加圧トレーニング

加圧(血流制限)有酸素運動の効果をまとめた研究の紹介

こんにちは。

奈良の加圧パーソナルトレーナー下司です。

 

加圧有酸素運動の効果についてまとめた研究があったので紹介致します。

低強度で効果がある加圧有酸素運動

代表的な運動とも言えるウォーキング・ランニング・サイクリングといった有酸素運動。

運動するならとりあえずウォーキングって方は少なくないでしょう。

 

ただ有酸素運動って手軽にできるんですが、効果を出そうと思ったら意外と大変なんですよね…。

アメリカスポーツ医学会によると有酸素運動は週に5~7日、40~60%VO2maxの強度での運動が推奨されています。

60%VO2maxってブラブラとした散歩程度の運動ではないですからね。

 

60%VO2maxって最大心拍数の60%くらいなので、

(220 - 年齢 - 安静時心拍数) × 0.6 + 安静時心拍数

でだいたい分かります。

 

50歳で安静時心拍数が70の人であれば

(220 - 50 - 70) × 0.6 + 70 = 130

となり、心拍数130くらいで運動しなければなりません。

 

早歩きくらいはしないとダメって感じです。

それをしかもほぼ毎日行わないとダメって言うんですから意外と大変です。

 

対する加圧有酸素運動は血流を制限した状態で20~40%VO2maxの強度で行われます。

普通の有酸素運動の半分程度の運動強度ってわけですね。

これなら散歩程度の運動で十分です。

 

さて、今回紹介する研究では、そんな加圧有酸素運動の効果について2001年から2019年6月までに発表された研究313件の内、条件に合う35件のデータをまとめています。

で、加圧有酸素運動の急性効果と慢性効果について調べました。

 

加圧有酸素運動の急性効果について

まずは加圧有酸素運動の急性効果について見てみましょう。

急性効果っていうのは「すぐに」どんな効果が得られるのかってことです。

 

加圧有酸素運動による急性効果について実際にデータをまとめたところ

  • 酸素消費量が増える
  • エネルギー消費量が増える
  • EPOC(運動後過剰酸素消費)が増える

といった効果が得られるとのこと。

 

簡単にまとめれば普通に歩くよりもカロリー消費が増えるってことですな。

ダイエットのためにはエネルギーを消費する必要があります。

その消費エネルギーを増やすことができるってことで、普通のウォーキングよりもダイエットに効果的と言えそうです。

 

 

また、

  • 乳酸などの代謝物の蓄積
  • 筋肉活動の増加

といった効果も見られました。

これも簡単に言えば、普通のウォーキングよりもたくさん筋肉が使われるってことです。

 

筋肉って使っている筋肉と休んでいる筋肉が存在します。

疲れたら休んでいる筋肉と交代して運動を継続するって感じです。

 

ベルトを締めて血流を制限した状態で運動をすると酸素が不足します。

運動で酸素が足りなくなってくると乳酸などの代謝産物が蓄積され、筋肉が疲れてしまいます。

 

休んでいる筋肉と交代して運動を続けるわけですが、休んでいても血流が制限されているので思ったほど回復できません。

完全に回復できていないのに動いている筋肉が疲れてしまうので無理やり頑張るわけです。

 

元気な時なら5人で仕事は回るのに、疲れてグロッキー状態なので5人では仕事は回らず、7人で頑張らないとダメみたいな感じです。

例え話が下手ですな…。

 

加圧有酸素運動の急性効果まとめ

加圧有酸素運動の急性効果について簡単にまとめると

  • エネルギー消費が増える
  • 筋活動が増える

といったところです。

急性効果なんで筋肉が増えるとか持久力が高まるといった効果が見られるわけではありませんが、酸素消費量が増えて消費エネルギーが増えるというのは持久力トレーニング・ダイエットの為のトレーニングとして有効と言えそうです。

 

加圧有酸素運動の慢性効果について

続いて、加圧有酸素運動による慢性効果について紹介しましょう。

慢性効果は数週間とか数ヶ月継続するとどんな効果が得られるかってことです。

運動は継続してナンボですからね。

当然慢性効果の方がいろいろ大きな変化が見られます。

 

慢性効果その1 持久力の向上

で、加圧有酸素運動の慢性効果として

  • 心肺機能の向上
  • 乳酸性作業閾値の向上

といった効果が報告されています。

持久力が上がった、スタミナが付いたってことですな。

 

