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高頻度vs低頻度 筋トレの効果が高いのはどっちか?

高頻度vs低頻度 筋トレの効果が高いのはどっち?

スプリットルーティーン(分割法)ってご存知ですか?

 

筋トレ初心者を卒業して中級者くらいになると、各筋肉に対してひとつの種目ではなくいろんな種目を行うようになります。

胸の筋肉の場合、ベンチプレス→インクラインベンチプレス→ダンベルフライ みたいな感じで、何種類かの種目を取り入れることで様々な角度から筋肉を鍛えるからです。

 

ただ、種目が増えるとトレーニングにかかる時間も増えてしまいます。

トレーニング時間が長くなると疲れも出てきて後半は集中力が欠けてしまったり、長時間のトレーニングでストレスホルモンがたくさん出てしまったりします。

 

そんな時に取り入れるのが、スプリットルーティーン(分割法)です。

一度に全身を鍛えるのではなくいくつかに分割して鍛えるという方法で、多くの筋トレ愛好家がこぞって取り入れているトレーニング方法です。

 

分割の仕方は様々ですが、最も一般的な分け方として「上半身」と「下半身」の2分割が挙げられるでしょう。

  • 月曜日は上半身
  • 火曜日は下半身
  • 木曜日は上半身
  • 金曜日は下半身

みたいな感じで曜日ごとに鍛える部位を分割して行う方法をスプリットルーティーン(分割法)と言います。

分割することで各部位一度に行うトレーニング量を増やし、そのかわりトレーニング頻度を落とすといった感じです。

 

さて、そんなスプリットルーティーンを取り入れることによるトレーニングの量と頻度ですが、場合によっては見直しが必要かもしれません。

スプリットルーティーンによって頻度を落とすよりも、全身のトレーニングを高頻度でトレーニングした方が効果的という研究があります。

 

今回はスプリットルーティーンによるトレーニング量と頻度に関する研究を紹介しましょう。

 

低頻度 vs 高頻度 効果的なのは?

スプリットルーティーンを取り入れることで各部位に対して一度に行うトレーニング量を増やし、そのかわり各部位のトレーニング頻度を減らすという方法は、世界中のトレーニング愛好家が取り入れていてトレーニングを行うなら基本とも言える内容です。

ところが、スプリットルーティーンを考えさせられる研究があります。

 

ブラジル・メソジスト大学(Methodist University of Piracicaba)の研究者らがトレーニングのボリュームを揃えた場合でのトレーニング頻度について研究を行っています。*1

実験は普段ガッツリと筋トレをしている男性18人を対象に行われました。

 

参加者を

  • 全身のトレーニングを行うグループ
  • スプリットルーティーンを取り入れてトレーニングを行うグループ

以上の2つのグループに分けてそれぞれ8週間トレーニングを行ってもらいました。

 

トレーニングの内容は以下のとおりです。

といっても英語でわかりづらいので簡単に解説。

 

一度に全身を鍛えるグループは

  • 月~金曜日:全身(5種目) 10~12回を3セットずつ

という内容です。

文字通り一度に全身の筋肉を鍛えているわけですね。

 

対するスプリットルーティーン(分割法)を採用しているグループは、

  • 月曜日:胸 10~12回を計15セット
  • 火曜日:上腕二頭筋 10~12回を計15セット
  • 水曜日:脚 10~12回を計15セット
  • 木曜日:背中 10~12回を計15セット
  • 金曜日:上腕三頭筋 10~12回を計15セット

という内容になっています。

各部位を週に1回ずつガッツリと鍛えているわけです。

ただ、腕の筋肉に関しては胸や背中のトレーニングの時にも鍛えられるので腕に関しては週2回トレーニングを行っていることになります。

 

トレーニングプログラム全体のボリューム(反復回数×セット数)はどちらも同じです。

どちらもひとつの部位に対して10~12回を合計15セットです。

 

また、どちらも同じ種目を行っています。

トレーニング全体の内容は揃えて、低頻度でトレーニングを行うか高頻度でトレーニングを行うかといった感じです。

 

結果:高頻度の方が筋肥大効果が高い

さて、8週間トレーニングを行った結果ですが、以下のグラフのようになりました。

全身vs分割 筋トレ効果の高いのはどっち?

