉の発達に役立つ
女性ホルモンは筋肉の発達にも影響を及ぼします。
今まで女性ホルモンは筋肉にとってマイナスであると言われていました。
女性ホルモンは筋肉の発達を抑え、体脂肪を増やす働きがあるといった感じです。
ところが最近の研究によると、女性ホルモンは筋肉の発達に良い影響があることがわかってきています。1 2
女性ホルモンが少ないと筋肉にとってマイナスというわけですね。
もちろん男性の場合は男性ホルモンの影響の方が大きいので女性ホルモンが増えても筋肉の発達にはほとんど意味はありません。
ところが女性の場合は基本的に男性ホルモンの量が少ないので男性ホルモンによる筋肉の発達効果の恩恵を受けることはできません。
その代わり女性ホルモンが筋肉の発達に比較的大きな影響を与えるといった感じです。
ということで、女性の筋肉の発達には女性ホルモンも大切であると言えます。
大豆プロテインが女性ホルモンをサポート
女性が女性らしく引き締まった身体を作るためには女性ホルモンが大切ということでした。
ところが、年齢と共に女性ホルモンの分泌量は低下してしまいます。
特に閉経後には女性ホルモンの分泌量はガクッと減少してしまいます。
そこで登場するのが大豆プロテイン(ソイプロテイン)というわけですね。
大豆にはイソフラボンという成分が含まれています。
有名なのでご存じの方も多いでしょう。
このイソフラボンは女性ホルモンに似た働きを持っています。
加齢とともに減少してしまう女性ホルモンの働きを補ってくれるわけです。
大豆プロテインでイソフラボンを摂取することで先述のように、お腹まわりに脂肪が付くのを抑え、筋肉の発達を促すという効果が期待できるかもってこと。
また、大豆プロテインの方が消化吸収がゆっくりなので、腹持ちがよくてお腹が空きにくくなるというメリットもあります。
余計な間食をしなくて済むようになるってわけですね。
まとめ
ということで女性はホエイプロテインより、女性ホルモンに似た働きをもつイソフラボンが豊富に含まれた大豆プロテイン(ソイプロテイン)を摂る方が良いかもしれないということでした。
女性にとって大豆プロテインが身体づくりにどれくらい良いかは現時点ではわかっていませんが、女性にとって女性ホルモンが身体づくりに大切であることは間違いありません。
女性ホルモンに似た働きをもつイソフラボンが摂れる大豆プロテインを摂れば恐らく効果は期待できるでしょう。
ついでに大豆プロテインだけじゃなくて普段から豆乳とか納豆とか豆腐といった大豆製品を食べるようにすると、よりイソフラボンを摂ることができて効果が高まるのではないでしょうか。
とりあえず、女性の場合は大豆プロテインを選ぶのもありかもしれないって思っていただければと思います。
参考文献
*1:Enns DL1, Tiidus PM (2010) The influence of estrogen on skeletal muscle: sex matters.
*2:Collins BC et al (2019) Estrogen Regulates the Satellite Cell Compartment in Females.