栄養

怪我を早く治すための食事・栄養とは?

怪我を早く治すための栄養

トレーニングやスポーツをしていてどうしても避けられないのは

怪我

です。

 

使い過ぎによる怪我やフォームの間違いによる怪我はある程度予防することができるものの、完全に防ぐことはできません。

また、足首の捻挫などの突発的な怪我や、対人スポーツにおける怪我などは予防することすら難しくなります。

 

いずれの怪我にしてもトレーニングやスポーツで動く量を減らさなければなりません。

酷い怪我の場合はトレーニングやスポーツを完全に休まなければならなくなります。

最近の報告によれば、怪我の約半数は重症と言われるもので、トレーニングやスポーツを完全に休んでも治るまでに平均で3週間以上かかってしまうとのこと。

 

怪我を完全に防ぐならトレーニングをしなければ一番良いわけです。

ただ、トレーニングによるメリットもゼロになってしまいます。

トレーニングよる怪我のリスクとメリットを天秤にかけると、明らかにメリットの方が大きいということでトレーニングが行われるわけです。

 

といっても、怪我を完全に予防できないといってもできれば早く治したいところ。

いつまでも休んでいればトレーニングはできず、パフォーマンスは低下してしまいます。

 

ということで、今回は怪我を早く治すための栄養に関する論文を紹介します。*1

ちなみに怪我を治すための「治療」「リハビリ」という部分に関しては医師や理学療法士の分野のため今回はノータッチです。

 

摂取エネルギー

トレーニングやスポーツを休むことになると消費カロリーは確実に減ってしまいます。

特に脚を怪我した場合は歩く量が減ってしまい、消費カロリーは大きく減少するでしょう。

 

ただし、怪我を治すためにもエネルギーは必要となります。

怪我の種類や酷さによっては違いはあるようですが、消費カロリーは15~50%増える可能性もあるようです。

ということで、身体活動量が減ることで消費カロリーは少なくなるものの、怪我の回復に消費カロリーが増えるので思っているほど消費カロリーは減らない可能性が出てきます。

 

運動量が減ったからと食事を大幅に減らしてカロリーがマイナスの状態になると怪我の回復は確実に遅くなります

怪我からの回復中は摂取カロリーの減らし過ぎには十分注意する必要があります。

 

また、その逆も注意する必要があります。

消費カロリーが減っているにもかかわらず食べすぎてしまっては余計な体脂肪が増えてしまいます。

体脂肪が増えるだけでなく、全身の慢性的な炎症反応が促進されるという報告もあり、怪我の回復中のオーバーカロリーには気をつけなければなりません。

 

怪我からの回復途中はできるだけ頻繁に体重計に乗るようにし、体重の増加が起きない程度に十分なカロリーを摂ることが大切となるでしょう。

 

タンパク質&アミノ酸

怪我の回復のために最も大切な栄養素と言えるのがタンパク質です。

 

消費カロリーが減る分、摂取カロリーを減らそうとするとタンパク質の量まで減ってしまいがちです。

ただし、タンパク質が十分でないと怪我の回復は明らかに遅くなってしまいます。

 

また、運動量が減ることで筋肉も減少しやすくなりますが、タンパク質が不足することでさらに筋肉の減少が加速してしまいます。

ということで、怪我からの回復中はタンパク質が非常に重要となります。

 

一般的には体重1kgあたり0.8gのタンパク質を摂ると良いと言われますが、全く足りていない可能性があります。

特に普段プロテインなどでタンパク質を体重1kgあたり1.5g以上摂っていた人が体重1kgあたり0.8g程度まで減らすことで明らかに筋肉の減少が起きてしまうことが報告されています。

逆に体重1kgあたり2.0g以上のタンパク質を摂ることで筋肉の減少を抑えることができることも報告されています。

 

一部の研究では必須アミノ酸サプリメント(EAA)を摂ることで怪我の回復が早くなったという報告があります。

ただ、怪我の回復が目的であればEAAのようなサプリメントではなく、プロテインなどで普通のタンパク質を摂取するほうが安上がりで良いかもしれません。

 

また、筋肉の減少を抑える目的で必須アミノ酸の一種であるロイシンのサプリメントが有効という報告もあります。

ただ、ロイシン摂取による筋肉への影響は研究によって結果はマチマチです。

ロイシンを摂ると効果があるかもしれないってところです。

プロテインを十分に摂っていればロイシンも必要ないかもしれません。

 

 

ということで、タンパク質やアミノ酸に関してまとめると、

  • 体重1kgあたり2.0g以上のタンパク質を摂る

ということが怪我からの回復には重要ということになります。

EAAやロイシンといったアミノ酸のサプリメントはそれほど必要ではないかもしれません。

 

怪我の回復のために避けるべきこと

怪我の回復中、明らかに避けるべき栄養素としてアルコールが挙げられます。

怪我をしているならお酒は控えましょう。

 

アルコールを摂ることでタンパク合成が低下してしまいます。

筋肉の回復が遅れるだけでなく、筋肉の減少にも繋がってしまいます。

先行研究によれば炎症反応を減少させ、怪我の回復を遅らせてしまうことが明らかとなっています。

 

怪我をしているならお酒は控えましょう。

とは言っても、お酒が飲みたくなる時もあるでしょう。

多少飲む程度であれば良いでしょう。

 

ただ怪我をして2~3日はお酒を飲んではいけません。

怪我してから2~3日は炎症反応が起きるタイミングですが、ここでアルコールを摂ると無駄に炎症を長引かせてしまうことになりかねません。

炎症反応は身体の修復のために欠かせない反応ですが、無駄に広まってしまってはいけません。

 

そのため、怪我した直後のアルコールは禁忌です。

その後であれば多少飲んでも良いでしょう。

 

もちろんですが、毎日のように飲んでいては怪我の回復が遅れてしまうでしょう。

できれば時々飲む程度に抑え、飲むときも1~2杯程度に抑えておくほうが良いでしょう。

 

まとめ

まとめ

カロリー不足に注意

タンパク質は体重1kgあたり2g以上摂取する

お酒はできるだけ控える

といった感じです。

怪我から早く復帰するためには以上の3点に気をつけましょう。

 

他にロイシン、オメガ3脂肪酸、クルクミンが怪我の回復に良いという報告があるものの、いずれもげっ歯類を対象とした研究なのでヒトの場合は微妙です。

これらの栄養素なら摂ってマイナスになることはないでしょうから、興味のある方は摂ってみても良いのではないでしょうか。」

 

参考文献

Kevin D. Tipton (2015) Nutritional Support for Exercise-Induced Injuries

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