青いグラフが全身を鍛えたグループ、オレンジのグラフがスプリットルーティーンを取り入れたグループです。

パッと見たら明らかに青色のグラフ(全身を高頻度)の方がグラフの伸びが良いですね。

 

上腕二頭筋(力こぶの筋肉)、上腕三頭筋(二の腕の筋肉)、外側広筋(太ももの外側の筋肉)いずれにおいても全身のトレーニングを月~金曜日まで毎日行ったグループはスプリットルーティーンを取り入れたグループに比べて大きく筋肉が発達(筋肥大)していました。

また、最大筋力に関してはスクワットのみ大きな差が見られました。

 

超回復理論は気にせず、高頻度が効果的かも

トレーニングの量を揃えた場合、スプリットルーティーンを取り入れて週に1~2回の頻度でトレーニングを行うよりも、高い頻度(1週間に5回のように)でトレーニングをする方が筋肥大効果が高いということですね。

 

ただ、週に5日も全身の筋トレをしても大丈夫なのかと心配になる方もいるかもしれません。

一般的には48~72時間(中1~2日)空けてトレーニングするように言われますからね。

超回復理論という考えですね。

超回復理論で言えば全身のトレーニングを月~金曜日まで週5回もトレーニングを行うというのはありえないと言えます。

 

ところが、最近の研究によると超回復理論は正しくない可能性が示唆されています。

大量のトレーニングを週に5日もトレーニングを行えば当然問題が出てくると予想されますが、今回紹介した研究のように5種目3セット程度であれば大丈夫でしょう。

身体の回復速度にも個人差がありますので、全身のトレーニングを週5日行っても強い疲労感が続くようであれば少し減らすようにすると良いでしょう。

 

 

高頻度トレーニングのメリット

紹介した研究について補足もしておきましょう。

 

トレーニングの量を揃えてと書いていますが、実際はちょっと違います。

全身のトレーニングを毎日行ったグループの方が明らかに多くのトレーニング量(重さ×反復回数×セット数)をこなすことができています。

 

反復回数自体はどちらのグループも同じです。

10~12回を3セットずつで両グループ同じです。

違ってくるのは扱っている「重さ」です。

 

というのも、スプリットルーティーンを取り入れたグループはひとつの部位に対して大量の種目・セット数を行っています。

そのため、トレーニングの後半になるほど強度(重さ)が下がってしまいます。

 

ガンガン脚のトレーニングを行った最後にデッドリフトを高重量で行えるかと言われたら当然無理ですよね。

どう考えても扱える重量は下がってしまいます。

 

それに対して一度に全身を行うグループは各部位3セットずつしか行っていませんので、各筋肉に対する疲労も比較的少なく済みます。

元気な状態で筋トレができれば当然扱う重量も重くなります。

その結果「重さ×反復回数×セット数」で考えると、スプリットルーティーンを取り入れたグループは重さが下がるぶん全身をトレーニングしたグループに比べてトレーニングのボリュームが減少してしまったという感じです。

 

 

また、全身を高頻度でトレーニングを行う方が感覚的なキツさや筋肉痛(遅発性筋肉痛)も少なくて済みます

頻繁にトレーニングを行うと筋肉痛が出にくくなるんです。

 

逆にたまにトレーニングを行うと物凄く筋肉通が出やすくなります。

世間のお父さんたちは子供の運動会で走った翌日は筋肉痛で苦しみながら出勤するって方が多いですよね。

普段走っておらず運動会という1年に1回だけ走るから筋肉痛が出やすくなるわけです。

 

同じように筋トレも高い頻度でトレーニングをしていると筋肉痛が出にくくなります。

スプリットルーティーンを取り入れて週に1回だけトレーニングを行うと筋肉痛が出やすくなります。

 

筋肥大効果が高いだけでなく、疲労感や筋肉痛が軽減するというのも高頻度でトレーニングするメリットと言えるでしょう。

 

まとめ&取り入れ方

スプリットルーティーンを取り入れて少ない頻度でガッツリとトレーニングを行うよりも、高い頻度でトレーニングを行うほうが筋肥大効果は高くなります。

今回紹介した実験のように1回あたりのトレーニング量を減らして毎日全身のトレーニングを取り入れても良いかもしれませんね。

 

ただ、スプリットルーティーンが悪いというわけではありません。

あくまで少なすぎるトレーニング頻度が問題なわけです。

2分割くらいなら週に3回ずつトレーニングを行えるでしょうから同じような効果が得られる可能性があります。

 

先行研究によると、週に10セット以上で高い効果が得られ、週に20セット以上になると効果が緩やかになるという報告もあることから、週3回トレーニングをするなら各部位5~6セットずつ行うと良いのではないでしょうか。

 

とりあえず、普段少ない頻度でトレーニングをしているという方で筋肉の発達に関して伸び悩んでいるという方は、一度に行うトレーニング量を減らして高い頻度でトレーニングを行って見てはいかがでしょうか。

頻度を高めることで筋肉の発達が見られるかもしれませんよ。

全身のトレーニングを週5日行ってみるのも良いのではないでしょうか。

 

参考文献

*1 Zaroni, Rafael S et al., (2018)High Resistance-Training Frequency Enhances Muscle Thickness in Resistance-Trained Men

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