心肺機能を示す項目のひとつである最大酸素摂取量に関しては、2週間以下の運動期間であっても最大酸素摂取量が9~10%改善が見られたという報告もあります。

また、強度インターバルトレーニングを加圧状態で行うことで乳酸性作業閾値を16%、最大出力を15%改善したという報告もあります。

 

さて、HIIT(高強度インターバルトレーニング)が心肺機能の改善に非常に効果的であることは周知の事実かと思います。

ただ、難点としては 「かなりキツイ」 ということが挙げられるでしょう。

加圧強度インターバルトレーニングはHIITよりも楽であるにも関わらず、運動効果はほぼ同じといった結果となっています。

 

もちろんHIITに比べてかなり楽というだけであって、単純に「楽」ってわけではありませんが、HIITよりも比較的楽に同じような効果が得られるというのは無視できない効果と言えるでしょう。

 

面白い使い方としてHIITを行ったあとに加圧をしたら最大酸素摂取量が改善(4.5%)したという報告があります。

HIITといっても30秒全力で運動するスプリントインターバルトレーニングとも言われる方法です。

全力で動くには加圧ベルトは邪魔でしかないわけですが、HIITを終えてからベルトを巻いても効果が得られるというのはなかなか面白いかと思います。

 

慢性効果その2 筋肉の発達

慢性的な効果は心肺機能だけでなく、筋肉に対する効果も期待できます。

加圧有酸素運動を3~10週間行うことで7.7~15%の筋肥大が見られたという報告があります。

 

元々加圧ウォーキングが注目されたのはこの筋肥大効果の方ですね。

ウォーキング程度の運動強度であるにもかかわらず筋肉が発達したということで注目されるようになったわけです。

 

普通のウォーキングはおろか、そこそこ速いスピードでのランニングであっても筋肥大効果っていうのはほとんど期待できませんからね。

持久力向上効果と筋肥大効果の両方を得ることができるというのが加圧有酸素運動の大きなメリットと言えるでしょう。

 

ちなみに1件だけ加圧有酸素運動で筋肥大の効果が見られなかったという報告があるようです。

ただ、めちゃくちゃ低い運動強度だったので効果が得られなかった可能性があるとのこと。

 

この効果がなかった研究では最大心拍数の30%強度のサイクリングを20分間週に3回行っているわけですが、最大心拍数の30%って物凄く楽な運動です。

運動とは言えないような運動ですな。

 

私も時々加圧ウォーキングを行いますが、時速4kmで歩けば最大心拍数の30%は簡単に超えます。

ベルトをかなり緩く巻くか、よっぽど優しい運動をしていたわけですね。

いくら低強度の運動で効果があると言っても、あまりに軽すぎる運動ではさすがに筋肥大効果は得られないようです。

 

慢性効果その3 高齢者の機能改善

また、加圧有酸素運動の慢性効果として高齢者の体力テストの結果が改善するという報告があります。

  • 30秒間で椅子から何回立ち上がることができるか
  • 6分間で何メートル歩くことができるか
  • 椅子から立って3m先まで行って戻って椅子に座るまで何秒かかるか

といった体力テストの結果が改善するようです。

 

高齢者の日常生活動作が改善するわけですな。

高齢化社会において介護予防というのが大きなポイントになるわけですが、加圧有酸素運動を行うことで介護予防につながるというわけです。

 

しかも激しい運動というわけではなく、ウォーキング程度の運動強度によって効果が得られるのが良いところ。

ウォーキングであれば毎日のように行っているという高齢者も少なくありません。

それに加圧を加えるだけで筋肉は心肺機能が鍛えられ、介護予防につながるということでこれから要注目です。

 

まあこのブログをご覧の方に高齢者は少ないかと思いますが、親やご自身が年を取った時に加圧有酸素運動を取り入れると良いかもしれませんね。

 

加圧有酸素運動の慢性効果まとめ

加圧有酸素運動の慢性効果をまとめると

  • 筋肉が発達する
  • 持久力が向上する

といった感じです。

 

ポイントは筋肉の発達と持久力の向上が同時に得られるというところですね。

しかもそれらの効果が低い運動強度で得られるというのも大きなメリットです。

 

まとめ

というわけで、加圧有酸素運動の効果を紹介しました。

  • 消費エネルギーが増える
  • 筋肉が発達する
  • 持久力が向上する

といった効果が低強度で得られるわけですね。

 

老若男女にオススメできる加圧有酸素運動

ぜひ取り入れてみてください。

参考文献

Júlio Cesar Gomes Silva (2019) Acute and Chronic Responses of Aerobic Exercise With Blood Flow Restriction: A Systematic Review

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